[ECTS総力レポート#17]剣闘士としてローマを救う「Gladiator:Sword of Vengeance」 - 2003/09/01 16:59


 Acclaim社としては久々のPCゲーム市場へのエントリーとなる「Gladiator:Sword of Vengeance」は,XboxやPlayStation2でも10月頃に同時リリースされる予定のアクションアドベンチャーゲームである。プレイヤーは,ローマで最高の剣闘士と評されるインビクタス・レックスとなって,皇帝に命令されるがままにスタジアムで生死をかけて戦い,やがてはローマ帝国の存亡に関わる大事件に巻き込まれていく。

 さてPC版だが,コンシューマ版を比べるとカメラを引いた感じで若干キャラクターが小さくなっている雰囲気。しかしその分,周囲の様子は解像度の高いテクスチャで表現されるようになった感がある。
 序盤は比較的ゆったり……という作品が多いこの手のジャンルだが,本作ではゲーム開始早々からアクションに次ぐアクションが待ち構えており,嫌と言うほど繰り出されてくるグラディエーター(剣闘士)と戦っていかなければならない。筆者がプレイしたバージョンはまだ開発中のモノであり,また幸いなことに(?)ゴッドモード(無敵モード)になっていたようで,問題なく序盤を切り抜けることはできたが,皇帝の執拗なまでの攻撃は,どことなく剣闘士という名の戦闘奴隷の哀愁を表現しているように感じてしまった(襲い来る剣闘士たちも別に"悪者"というわけでもないだろうから)。
 ゲームパッドを使用したプレイ操作も特徴で,ボタンをガチャ押ししていればそれなりのコンボプレイも発生するのはコンシューマライクな部分。また感心させられたのは闘技場の臨場感の表現で,プレイヤーが何かの行動を起こして舞台に血が飛び散るごとに,観衆のワーっという歓声が巻き起こるのである。最初のステージで数十人の剣闘士と戦ったが,キャラクターのモデルは4種類ほどしかなく,アニメーションのバリエーションも物足りなかった。ただ死体や血のりはずっと残ったままであり,戦闘後に落ち着いて見る風景はかなり陰惨な雰囲気であった。
 スタジアムでの戦闘の後は,白いもやに包まれた空中庭園のような場所に移動し,ここで仮面をつけた2人の少年から,自分の闘士としての宿命を告げられる。どうやらこの空中庭園は,様々なエリアへ移動するためのハブ的な存在のよう。ここを軸にして,プレイヤーは冒険を繰り広げていくのだと思われる。その後は,映画「アルゴノーツの冒険」に出てくるような海岸沿いへと移動し,そこでスケルトンとの戦いが勃発。さらに先に進むとミノタウルスやメデューサなどギリシャ神話に登場する聖獣たちと戦うことになるとの話だった。
 アルゴノーツ的な冒険活劇色に加えて,「グラディエーター」や「スパルタカス」といった歴史映画的な雰囲気も内包している本作。アクションゲームファンはチェックしておくといいかもしれない。(奥谷海人)


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