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LINEが2018年通期の決算説明会を開催。ゲーム事業は新規タイトルのヒットと従来タイトルの安定運用によって,収益の安定化が進む
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印刷2019/02/04 14:30

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LINEが2018年通期の決算説明会を開催。ゲーム事業は新規タイトルのヒットと従来タイトルの安定運用によって,収益の安定化が進む

 LINEは2019年1月31日,決算説明会を東京都内で開催し,同社の2018年12月期通期の業績および2019年度の事業戦略を発表した。本稿では,LINE 代表取締役社長 CEO 出澤 剛氏によるプレゼンテーションの内容を中心に,その模様をお伝えしよう。

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出澤 剛氏
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 出澤氏は,まず2018年度におけるLINEの売上収益が前年比18.7パーセント増加の2072億円となり,過去最高を記録したことを報告。その中でも,とくに注力したLINE PayおよびFintech分野では,LINE Payのグローバル決済高が1兆円を超え,またスマートフォン決済が可能な箇所を国内に100万か所設置するという目標を達成し,現在は133万か所以上となった。加えて,そのほかの金融サービスも順次立ち上げを発表し,一部についてはサービスを始めているとした。

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 LINEのサービスは,日本・台湾・タイ・インドネシアの主要4か国合計のMAU(Monthly Active Users,月間アクティブユーザー数)がわずかに減少。しかしトップシェアを持つ重要な日本・台湾・タイの3か国合計のMAUは,前期比で5.7パーセント増加している。
 さらに,ユーザーとの結びつきを示すDAU(Daily Active Users,1日あたりのアクティブユーザー数)/MAU比率は,主要4か国で77%,主要3か国では80%を超え,高い水準となっている。
 とくに国内MAUは前年同期比7.7%増の7900万人となり,そのうちの85%が毎日利用しており,またこの1年で600万人のユーザーが増えたとのことである。

 コア事業の売上は,広告事業の順調な拡大により,前年比14.1%増の1784億円となった一方,営業利益率は14.9%となった。
 また戦略事業の売上は,コマースサービスの順調な成長により,前年比60%増の288億円となったが,LINE PayおよびFintech分野への積極的な投資を行った結果,349億円の営業損失となっている。

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 コア事業となる広告事業では,アカウント広告のシステム刷新を行い,従来の月額固定方式から従量課金方式へと変更したことにより,今まで以上に多くの新しい企業にアカウントを活用してもらえるようになった。また,すでにアカウントを開設していた企業も,ブランド別のアカウントを取得するなど,活用の幅が大きく広がっているという。とくに2018年12月より始まった新料金プランにより,12月だけで51件の新規アカウントが開設されたとのこと。加えて比較的規模の小さい企業向けのLINE@のアカウント数も前年比で36.5%増となっている。
 それらの結果,アカウント広告の売上は,前年比24%増の567億円となった。

 ディスプレイ広告も,2018年8月から,拡張性の高いLINEオリジナル独自の広告プラットフォームへの移行を順次開始し,年内に移行を完了させた。
 この新プラットフォームへの移行に開発リソースを優先配分した関係により,広告単価は横ばいとなったが,タイムラインおよびNEWSのサービス向上により,ディスプレイ広告の売上は前期比34%増の362億円となった。

 これらの結果,2018年度の広告売上収益全体は前年比約30%増の1082億円となり,1000億円の大台を越えた。

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 同じくコア事業のコミュニケーション・コンテンツ事業では,スタンプなどのコミュニケーション事業の売上が前年比5.6%減の285億円,コンテンツ売上が前年比4.8%減の382億円と,それぞれ微減に。

 コンテンツ事業においては,ゲーム事業では「ジャンプチ ヒーローズ」や「LINE ポコパンタウン」などの新規タイトルのヒットと従来の人気タイトルの安定運用によって,収益の安定化が進んでいる。
 またLINE マンガやLINE MUSICなどのサービスも順調に成長。LINE マンガの2018年の決済高は前年比44.4%増加,LINE MUSICは80.8%増加と,それぞれ手応えを感じており,2019年度もさらなる成長を見込んでいるとのことだ。

