14th Sep.2001

 
「Age of Empires II:Age of Kings for Mac」のβ版が完成!!
    Westlake Interactiveは公式サイトの「ここ」で,Macへの移植が進められている「Age of Empires II:Age of Kings」の開発進行状況を明らかにした。それによると,喜ばしいことに現在βテスト段階に入ったということだ。つまり,ネットワークプレイやサウンド面を含め,ゲームのすべての要素はすでにでき上がっていて,バグフィックスや動作速度の最適化を残すだけとなっていることを意味している。また,このゲームはカーボンアプリケーションとして開発されていて,Mac OS 8.6/9.xおよびMac OS Xに対応するということだ。さらに,PC版のAoE2向けに作成されたユーザーマップも利用することができるそうだ。
 このゲームは,RTSゲームの傑作"Age of Empires"の続編。暗黒時代から中世後期までの一千年間を舞台に,ローマ帝国の衰退以後の人類の運命を導くという内容だ。"II"では,隊列が組めるようになる,AIがクレバーになる,城を建設できるなどゲームシステムがより洗練されて戦略性が高められたうえ,ユニットと建物の大きさに比率の矛盾がなくなるなど,ビジュアル面でも大幅にグレードアップした。各ユニットの滑らかなアニメーションと256色で描かれているとは思えない美しいグラフィックスにも注目だ。
 AoE2は,Macゲーム界の重鎮,Peter Tamteが設立した開発/販売会社,Destineer Studiosから年末までに発売される予定。

Cyanが「Mudpie」の最新スクリーンショットを公開
    Cyanは公式サイトの「ここ」で,現在開発中のオンラインゲーム「Mudpie」の最新スクリーンショットを四枚公開した。注意書きとして「すべてのMudpieの画像は,ゲームエンジンの描画をキャプチャーしたものであり,ロゴの追加以外は一切手を加えていない」とある。それでこのクォリティとは驚きだ。
 「Mudpie」は,同社としては初の試みとなる,リアルタイム3Dグラフィックスエンジンを搭載した多人数同時参加型オンラインゲーム(のコードネーム)であるといわれている。ゲームのジャンルがRPGであるのか,アドベンチャーゲームなのか,まったく新しいジャンルを開拓するのか,多くが語られていないので,現時点では分からない。Cyan&Cyan Worlds Titlesというページにゲームの紹介が掲載されているのだが,動作するプラットフォームとして相変わらず「broadband」と書かれたままで,Mac版が出るかどうかは不明。

Return to Dark Castleのデモ版(β6)がリリース
    Z Sculpt Entertainmentから,「Return to Dark Castle」のデモ版(β6)がリリースされた。これは,Macintosh Plusの時代に誕生して技術的にも高く評価された傑作2D横スクロールアクションアーケードゲーム「Dark Castle」シリーズの三作めで,Delta Tao Softwareから発売される予定だ。そもそもSilicon Beach Softwareという会社が開発していたが,Delta Taoが同シリーズの権利を買収し,以後Z Sculptが開発を行ってきた。
 今回のβ6では,いくつかのバグが修正されてウェポンシステムが追加されたほか,新しい機能やパズル要素,キャラクターアニメーションのテストとデバッグ用にデザインされた"Test Level"が収録されている。また"bump-wall(壁にぶつかる)","jump-into-wall(壁に向かってジャンプしてぶつかる)","head-bump-in-tunnel(トンネル内で頭を壁にぶつける)","roll-off-conveyor-belt(コンベアベルトに巻かれる)"といった新しいキャラクターアニメーションが追加されている。
 ゲームの詳細は,公式サイトまたは販売元の公式サイトで。ダウンロードと詳細は,MacGameFilesの「ここ」(6.9MB)で。

「Harpoon 3」がVersion3.3.4にアップデート
    Westlake Interactiveの元スタッフで「Escape from Monkey Island」の移植を手がけたJesse Spearsが率いるAdvanced Gaming Systemsから,「Harpoon 3」のVersion3.3.4がリリースされた。
 「Harpoon 3」は現代海戦シミュレーションゲームで,プレイヤーは海軍の司令官として幾多のミッションに挑むという内容。軍事マニアも納得のかなり緻密なリアルタイムシミュレーションゲームなので,興味のある人はデモ版にトライしてみよう。デモ版のダウンロードと詳細は,MacGameFilesの「ここ」(9.7MB)で。

 なおJesse Spearsは元々「Harpoon 2」の開発チームにいたプログラマーで,Harpoonシリーズが中断された後は自ら開発・販売権を取得し,自分の会社から「Harpoon 3」をリリースした。シリーズ最新作である「Harpoon 4」SSIが開発,The Learning Companyが販売することが決まっていて,残念ながらMac版の予定はないようだ。

13th Sep.2001

 
「Knights and Merchants for Mac」のGM版が完成
    e.p.i.c. Interactiveは同社のサイトを通じ,「Knights and Merchants」のMac版が完成したことを明らかにした。これからプレス工程に入り,近日中に発売される見込み。今のところ,アメリカでの正規販売は決定していない。
 これは,西暦1200年頃のアングロサクソン時代のヨーロッパを舞台にした2Dリアルタイムストラテジーゲーム。"騎士と商人"というタイトルが示すように,戦略に経済感覚を要するゲームシステムになっていて,当時のヨーロッパの社会基盤としての二つの階層をたくみにモデル化している。
 プレイヤーは皇帝に仕える近衛隊長として,実在した建造物や加工品を建造・生産し,経済力を蓄えていかなければならない。また道路や海運を整備し,計画的に経済ネットワークを構築,加工した生産物を国中に行き渡るようにする必要がある。とくに都市と都市を結ぶ道路は経済成長を目指すうえでとても重要で,生産品の加工や運搬,また建造物や道路のメンテナンスを奴隷に指示を与えて行わせる。経済性が高まったら,武器や防具を生産し,軍事力を増強しなければ他国からの侵略を受ける羽目になってしまう。最終的な目標は,プレイヤーが仕えている皇帝が,かつて我が物としていた領地のすべてを奪還することだ。

