ハンガリーのBlack Hole Games社が開発中のファンタジーRTS,「Armies of Exigo」。Electronic ArtsブランドのファンタジーRTSとしては「Lord of the Rings:Battle for Middle-Earth」が有名であるが,版権モノだけではなくEAオリジナルのタイトルとして売り出すために投入されたと思われる,大作の予感漂う作品だ。
人間やエルフなどの種族"Empire",トロールやオーガなどの"Beast Horde",アンデッドや昆虫系などの混成種族"Fallen"という3種族による,三つ巴の戦いを描いた本作。製品版では3種族いずれでもプレイ可能で,それぞれに12ミッションからなるキャンペーンが用意されている。
デモ版では,シングル用の1ステージを収録している。担当種族はEmpire(人間種族)で,二人のヒーローユニットをマップ左下まで生きて到達させるというのが主な目標だ。まずは街を建設できる開けた場所を探し,足場を固めるところから始まる。基本的なゲームシステムやルールはまさにオーソドックスなRTSで,プレイに迷う部分はほとんどない。
本作の特徴の一つに「地上と地下の2階層マップ」という要素があるが,とりあえず,"Tabキー"で地上と地下のマップを切り替える,ということだけ覚えておくといいだろう。
当サイトの過去記事「こちら」でもたびたび紹介してきたが,本作はどことなくビッグタイトル然としているものの,いざ何がウリなのかというと,情報だけでは正直あまりピンとこなかった。まさか,「地上と地下の2階層マップ」をやりたいがために作ったゲームでもないであろうし。
だが画面を見ただけでは分かりづらいが,プレイしてみると一発で本作の本質が分かる。実はこのゲーム,驚くほど「ウォークラフト3」に似ている部分が多いというか,全体的にソックリなのである。
ヒーロー主体で話が展開していく表面的な部分はもちろん,マップ上の仕掛けやオブジェクティブの扱い,各ユニットの性能と性格,スキルやアップグレード,そのほかの細部に至るまで,とにかくウォークラフト3を意識して作られているのは間違いない。ここまで似ていると世間の評価がどう出るか心配ではあるが,ウォークラフト3の良い部分を忠実に真似ているためか,内容自体は高い水準で安心して楽しめる。
このデモ用ステージで,本作のシングルの特徴と思われる部分はだいたい一通り遊べるようになっている。難度はなかなか高く,ゲーム中にちょくちょく表示されるヒントに目を通さないと,すぐ詰まってしまう恐れがある。いろいろな意味において,RTSファンは見逃すことのないように。(Kawamura)
■2004.10.29 マルチプレイデモ追加
エレクトロニック・アーツの次期主力RTSと目される,「Armies of Exigo」のマルチプレイデモが登場。8月にリリースされたシングルプレイデモで,いろんな意味で鮮烈デビューを飾った本作。何に似ていようが,文句ないくらい面白ければ問題ない! という大胆不敵な作りで,RTSファンにとっては誠に目の離せない作品である。
本デモでは"Skirmish"に対応した4種類のマップを収録。それぞれ2人,4人,6人,8人用のマップとなっており,ゲームは全員が敵同士となる"Melee"か,チーム戦の"Team Melee"を選択可能。対戦相手は人間プレイヤー以外にAIを選択することも可能で,人間チームvs.AIチーム×3という遊び方もできる。その気になれば,一人でSkirmishを楽しむことも可能だ(なかなかオススメ)。
種族は"Empire"(人間など) "Beast"(オークなど) "Fallen"(キモい連中)の三つとも使用可能で,"Random"を選ぶと初期ユニットとして全種族の労働者をとりあえず与えられるのが面白い。"Beast"と"Fallen"でプレイできるのは本デモが初めてなので,シングルデモで遊んだ人は引き続きマルチプレイデモもダウンロードしよう。(Kawamura)
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