16th Oct.2001

 
やっぱり! AoE2GoldはMac−PC間のネットワークプレイに非対応……残念
  

 リアルタイムストラテジーゲームの傑作,「Age of Empires II Gold Edition」のMac版の発売が間近に迫ってきた。前作では,Mac−PC間でのネットワークプレイが行えなかったが,続編ではどうなのかということについていままではっきりとした発表がなかったため,海外のゲーム関連BBSでは最近,このことについて活発に議論されていた。
 IMGのForumsコーナーへのrogueによる書き込みによると,AoE2Goldを販売するBold GamesのGreg Grimesから次のようなメールが届いたということだ。
「残念ながら,クロスプラットフォームでのマルチプレイをサポートすることができない。しかしながら,GameRangerを利用してインターネット上のMacゲーマーを探し,マルチプレイシナリオを楽しむことができる。TCP/IPを利用し,LAN上にあるMac同士のマルチプレイモードにも対応している」
 前作,そして続編でことごとくマルチプラットフォームでの対戦が不可能となってしまった理由は,DirectPlayというネットワークAPIがWindows版で採用されていることにある。この問題について説明しておこう。
 DirectPlayは,Microsoftが主にゲームデベロッパに提供しているAPIの集まり,DirectXの一部。ゲーム開発会社はDirectXを利用することにより,DirectXが実現するバラエティに富んだ特殊機能を,自社のゲームに比較的簡単に取り入れることができる。
 例えば3D描画プログラムをゼロから作り上げるのではなく,DirectXの一部であるDirect3Dを利用すれば,コストが抑えられるわけだ。ただし,ご存じのようにDirectXのMac版が存在しないので,このことがMacゲーム開発会社にとって大きなネックになってきた。
 DirectPlayは,LANやインターネットを介し,PC用ゲーム同士がコミュニケートする機能を実現するAPI。DirectPlayを利用したゲームをMacに移植する場合,例えばNetSprocketやOpenPlayのようなAPIに置き換える必要があるため,Mac−PC間での対戦を楽しむことができなかった。とはいえ,DirectPlayを利用したゲームは増加傾向にある。MicrosoftはAoEシリーズの販売元なので,DirectPlayが採用されるのは自然な流れだろう。
 BoldレーベルでMac用ゲームを販売するDestineer StudiosのリーダーPeter Tamteは以前,この問題について「私たちが移植する予定のタイトルでは,マルチプレイが可能となるようなソリューションを築きたい」と語り,DirectPlay以外でマルチプラットフォームでの対戦を実現する方法を模索したようだが,やはり困難だったのかもしれない。
 もちろん,DirectPlayをMacに移植できればいいのだが,法的な問題があるそうだ。MicrosoftがDirectPlayのリバースエンジニアを認めていないことと,DirectPlayのライセンスを他社に供与していないことから,DirectPlayのMacへの移植は望めないといわれている。
 OpenPlayを利用したゲーム,「Age of Empire」シリーズ,「Total Annihilation」などの移植を担当したWestlake InteractiveのMark Adamsは以前,次のように語り,Microsoftの方針を批判したことがある。
「このDirectPlayの件はひどい問題だと思う。MicrosoftがMac用のDirectPlayを開発しないことにより,同社はMac−PC間のネットワークプレイを分断してしまっている。同社の許可,助力なしには,サードパーティにはMac用のライブラリを作成するためにDirectPlayをリバースエンジニアするチャンスがないのである。同社が姿勢を改めない限り,私たちはMacユーザーの友人と対戦するか,より多くのPCデベロッパがDirectPlay以外のネットワークプロトコルを利用してくれるのをただ願うしかない」

Feral Interactive最新情報
    Feral Interactiveは同社のサイトを通じ,現在進行中のプロジェクトの状況を明らかにした。
 Championship Manager 01/02の開発は最終段階に入っているようで,デモ版を10/23に,製品版を11/16にリリースする予定だという。このゲームは文字通り,サッカーのクラブチームのマネージャーとしてリーグ優勝を目指し,戦術の決定,選手やコーチの獲得/育成を行う「欧州版サカつく」といった趣のシミュレーションゲーム。一万人を超えるサッカー選手のプロフィールや経歴等の最新データを収録しているだけでなく,Data Editorを使ってデータの変更を行うことも可能。
 また,リリースが非常に楽しみな「Black&White」については,βテスト段階にあるとのこと。思ったより進んでいる感じだ。さらに,同社がヨーロッパ市場での販売権を得たMax Payneのリリース時期は「2002年の2月か3月になる見込み」としている。開発はあまり進んでいないようだ。
 そして,いままでほとんど進行状況が明かされていなかったF1ゲームのデモンストレーションを来年一月のMacworld Expo/San Franciscoで行う計画があることも明らかにしている。Mac用はほとんど存在しない本格派のカーレーシングゲームのリリースが待ち遠しい。

AppleサイトにSacrificeのプレビュー記事が掲載
    Appleは,同社のサイトのGamesコーナーに「Sacrifice Casts a Spell on Mac OS X」と題したプレビュー記事を掲載した。Sacrificeは,リアルタイムストラテジーゲームとRPGの要素をミックスしたファンタジックな3Dゲーム。かつてMDKシリーズやMessiahといった,個性的なプレイ感覚と独特なビジュアル性を持つゲームで高い評価を得たShiny Entertainmentが開発したゲームだ。
 この記事の中でMacPlayの社長Mark Cottamは,このゲームのビジュアル性を存分に発揮させるためには,GeForceカードの使用を勧めると語っていて,Rage 128 Proカード搭載マシンを使っている筆者としては悩ましい限り。

MacPlayがBaldur's Gate II: Shadows of Amnの出荷を開始
    MacPlayは同社サイトを通じ,「Baldur's Gate II:Shadows of Amn」の出荷を開始したと発表しました。「Baldur's Gate II:Shadows of Amn」は,Advanced Dungeons&DragonsをベースにしたRPG超大作「Baldur's Gate」の続編。個性的な16人のキャラクター,100種類以上のモンスター,300種類以上のスペル(呪文),最大六人まで参加可能なマルチプレイモード,前作を大きく超えた広大なマップなどを特徴としています。

15th Oct.2001

 
Marathon Resurrectionのパブリックβ1.1がリリース
  

 Team Unpfhorgivenという開発チームから,「Marathon Resurrection」のパブリックβ1.1がリリースされた。これはUnreal Tournament用のモディフィケーションで,2.5DグラフィックスエンジンをベースにしたMarathonを文字通り「復活」させるプロジェクト。Unreal TournamentエンジンをベースにしてMarathonの世界を忠実に再現しているだけあり,ビジュアル性が格段に向上している。また,UTのAI機能を活用しているため,敵キャラがオリジナル版よりずっと手強くなっている。
 もちろん,TCP/IPを介したネットワークプレイを楽しむことも可能だ。ダウンロードと詳細は,公式サイトのDOWNLOADSコーナーで(約67.6MB)。このバージョンでは,遊び方やよくある質問を含むオンラインマニュアルが同梱され,ずっと遊びやすくなっているということだ。そのほか,前バージョンのバグフィックスや新しい3Dアイテム/マップ/テクスチャ/ゲームモードの追加が行われている。


 

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