"現実に存在するクルマ"や"リアルな挙動"をウリにしているレースシミュレータがハバを利かせる中,アーケードライクな操作感で車体をブンブン振り回しつつドライビングを楽しめるタイトル「BuzzingCars」のデモ版が登場。
本作は,開発元のEPSITEC自らが"Crazy Race"と語るように,いわゆるサーキットで周回を刻むタイプのレースゲームではなく,荒れ果てた工場跡地などに敷かれた道路(これもサーキットといえなくもないが……)が舞台。場所や状況に応じて,激しい高低差のコースでマシンをジャンプさせたり,45度以上ある丘の上からスベリ降りたりもするのだ。
ゲームは,爆弾の運送や国王殺害などの任務をこなしていく(この辺りがすでにブッ飛んでいるが)"Mission",ゴーストカーと共にベストラップを目指す"Free races",友達などとリプレイデータを持ち寄って対戦できる"Duels"で構成されている。ミッションをクリアすると,タイムや自機の破損状況に応じてクレジットが支払われ,クレジットが規定の量に達すると新しいマシンを購入できる仕組みだ。
前述の通り,あくまでもアーケードライクな作りの本作は,キー操作から画面のインタフェースまで至ってシンプル(マシンは,たった6個のキーで操作できる)。マシンスペックは最高速/加速/グリップ/耐久度のみのステータスを持っており,それぞれのマシンの個性は一度ドライブしてみるとすぐに理解できるようにデザインされている。マシンは,ハリボテ(?)のボディとかなりメカニカルな構造の(要するに古めかしい)シャシーで構成されており,コース上に点在するドラム缶(なぜか火がついていて,少し触れるだけで爆発する)や,やたらと硬いコーンにより次々と破損。最終的には見るも無残な骨組みだけになり,爆発炎上してしまう。 デモ版で使用できる"Mellow Cab"なるマシンは比較的グリップ性能が悪く,始めのうちは慣れない操作と相まって,爽快感やスピード感を味わうに至らないかも。90度以上のコーナーの場合は,マシンを傾けてドリフトの状態で進入し,ハンドブレーキを使うことでケツを"クイッ"と回転させて方向転換するのがコツだろうか(というか,そうしないと多分曲がりきれないと思われる)。慣れてくると,「マリオカート」のように愉快なドライビングが楽しめるようになってくるだろう。
デモ版では,前述の3モードの内,"Duels"を除いた2モードを楽しめる。Missionでは「用途が異なる3つのロボットをそれぞれの仕事場へ運ぶ」といったミッションがプレイできる。Racesモードでは,ストイックにベストラップを刻む楽しみも味わえるぞ。 "おもちゃの国"とも形容できる世界観と画面からは,"もしやB級……?"という香りもほんのり漂っているが,なかなかどうして,美しい画面と軽快な操作フィールで遊ばせてくれる作品である。
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