[TGS2003 #03]セガが「DERBY OWNERS CLUB ONLINE」特別版を展示! - 2003/09/27 02:32


 セガのブースでは,大々的に「DERBY OWNERS CLUB ONLINE」が展示されていた。本作は,言わずもがな,アーケードゲームの「DERBY OWNERS CLUB」をベースにしたMMOである。"MMO"と書いたことから分かるように,アーケード版がレースと調教(餌)だけであったのに対し,本作は愛馬と共に街へと繰り出し,ほかのプレイヤーとチャットしたり,ショップで買い物が出来るのである
 しかし正直なところ,この作品の名前からしてもアーケードのアレのPC版を想像する人も多いはず。そんな期待をかけている人に対してそれ以外の部分は邪魔だ,と思う人もいるだろうし,このあたりの拡張はどうなのだろう? 筆者は,この拡張(?)に少々驚きを覚えたので,ブースにいたセガの五十嵐氏を捕まえ,その件に関して質問を投げかけてみた。すると,「ゲーム内にプレイヤー同士のコミュニティを設けたいということから,このようなシステムを選びました。また,DERBY OWNERS CLUBの中で生活できたら……という要望などもあったので,いっそMMOにして競馬場の外も構築してみてもいいんじゃないか。剣と魔法の世界ばかりじゃなくて,人馬一体のMMOも面白いはず」との答え。

 今回展示されていたバージョンは,東京ゲームショウ専用に制作された特別バージョン。時間の経過と共に強制的にレースが始まるというモノだったが,ゲームの大まかな流れを体験するには十分のものであった。ここでは展示していたバージョン+五十嵐氏の話を元に,ゲームの大まかなシステムを紹介していこう。
 本作は2000〜3000人規模のMMO(現状,人数は確定していない)。プレイヤーは愛馬と共に街の散策(主にチャット?),ショップでのアイテム購入などを行ないながら,気が向いたら(もしくはお金を稼ごうと思ったら)競馬場でレースに参加する。レースは愛馬のグレードによって,参加できるものが限定されることから,同意程度の実力の馬同士が戦うことになり,その結果,かなりアツイレースが展開されるだろう。ちなみに,分刻みでレースが開催されるようなので,プレイヤーの"レース待ち"といったことは,ほとんど発生しないようだ。仲間と街でチャットをして,じゃあこれからレースをしよう……なんていうプレイスタイルが容易に想像できる。
 1キャラクターにつき,最初に1頭の愛馬がプレゼントされる。そしてお金を貯めれば,土地を買って住宅や馬房などを建設することが可能だ。ゲーム内にはそれ用の広大な空間が用意されるとのことなので,Ultima Onlineのように過剰なまでの家用地獲得合戦は起こらないだろう。馬房を持つことで愛馬の保有数を増やせるほか,住宅にはレースで獲得したトロフィーなどを飾るスペースもあるとか。さらに賞金を稼いで住宅の拡張を行い豪邸に住むこともできる。豪邸を所有しているプレイヤーは,レースに強いという証明でもあるので,ちょっとしたステータスとなるに違いない

 アーケード版と大きく違うのは,なんといっても"MMORPG(?)化"に伴う「デジタルペット」という概念の導入だ。アーケード版では,いってしまえばデータに過ぎなかった愛馬達と共に生活を過ごすというのが,PC移植にあたっての大きな変貌だ,と語ってくれたのは,ヒットメーカーの松田 剛氏。「調教→餌→レース→調教→餌……というアーケード版の魅力をそのまま持ってきてもよかったのですが,やはり"愛馬と何かを一緒にする"というデジタルペットみたいな部分も大きく増やしたかったんですよ。いわゆるエモートなども馬のものばかり豊富に用意していますし,気性が激しいとかおだやかとか,そういった馬の性質も見れば分かるように細かく描いてますよ」とのこと。のんびりまったり楽しみたい人向けに街での生活もずいぶんと重視している模様。「具体的にはまだ未定ですねぇ」とは松田氏のセリフだが,念入りにレース参戦をしなくてもゲーム世界に参加できるシステムを考え中とのことなので,そっち系が好みの人も期待していよう。
 とはいえ,アーケード版からのファンもご安心を。ある意味"まったりとし過ぎた"な,そういった生活の部分はすべて排除して調教に徹することもできるとのこと。
 「通常のMMORPGでいうところの経験値稼ぎが"調教と餌"で,モンスターとの戦闘が"レース"に相当する,と考えることができますよね。本作ではそれに付加して,Ultima Onlineでいうところの"生産"のようなノンビリと遊べる要素も十分に用意しようとは思っています」(松田氏)という言葉が,一番分かりやすい例えかもしれない。

 レースはアーケード版と全く同じといってもよいクオリティ。左クリックが鞭,右クリックが抑えとなっており,レースの展開を見ながらどちらかのボタンを連打することになる。ただし,闇雲に連打しても勝利は難しく,"先行" "差し" "追い"といった馬の特性に応じた鞭の使い方がキーポイント。また,レースにはNPCとして,実際に活躍した名馬が登場することもあるらしい。このシチュエーションはアーケード版でもあったが,本作のNPC馬は,さらにバランス調整がなされているそうだ。そのバランス調整がどのようにレースに影響を与えるかは,アーケード版のファンにとっても楽しみなところ。
 レースのデキがよくてMMORPGで……というと,やはり"馬券"や"予想師"などでの生活もちょっとあこがれるところだが,聞いてみたところ「未定です」とのこと。しかしこれ,どう考えてもありえない線だと思う。なにしろあまりにも"イカサマ"がしやすいシステムなのだから。友達含めて18人でレースに参戦して,別キャラで馬券を買ってダークホースに勝たせて……など,現時点で容易に想像できてしまう。

 ちなみに筆者はアーケード版を,そこそこプレイしたクチだが,レースシーンのデキに感心していると,五十嵐氏は「本作はアーケード版の開発チームが制作をしているので,アーケード版そのまんまですよ」と話してくれた。なるほど。どうりでよくデキているわけだ。
 最後に五十嵐氏に,リリース時期やβテストについて質問をしてみたが,まだ未定との残念な答え。今回は仮り組み程度のバージョンで,正直これから本腰を入れていくらしい。リリースまでの時間がある分,ひょっとしたもっとスゴイ変貌を遂げるかもしれない。まだまだ発展途上の本作は,今後も要注目といえそうだ。(Murayama)

→「DERBY OWNERS CLUB ONLINE」の最新Screenshots49点「こちら」で,最新ムービー「こちら」(ZIP:10.91MB)でどうぞ。


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