[E3 2002#90]よりストーリー性を重視した「EverQuest:The Planes of Power」,そしてEQ関連製品の数々 - 05/29 21:31

 「EverQuest:The Planes of Power」(以下,PoP)は,人気MMORPGシリーズの拡張パック第4弾となる。前作の「Shadow of Luclin」といえば,サービスが開始してから3年という年月を重ねるグラフィックスエンジンを強化。よりハイスペックなマシンを要求することになったことから,プレイヤーの中には批判的な声も大きく聞かれた。PoPは,技術的な向上よりもコンテンツを重視し,惰性でプレイしがちな最上位レベルのプレイヤーでも,十分に楽しめるような配慮がなされている

 PoPは,プレイヤーが神々の宿る大地で冒険できるという設定で,新しく追加された16ゾーンには,その地域を支配する神がそれぞれ存在するようだ。面白いのは,MMOゲームでありながらも,プレイヤー一人一人が一つのストーリーを体験できるような工夫がなされていることだ。これは,そのゾーンに用意されたある条件をクリアしないと,その奥にある新ゾーンには入れないという一本道的な構造を持たせたことで,プレイすることの意義を追加させているのだろう。
 ただし,この新天地の90%はハイレベルなプレイヤーのためにデザインされていると,デモを操作していた担当開発者は語る。その中でも"Plane of Knowledge(知識の地)"は,1レベルから60レベルのプレイヤー誰でもが,ノーラス大陸と行き来できるハブのような場所となる。ここにはノーラスへのポータルストーンが結集しているため,ノーラスのA地点からB地点へ移動したいときなどでも,ここを通過することで簡単に往来できるようになるのだ。

 また今回新しく追加された機能には,"Player Graveyard"(プレイヤーの墓場)というのもある。これは,プレイヤーが離れたところで死んでしまったときに,そのプレイヤーが一定時間経っても取りに来れなかった場合,墓場にキャラクターの死体を自動的に再生してくれるというものである。これにより,ほぼ丸腰の状態で死体を取りに行き,その周囲に生息する強力なモンスターたちに何度も蹴散らされるということもなくなるため,死亡→クレリック→所持品回収失敗,という無限ループに陥ることもなくなるだろう。
 グラフィックス的にはそれほどの変化も見られないものの,クリッププレーン(テクスチャのつなぎ目)やテクスチャ再生の合理化など,見えない部分で最適化されているという。新しいプレイヤー種族などは見込めないが,ストレスの溜まらないゲーム作りに重点を置いているように感じられ,MMORPGとしても成熟しているのが理解できる。リリースは,2002年の10月頃を予定しているとのこと。

 さてSony Online Entertainment社は,EQ2,EQ:PoP,そしてPS2用のMMORPGとして2003年夏に発表予定の「EverQuest Online Adventure」に加え,ほかにもEverQuestに関連したさまざまな商品のリリースを発表している。
 「EverQuest Gold Edition」は,オリジナルゲームと今回発表されたPoPを含めた四つの拡張パックをバンドルさせた究極のパッケージ。さらに,世界が広いためか四つのクローズマップが同封されるのに加えて,小型のフィギュアやEQを題材にしたコミックブックも含まれるようだ。値段の発表はされなかったものの,PoPのリリースに合わせて金色のメタルボックスで発売される予定だという。
 もう一つが「EverQuest Atlas」と呼ばれる書籍で,ノーラスの地形を細かく表示したものになりそうだ。もはや170種程度あると思われるゾーンの一つ一つを細かく記載した内容で,ファンにとっては喉から手が出るほど欲しい一品である。(Okutani)


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