Unrealエンジン最新情報 「GDC 2003」スペシャルレポート #16 - 03/11 16:57

Text & Photo by 奥谷海人

 Epic Games社は,GDCのエキスポ会場にクローズドブースを出展し,同社のUnrealグラフィックエンジンを開発者に向けて公開していた。Unrealエンジンとは,"Unrealエディター""UT2003スキン・ペインター""UnrealScript IDE (Integrated Development Environment)""UnrealScriptデバッガー""Maya PLEプラグイン"などを含めたツールセットで,一般的に"Unreal Warfareエンジン"というと,これにネットワーク対戦用のネットワークエンジンが追加されたものを指している
 一時期は,ゲームの開発期間短縮や経費削減のためUnrealエンジンをライセンスして使用することも多かったが,最近は競合も力をつけてきているほか,東欧などでも安価で高画質なグラフィックエンジンを開発するケースも多く見られるようになり,やや力不足の感は否めないところだ。
 そこでEpic Games社は,GDC会場にブースを設け,最新のUnrealエンジンのデモンストレーションを行っていた。この最新Unrealエンジンでは,相性の良い物理エンジンであるKarma社のMathエンジンのノウハウを示した"ExampleMapsKarmaColosseum"や,シェーダー言語のテクニックなどの追加が行われている。
 Mathエンジンは,一般には"ラグドール効果"と呼ばれる,階段から人間が転がり落ちていくような複雑な肉体の動きをシミュレートする高度な物理効果をサポートしており,最近のUnrealエンジンのゲームではほとんどが採用している。また,マップやオーディオ関連のサンプルのアップデートも完了し,サポート体制も強化したという。ライセンシングにも絡んでいる元id Software社で現Epic Games社の顧問ジェイ・ウィルバー(Jay Wilber)氏によると,日本でのライセンシーも探しているとのことで,「Lineage II」に続くアジアでの幅広い展開を目論んでいるようだ

 ちなみに,Epic Games社はつい最近になってunrealwarfare.comのドメインネームを取得しており,新作が発表されるのではないかという噂が広まっている。
 弱冠25歳にしてUnrealユニバースを統括してプロデュースするクリス・ブレスゼンスキー(Chris Bleszenski)氏(写真右)は,特に何も語ってはくれなかったが,「PlanetSide」のようなMMO型のオンライン専用ゲームではないかという見方が一般的だ


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