Sound Blaster Audigyカード3種発表 - 08/24 19:33

 すでに先日「ここ」でチップの性能/機能を掲載したクリエイティブの新サウンドチップ「Audigy」。本日クリエイティブメディア本社で行われた発表会で,新チップ"Audigy"を搭載したSound Blaster新機種3種が発表された。以下にすべて紹介しよう。
 Audigyシリーズ共通の特徴は,ザックリと以下のとおり。
●32ビットエフェクトエンジン
 ・最大131のハードウェアチャネルを使用し,オーディオストリームの処理やミキシングが可能
 ・CreativeWaveで,Webから新しいオーディオエフェクトをダウンロードしてカスタマイズ可能
●Hi Difinitionオーディオクオリティ
 ・64のオーディオチャネルを,それぞれ任意のサンプルレートで再生
 ・アナログ入力を,24ビット/48kHzのサンプルレートでアナログ・デジタル変換
 ・最大24ビット/96kHzのデジタル入力信号をサポート
●EAX ADVANCED HD
 ・アップグレード可能な3Dオーディオアークテクチャにより,長期に渡って改良可能
 ・インタビューやカセットなどのヒスノイズなどを軽減する機能
●SB1394搭載
 ・IEEE1394仕様準拠
 ・最大400Mbpsの転送レート
●リアルなウェイブテーブル合成
 ・64ボイスハードウェアウェーブテーブルシンセサイザ
 ・128のGMおよびGS互換インストルメントと10のDrumキットによる48のMIDIチャネル

 なにげに「アップグレード可能な3Dオーディオテクノロジ」というのが気になっていたりする。どの程度の"アップグレード"が可能なのだろうか……。ちなみにSN比は100dBだ。参考までに,SB16は80dB,SB AWE64は84dB,SB Live!は91dB,SB Live! Platinum5.1は95dBなので,そのあたりも確実に進化している。
 なお,先日お伝えし切れなかった新カードの特徴として"SB1394"なる新端子の搭載が挙げられる。名前からうっすら想像がつくようにIEEE1394互換の端子だが(発表会では実際にDVカムをつなげてビデオキャプチャを行っていた),どの程度の互換性が保証されているのは不明。
 まぁ映像目的で備わっているわけではなく,「NOMAD Jukebox」「クリエイティブ製外付けCD-RWドライブ」などがメインターゲットだろうから,そのあたりは追々に公式サイトで公開されていることだろう。

 ちなみに実地デモで実際に聴くことができたEAX ENCHANCED HDの4種の各種効果(「こちら」参照)はなかなか期待できるものだった。現状ではまだまだ"ベタ過ぎる"効果である印象は否めなかったが,各ゲームデベロッパがキッチリ最大限の機能を使ってきたときには,素晴らしいサウンドが作られるに違いない。
 Live!など既存の3Dサウンドでは"エンバイロメント系"の効果は1種しかつけられない。ゆえに,
「プレイヤーは部屋の中で,
・閉まったドアの外のモンスターの笑い声
・屋外の井戸から聞こえるモンスターのうめき声
・部屋の中にある時計の秒針の音」

などという場面でも,すべて一つの効果でまかなうしかなかった。さすがにそれでは"リアル"からは程遠いものだったのも事実だ。

 しかしこの新しいテクノロジーを使えば,上記の3種の音を同時に"適合した"効果で処理できるようになるわけだ。人間の耳は,思っているより微妙な聞き取りが可能なので,さらに臨場感が増すことは火を見るより明らかだ。
 今後のクリエイティブのドライバUpdate,デベロッパの対応に期待したい。

 ではカードの紹介。
 まず筆頭は,
・Sound Blaster Audigy Platinum eX
 価格:3万8800円
(上段右の写真)

 Audigyのカードに加え,「Audigy拡張カード」,外付けボックスタイプの「外付けAudigy Drive」,IRリモコンを加えた最高クラスのセット。さすがにそれなりの価格だが,フロントアクセスですべての端子が(SB1394まで!)使えるのはかなり便利かも。
 Audigy拡張カードとは,
 SB1394ポート,Audigy拡張コネクタ,内蔵SB1394ポート,電源コネクタ,AUD_EXT/ジョイスティックコネクタ
が搭載されているカード(のフタ部分というか)。
 ちなみにAudigy Driveには
 同軸デジタル入出力,光デジタル角型入出力,ヘッドフォン端子,ライン入力2,マイク入力2,ミニDIN MIDI入出力,ステレオピンジャックAux入力,SB1394コネクタ,赤外線レシーバ
が搭載されている。

・Sound Blaster Audigy Platinum
 価格:2万9800円
(上段真中の写真)

 Audigyのカードに加え,ベイ内蔵型の「Audigy Drive」,IRリモコンを加えたミドルクラスのセット。人によってはベイ内蔵型のほうが便利なことも多いだろうし(管理人もそうだ),こちらが主力製品か?

・Sound Blaster Audigy Digital Audio
 価格:1万8800円
(上段左の写真)

 Audigyのカードに加え,「光デジタルインタフェースカード」を加えた最安値のモデル。チップ自体の性能にはまったく差がないので,さまざまなインタフェースが必要ないという人なら,これを買うのが一番お勧めかも。

 これら新カードは,むろんいままでのSound Blasterと完全コンパチなので,既存のEAXゲームも問題なく楽しむことができる。
 現状の"同時32音"から同時発音数を増やすという方向のアップグレードもあっただろうに(そしてテクノロジー的には問題なくできるだろうに),一般的用途での人間の耳には大差ないそちらのアプローチを切り捨て,エフェクト方面へのアプローチをかけたあたりは,"さすがSound Blaster"ともいうべきか。なお登場時にはWindows XP用ドライバは用意されないが(98SE/Me/2000用のみ),追って配布される予定だ。
 今後の動向は,公式サイトにて欠かさずチェックすべし!


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