「Disciples II - Dark Prophecy」は,ストラテジーゲームファンにはお馴染みのStrategy Firstの最新作。前作に当たる「Disciples:Sacred Land」は,日本国内での知名度は低いものの,海外(とくにヨーロッパ)では非常に高い評価を得たタイトルで,洋ファンタジーの王道を感じさせる世界観と,作り込まれたゲームシステムが素晴らしい作品だ。
本作は,"Heroes of Might&Magic"に近いシステムを搭載しているターンベースのストラテジーゲーム。プレイヤーは,人間族の王国"The Empire",ドワーフや巨人族を中心にした"The Mountain Clan",デーモン族の"The Legions of the Damned",そしてアンデッドによる"The Undead Horde"の計四つの勢力の中から一つを選んで,敵対する勢力の制圧を目指す。
前作と同様にヒーローユニットを中心にした部隊単位の戦闘システムを搭載しており,特徴あるユニットをうまく組み合わせて戦っていかなければならない。またすべてのユニットにはレベルの概念があり,戦闘を重ねることによって経験を積み,どんどんと成長していく。レベルが上がると基本ステータスが上昇するばかりでなく,ユニットによっては強力な特殊能力を覚えたり,クラスチェンジが可能になるほか,ヒーローユニットには最大で七つのアイテムを装備させることができ,マップ上に存在する商店で武器を購入したりイベントで伝説のアイテムを入手したりと,RPG的な要素がふんだんに盛り込まれている部分が,この作品の最大の魅力といえるだろう。
また,前作では古めかしさを拭いきれなかったグラフィックスも大幅にパワーアップされている。迫力あるエフェクトと美しい3Dグラフィックスで魅せる戦闘シーンや細やかなオブジェクトのアニメーション処理などは,「Heroes of Might&Magicを超えた!」と思わせるほどの作り込みで,作品の完成度の高さをひしひしと感じさせてくれる。いまのところはまだ国内の代理店が決まっていないようだが,本作はぜひともローカライズしてほしいタイトルの一つ。どこか国内のメーカーが目を付けて欲しいと願うばかりである。
今回公開された体験版では,アンデット系の勢力である"The Undead Hordes"のシナリオを楽しむことができる。この作品の魅力を味わうには十分な内容と言えるので,HoMMにハマった人やファンタジーの世界観には目がないという人は,すぐにダウンロードしてみよう。
|