[E3 2003#084]「City of Heroes」でアメコミのヒーロー気分を満喫 - 05/19 16:12

 Cryptic Studios社開発でNC Soft社が運営する予定の「City of Heroes」は,プレイヤーがアメコミのヒーローとなって,ゲームの舞台となっているパラゴン・シティに襲い掛かるモンスターや悪の軍団,ギャングなどと戦うという,一風変わったMMORPGだ。今夏中のリリースを目標にしているだけに,すでにキャラクターメイキングなどもできるようになっている。GeForce 4 GPUに最適化されるとして,一時はもてはやされていたグラフィック技術も健在で,"キワモノ"として見過ごせない仕上がりを見せている。
 「City of Heroes」に関しては,去年のE3レポートでも詳細をお伝えしているが,ゲーム世界の中心であるパラゴン・シティは,16ゾーンに分かれており,その8つが"ノーマルゾーン"という敵のいない平和な地区で,残りの8つが"ハザーダスゾーン"という,政府が隔離してしまった危険な無法地帯だ。ノーマル,ハザーダスに関わらず,地下下水道のようなダンジョンに相当する場所は存在するようで,各ゾーンには16ミッションが用意されることになる。

 「City of Heroes」のキャラクターメイキングも詳しく教えてもらった。まず,プレイヤーキャラクターはアメコミの慣習に習って,専門用語では"オリジン"と呼ばれるキャラクターの過去の物語を選択することからはじまる。映画「スパイダーマン」でも序盤が長すぎると批評されたこともあったが,これも主人公がどのような過去や思考を持っているのかということを明確にしておくことが,アメコミ文化で固定された必須条件となっている。その慣習から「City of Heroes」でも,キャラクターの背景をしっかりと作れるようになっているというわけである。
 「City of Heroes」では,火に対する恐怖だとかオリジンを作っておくことで,プレイヤーキャラクターの基礎となる下地が出来上がる。一般的なRPGにおける種族のようなコンセプトがないため,このような形でキャラクターの色分けをしているのだ。さらに,アーキタイプとなるBlaster(攻撃系),Defender(長距離攻撃系),Scraper(破壊系),そしてTanker(強靭肉体系)を選択できるようになっている。さらに,女性,男性,巨体(Huge:男性系の亜種)の3つの性別を選べば,政府当局からヒーロー認定書(Hero Registration)を発行してもらって,晴れてパラゴン・シティの悪を蹴散らせるヒーローとなるのだ。

 パラゴン・シティには,悪者やモンスターが次から次へと大挙して襲い掛かかってくる。「City of Heroes」に登場する敵役でわかっているものは,以下の通りだ。

・The Rikti
 別次元からやってきた異世界のロボット集団で,奴隷化された異星人も混じっている。そもそもパラゴン・シティを含んだ世界中の都市が混沌に包まれたのも,リキティの侵略のせいだ

・The Lost
 シャノン・プライスという女性を首領に結成された市民警察が,何らかの理由によってミュータント化してしまい,やがてはパラゴン市民を恐怖のどん底に陥れてしまった。主に下水道に生息している。

・Circle of Thorns
 バロン・ゾリアという教祖を中心とするカルト集団で,暴力によって街の各地でメンバーシップを増やしている。不可解な魔法を操る狂気の集団だ。

・Crey Industries
 パラゴン・シティで生まれ育ったクレイ婦人が,結婚後に相続したCrey Biotech社を1代で財閥に仕立て上げてしまったのだが,リキティの侵略後に不可解な実験を開始したらしい。それは,死んだヒーローを蘇生させるという悪魔の科学だった。

・Freakshow
 違法ドラッグと銃器の使用でモラルを失ったストリートギャング。上記のCrey Industriesから盗み出した生化学薬品を服用したために,武器と融合できるという人造人間へと変身してしまった。

・Fifth Column
 第二次世界大戦から存続していた排他的なファシスト集団で,リキティの侵略以降,武装強化によってパラゴン・シティを脅かしている。悪魔との密約もしているようだ。

 この他にも,合計で10数種の敵がいるようだが,現在では未公開。発売が近づくにつれて公表されていくと思われる。各ミッションにはボスキャラがおり,一筋縄ではいかない決戦がプレイヤーを待ちうける。

 もう1つ,「City of Heroes」では"インフルーエンス"という概念も重要だ。これは,パラゴン・シティ中に散らばるNPCからクエストをもらい,それをこなしていくことで上昇していく"名声値"のようなものだと思ってい良いだろう。これらのNPCには,杖をつきながら歩く老人からレストランのオーナーまで様々で,キャラクターのレベルが上がるにしたがって,警察長官などとも面識ができるようになる。こうやってコンタクトを広げていくことにより,やがては街のニュースや看板にもプレイヤーキャラクターが紹介されるようになり,悪の集団との戦いの成果が,他のプレイヤーにも知れ渡ることになるのである。(奥谷海人)


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