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ユーザーのペルソナ設定からデコアイテムのコンペまでを体験――DeNA Games Tokyoと品川女子学院の特別授業をレポート
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印刷2019/02/19 15:56

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ユーザーのペルソナ設定からデコアイテムのコンペまでを体験――DeNA Games Tokyoと品川女子学院の特別授業をレポート

 DeNA Games Tokyoと品川女子学院は,2019年1月からデコアイテムを企画・開発する特別授業を共同開催。DeNA Games Tokyoのプロデューサーらを招き,生徒たちがゲームアイテムの考案からコンペティションまで行うという実務的な授業を実施した。今回はその最終日となる2月12日に行われたプレゼンテーションの模様をお届けしよう。

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 品川女子学院は,文部科学省から国際的に活躍できるグローバル・リーダーの育成を図る「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」に指定され,さまざまな先進的教育を実施している。さらに,仕事やプライベートなどでターニングポイントとなる28歳時に社会で活躍できる可能性を広げる「28project」も推進し,多彩な企業とのコラボレーションを積極的に実施しているという。
 その取り組みの一環として行われたのが,DeNA Games Tokyoとの特別授業だ。ゲームといえば学校で禁止されがちだが,同校ではゲーム業界は日本の一大産業であり,進路の一つになると考えられている。そこで実社会との早期接点づくりというキャリア教育,ゲーム業界の裏側に触れる機会を設けて未来への可能性を広げるといった観点で開催したという。

プレゼン開始ギリギリまで調整や話し合いを行っていた生徒たち。授業には受験で忙しくなる高校3年生を除き,学年やクラスを問わず幅広い生徒が参加しているそうだ
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 今回の授業では,Mobageで配信している「スペースデブリーズ」のデコアイテムを企画・デザイン。1月29日にゲームのターゲットを考えたペルソナの作成,2月9日にペルソナをもとにテーマに基づいたデコアイテムの考案,2月12日にデザインしたアイテムのプレゼンテーションという流れで,優秀作品は実際に5月〜6月ごろゲーム内に実装される予定だ。

アイテムのテーマは「宇宙×???」。デコ3〜5点,パック名,コンセプト,訴求テキストを考案し,必ず壁紙・床・服またはその他を盛り込むことが条件。コンペは制限時間5分,iPadの「Keynote」またはワークシートを使用するというルールで行っている
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授業にはDeNAのプロデューサーである水野早織氏と,「スペースデブリーズ」のビジュアル全般を担当しているフリーキーデザインのデザイナー2人が参加
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Cチームは「ジャングル」をコンセプトに考案。ターゲットの好みを想定し,アイテムの質感まで考慮している部分がとくに評価された
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Gチームは「結婚式」がテーマ。アイテムのリリースが5〜6月になるという時期も考えた上での設定で,ターゲットの好みをしっかり考えていること,聞き手がイメージしやすい説明などが高評価を得ていた
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Bチームのテーマは「ライブ」で,これは過去にも実装してユーザーからの評判が良かったものだと水野氏。提案した各アイテムのイメージが非常に具体的で,ディテールに至るまで精密に設計されている点が評価された
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Dチームは「スケート」をイメージし,現実のモチーフからファンタジックなアイテムへ落とし込んでいる点やターゲットの絞り込みをよく研究している点が評価されデザイナー陣は「作ってみたいと思わされるアイテム」とコメントしていた
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Fチームは「学校」「梅雨」と2つのテーマを設定。家族構成まできちんと作り込んだペルソナの背景設定やエフェクトまで考えたアイテム,笑顔で行ったプレゼンなどが評価された
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Aチームのテーマは「新次元」。制作者の憧れから作っている点や,プレゼンボードからデザインしている意識,作りたいという熱意がデザイナーたちの心をとくに掴んだそうだ
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Eチームは「学校」をテーマとし,完成度の高いイラストや「入学してみませんか?」という訴求テキストもポイントに。アイテムのカラーや透明感などから「近未来」というサブコンセプトも感じられるとコメントが寄せられた
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 講師たちからの評価にもあったが,筆者がとくに印象的だったのはプレゼンテーションの完成度の高さだ。ゲーム業界に限らず,マーケティングの手法として広く行われているペルソナ設定のセグメントにとても具体性があり,それが考案されたアイテムへきちんと反映されていると感じた。ユーザーに訴えたい要素が明確で,さらにリリース時期や世間の人気,売れ筋といった意識も含まれてる点は素晴らしいと思う。

 全7チームのプレゼンテーションが終了したところで,講師たちによる審議へと移る。その間,結果を待つ生徒たちの前にはDeNA Games Tokyoの代表取締役社長である川口 俊氏が登壇した。

DeNA Games Tokyo 代表取締役社長 川口 俊氏
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 「28project」のように28歳というタイミングで前職からDeNAへ入社し,2018年8月に代表取締役社長へ就任した川口氏。「これからどのチームが良かったのか順位が出て,実際にゲームに実装されるものが決まります。社会ではこういう経験の繰り返しで,僕自身も失敗はたくさんありますし,結果は結果として一喜一憂してもいいんですが,そこから何を学んで次に繋げるのかが大切だと思います」と励ましの言葉を贈っていた。
 続けて「ゲーム会社の社長はどんな日常をおくっているんですか?」「社長としての今後の目標は?」「新しいゲームやデザインはどのように考えますか?」といった業務に関する内容から,「好きな球団は?」「ぶっちゃけ儲けてますか?!」「どんな受験勉強をしましたか?」「趣味は?」「奥さんはどんな人ですか?」といった疑問まで,ざっくばらんな質疑応答が行われた。

 プレゼンテーションの結果,2位はチームE,1位はFチームに。Fチームはとくにモノづくりへの情熱が評価につながり,水野氏もワーク中とくに盛り上がっている熱意のあるチームだったと振り返る。

 水野氏は今回が会社としても初の試みとなり,当初は手探りの部分もあったが,非常に楽しそうに参加してくれていたことが印象に残っていると話す。この経験が今後の役に立てばと授業を締めくくった。
 最後に,特別授業を終えた水野氏からコメントをいただいたのでご紹介しよう。

4Gamer:
 特別授業を終えての,率直な感想をお聞かせください。

水野氏:
 正直,最初は皆さんがここまでたどり着けるのかなと思いましたが,実際にスタートしてからは皆さんの熱意がすごくて,ああでもないこうでもないと意見を交わしていて。何よりすごいなと思ったのは,単純に自分たちの“好き”を考えるのではなくユーザー像を意識していて,そこが本当に素晴らしいです。

4Gamer:
 こちらが驚くくらい,どんな人にどうアプローチをしていくか考えていましたね。

水野氏:
 そうなんです。そこにもっと自分の“好き”が全面に出てしまうかと思ったんですが,我々がいつも考えていることが皆さんもきちんとできていて,すごいと思います。

4Gamer:
 もしまたこうした機会があった場合,やりたいことはありますか。

水野氏:
 今回は私たちがアイデアをいただいて,商品になるまで仕上げてしまうんですけど,本当はその過程こそ仕事をするうえで大事なんですよね。もし次があれば,ぜひこの過程も一緒に作っていきたいです。どんなふうにブラッシュアップしていくとか,こんなチェックが入るとか,会社に皆さんを招いて見学していただくとか……。

4Gamer:
 製品のブラッシュアップもモノづくりに欠かせないステップですよね。

水野氏:
 ここでゲーム運営の熱いところとか,裏側がより伝わると思うので。そんなところまで実現できたらいいなと思います。

4Gamer:
 ありがとうございました。

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品川女子学院 公式サイト

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