これから紹介する「Commandos 3：Destination Berlin」は，第二次世界大戦中のヨーロッパを舞台にしたスニーク系のアクションRTS「Commandos」シリーズの最新作。プレイヤーは，さまざまな技能を持つ特殊部隊"Commandos"の面々を操りながら，ナチスドイツを相手にした特殊任務の数々を遂行していかなければならない。
　敵の視界をかいくぐって進むというスニーク系の要素を基盤に，限られたユニット（キャラクター）をうまく動かして敵の監視網をくぐり抜けていくパズル的なゲーム性が，本作の大きな特徴だ。開発を手掛けるのは，本シリーズで一躍名を馳せたお馴染みPyro Studios。職人芸の域ともいえる美しいグラフィックスや，しっかりとしたゲームデザインには定評がある，今や世界的に有名なゲーム会社である。
　前作までの開発に携わっていた主要なメンバーがほぼいない状態でのシリーズ3作めとなる本作だが，ゲームエンジンには前作の3Dエンジンの改良版が採用されており，詳細に描き込まれた箱庭世界を舞台にゲームが展開していく点は前作とまったく一緒。各所に配置されている兵士達の動作や反応も非常に細かく，監視兵の前にタバコを投げつけ，そのタバコに監視兵の注意が向いたところをダッシュで切り抜けるなどといった，緊張感溢れるさまざまなアクションを楽しむことができる。
　敵に見つかってしまうと大抵の場合撃たれて即死してしまうし，例え目の前の敵一人を倒しても物音や銃声でほかの兵士がすぐに駆け寄って来てしまうなど，基本的には"静かに"任務を進めていかなければならない。兵士の向いている方向や兵士の配置をじっくりと調べた上で，その隙を付くように行動していく面白さは，スニーク系の作品ならではの醍醐味といえるだろう。

　この体験版では，ゲームの基礎を学べるチュートリアルモードに加えて，「CENTRAL EUROPE」というキャンペーンの中の一つのミッションを遊ぶことができる。ただ「難しすぎる」との声が多かった本シリーズの伝統を踏襲してか，体験版のミッションも相変わらずの高難度。ワンミスで即死は当たり前で，セーブとロードを繰り返しながらチマチマと進んでいくことになるのは，好みの分かれるところであるが初心者には厳しい部分だろう。　ただ以前に比べると若干ではあるが簡単になったような雰囲気（敵兵士の反応範囲が非常に狭い）。一度コツを掴んでしまうと，サクサクと敵兵士を倒していけるようになるので（デモ版のせいかもしれないが），諦めずに頑張ってプレイしてほしい。ポイントはナイフで一人ずつ片づけていく点と，変装技能に長けた「Spy」の使い方。Spyに敵兵士から奪った制服を装着させることで，敵兵士のど真ん中を悠々に移動していけるので，どう考えても敵に見つかってしまうような地点は，Spyの変装で突破を図るとよい。逆にSpy以外の隊員は変装が"下手"で，倒した敵の制服を着ていてもすぐに見破られてしまうので注意が必要だ。
　操作性の面で若干の難点があるものの，演出やグラフィックス，そしてワンミスが命取りになるドキドキ感などは，さすがに人気シリーズと思わせる内容。ミリタリーファンおよびスニーク系ゲームファンはぜひダウンロードしてみるとよいだろう。（TAITAI）

Commandos 3: Destination Berlin c 2003 Pyro Studios S.L.. Developed by Pyro Studios. Published by Eidos Interactive. Commandos 3: Destination Berlin is a trademark of Pyro Studios S.L. Pyro Studios and the Pyro Studios logo are both trademarks of Pyro Studios S.L. The name 'Eidos' and its logo device are registered trademarks or trademarks pending registration. All rights reserved.

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