 また同社では,「Gorky 17」というSFアドベンチャーゲームの開発も進めている。技術的な問題を多数抱えたため作業が遅れていたものの,今は急ピッチで完成に向けて作業を行っているということだ。また,このゲームは同社としては最初のOS Xネイティブなタイトルになるようだ。
 これは,2008年の世界を舞台にしたゲーム。「Gorky 17」とは,冷戦時代にロシアのスパイが訓練に利用した,アメリカを完全に再現した街のコードネーム。ところが,ロシア軍がこの街を破壊したというニュースがNATOにもたらされた。クレムリンはNATOに対し「荒れ果ててしまった街であるし,このような無意味なものは不必要である」と伝えた。だがNATOは,この街が実際にはより重要な軍事的実験に利用されていたことを知っていたため,ロシア側の言い分をそのまま受け入れることはなかった。軍事的実験とは一体何か? ポーランドで発見された廃墟に現れた謎の怪物との関係は? 高度に訓練されたカナダ人兵士,Cole Sullivan率いる調査チームは,この謎を解明し,無事脱出することができるのか……というのが,このゲームの導入部分。興味のある人は,ぜひ公式サイトをチェックしてみよう。

Tim Woodが「Giants」の移植についてコメント
    「Giants:Citizen Kabuto」関連のニュースサイトPlanetMoon Centralに,Mac OS Xへの移植作業を進めているOmni GroupのTim Woodのインタビュー記事(http://www.planetmooncentral.com/planetmoon/interviews/omni_interview.shtml)が掲載された。  このインタビューにおいて同氏は,移植の進み具合について「いまはβテストの最初のラウンドに入っている。バグはあるが,どれも小さな問題である。テストを重ね,バグフィックスや最適化をまだ行う必要があるが,作業は順調だ」と語った。また,リリースは10月中旬を見込んでいるということだ。
 そのほか,移植作業の具体的な内容や困難なポイント,動作環境について語っている。なかなか面白いので,ぜひ「ここ」をチェックしてみよう。興味深いコメントがあったので,いくつかを下に引用してみた。

「Windows版はDirect3D,DirectSound,DirectInputといったOS XにはないAPIを利用しているので,GiantsをOS X上で動作させるためには,相当な量のソースコードを書き直す必要があった。もっともやりがいのあった作業は,GiantsのグラフィックスレイヤーをOpenGLに移植することだった」

「開発コストが下がるだろうから,より多くのゲームがOS Xに移植されると思う。メモリ保護機能のおかげでシステム全体がクラッシュしにくいため,OS Xへの移植にかかる作業時間はかなり減るだろう」

「OS Xの持つ機能は,パブリッシャーに入る利ざやが増えることにつながるし,ゲームをMacマーケットに投入するための時間もずっと短くなることにもつながる。これは,パブリッシャーがより多くの資金をより多くのゲーム開発につぎ込めることを意味する。より多くの人々がMac上でゲームを楽しむ機会を得られるようになるわけだ」

Phase 3が「The Hitchhiker's Guide to the Galaxy」のサイトを公開
    Phase 3 Studiosが,開発中の「The Hitchhiker's Guide to the Galaxy」公式サイトを公開した。この会社は,Pan Interactiveという会社と,いまは亡きDouglas Adamsが率いていたゲーム開発会社Digital Villageが2000年に共同で設立した会社。
 「The Hitchhiker's Guide to the Galaxy」は,Macの愛用者としても知られたDouglas Adamsが著した同名SF小説を元にした3Dアドベンチャーゲーム。来年の二月にリリースされる予定だが,まだMac版については何の発表もない。ただ,Digital Villageから,これも同氏の作品をベースにした「Starship Titanic」というゲームが本人の強い希望でMac向けにも開発されたことがあるので,このゲームも移植してくれればいいのだが……。

Cipher EngineがVersion1.1にアップデート
    Synaptic Soupは,Cipher EngineというゲームエンジンのVersion1.1をリリースした。Cipherはクロスプラットフォームエンジンで,同社のサイトでも「Cipherは次世代コンソールマシン,PC,Mac,Linux向けに最高品質のゲームを開発するための完全なソリューションである」と紹介されている。"移植のしやすさ"に重点を置かれたCipherをベースにゲームを開発すると,あらゆるプラットフォームへの移植が容易に行えるそうで,「選択すべきプラットフォームがこれほど多くなっているいま,最小限度の労力でできるだけ多くのプラットフォームに向けてゲームをリリースできることは重要である」と同社ではコメントしている。
 同社は,このエンジンをベースに「Crazy Car Championship」というゲームを開発中。これは,NVIDIAがGeForce 3カードをデモするときに,開発中の同ゲームのプログラムを利用したことでも知られている。まだ正式発表されていないが,Mac版が実現する可能性も非常に高いと思われる。
 Version1.1は画面描画速度が強化され,より滑らかで自然なイメージを描画できるようになっているほか,DirectX 8の持つ(OpenGLでもまもなく搭載される見込みの)新たなシェーディングシステムへの対応,Dolby Digital 5.1へのフル対応,より正確なダイナミックシャドウ機能の搭載,各種開発用ツールの改良,レースゲーム開発に特化した新モジュールの追加などを特徴としている。

 

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