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 戦略事業として注力したLINE Payは,2018年3月のLINEウォレットのリリースを皮切りに,LINEを“スマホのお財布”とするべく,1年間でさまざまな施策を実施してきたと出澤氏。
 加盟店拡大にあたっては,店舗用アプリのリリースや自社決済端末の提供開始に加え,加盟店にとって大きなボトルネックとなる決済手数料を,3年間無料にするキャンペーンを開始。さらに2018年11月からは,QUICPayとの連携によるNFC決済への対応も開始し加盟店拡大を促進した。

 プロダクト面では,公共料金などをバーコード読み取りで決済できる機能,ポイントカードの一括管理機能や家計簿サービスなどを提供し,さらなる利便性の向上を図った。
 またユーザー活性化施策としては,コード決済時の最大5%還元施策や,最大20%還元のキャンペーンなどを実施。
 とくに2018年末にかけて,新規ユーザーの獲得とユーザーの活性化を実現したという。

 海外でもLINE Payのサービスは順調に成長しており,とくに台湾政府の統計機関が発表した2018年の調査によると,LINE PayがモバイルペイメントシェアNo.1となっているほか,タイでも着実にユーザーを増やしているとのこと。
 これらの結果,LINE Payの2018年度のグローバル決済高は,前年比2.2倍の126%増となり,1兆円を超えるまでに成長した。

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 そのほかの金融サービスについては,LINEスマート投資およびLINEほけんのサービスをリリースしたほか,多岐にわたるサービスの立ち上げを発表。
 また台湾でも銀行業参入準備に向け,準備会社の設立を行った。
 出澤氏は,「LINEの持つ大きなユーザー基盤と高い技術力,各パートナー様の持つ金融業の知見を融合させ,従来の金融サービスにはない革新的なサービスを提供し,将来的にはLINEの成長ドライバーにしていきたい」と意気込みを語っていた。

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 コマース事業では,LINEショッピングとLINEデリマの取扱高が順調に拡大した。
 また新しい領域への拡大も行い,2018年6月にはLINEトラベルを開始し,12月にはSHOPPING GOを開始。とくに実店舗で買い物をするとLINEポイントが貯まるSHOPPING GOは,好調なスタートだという。

 AI事業では「Clova Friends」など製品ラインアップを拡充したほか,プラットフォームをオープン化。これにより,外部企業や開発者によるスキルの開発が可能になり,Clovaのスキル数が大幅に拡大した。
 またトヨタ自動車など,企業パートナーとの連携も拡大。今後も家電メーカー等との連携により,Clovaの利用支援をさらに広げつつ,基盤となるAI技術を一層進化させ,LINE全体のサービス開発を高度化していくとのことである。

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 2019年度のLINEの事業戦略は,2018年度に引き続きコア事業と戦略事業を明確に区分。コア事業でしっかりと収益を上げつつ,今後大きな成長が期待できるFintech・コマース・AIの3つの領域を戦略事業と設定し,積極的な投資を実行して,足元の成長だけではなく中長期での大きな事業成長・利益成長を目指すとのこと。

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 コア事業の中では広告事業を最重要と位置付け,LINEの各サービスの成長によるユーザー接点の拡大,データ活用による広告価値の向上を通じて,さらに大きな成長を目指す。

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 戦略事業においてはFintech,とくにLINE Payを最重点領域とし,ユーザーの拡大と活性化,中小規模ビジネスを中心とした加盟店拡大を進めていく。
 LINE Payの普及後には,LINE Payが各種金融サービスの基盤および入口となるだけではなく,そのデータがLINE全体の広告単価の向上および新しい広告事業にも活用され,LINEの次の大きな成長の起点になるという。
 出澤氏は,「2019年度も戦略事業は投資先行となりますが,社内では今年から始まる3か年の目標の設定をしており,戦略事業において次の柱となる大きなサービス成長を実現するとともに,戦略事業においても3年以内の収益化を目指し,事業を推進してまいります」と話していた。

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 最後に,LINEの2019年の目標も示された。出澤氏は「全体の売上としては,2018年並みの高成長を実現したい」「コア事業は,2018年と同等レベルのマージンを実現したい」とし,「戦略事業への投資額は,2018年の約2倍となる600億円程度を想定をしています。それによってLINE Payの活性化を行い,グローバル月間利用者数を1000万人にするいう目標も立てています」と語って,説明会を締めくくった。

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