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岡本吉起氏が自身の新たなチャレンジや日本のゲーム業界の現状について語った「黒川塾 五十七(57)」聴講レポート
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印刷2018/01/23 14:15

イベント

岡本吉起氏が自身の新たなチャレンジや日本のゲーム業界の現状について語った「黒川塾 五十七(57)」聴講レポート

 トークイベント「エンタテインメントの未来を考える会 黒川塾 五十七(57)」が,2018年1月19日に東京都内で開催された。このイベントは,メディアコンテンツ研究家の黒川文雄氏がゲストを招き,ゲームを含むエンターテイメントのあるべき姿をポジティブに考えるというものである。

岡本吉起氏が自身の新たなチャレンジや日本のゲーム業界の現状について語った「黒川塾 五十七(57)」聴講レポート

メディアコンテンツ研究家 黒川文雄氏
岡本吉起氏が自身の新たなチャレンジや日本のゲーム業界の現状について語った「黒川塾 五十七(57)」聴講レポート

 今回のテーマは「岡本吉起 新春放談 かく語りき-2」。2017年10月開催の「黒川塾 五十四(54)」(関連記事)に引き続いて岡本吉起氏が登場し,自身の新たな挑戦について語ったほか,ゲームコンテンツやエンターテイメントのあり方に関する持論を展開した。

オカキチ 代表取締役 岡本吉起氏
岡本吉起氏が自身の新たなチャレンジや日本のゲーム業界の現状について語った「黒川塾 五十七(57)」聴講レポート

 最初の話題は,岡本氏が目指す「ゲームの五冠王」について。岡本氏はアーケード,コンシューマ,スマホという3つのフォーマットでヒットを飛ばしているが,次はギャンブルアダルトゲームを狙っているという。

 このうちギャンブルへのチャレンジでは,オンラインカジノも含めた広い範囲のもので,岡本氏は「BETするとき手が震えるような,当たったときに思わず『Yes!』と叫んでしまうようなものを作りたい」と説明した。
 ただ,ギャンブルは法的規制はもちろんのこと,業界の自主規制もあるため,現在はとある企業の協力のもと,慎重に話を進めているそうだ。
 また,この取り組みにあたっては,既存IPではなく新たなIPを創出して臨むとのことで,岡本氏はその理由を「オリジナルでやらないと,自分が作ったとは言えない」と説明した。

 さらに話は,現在のゲーム業界が既存IPに頼りがちなところに及んだ。岡本氏は自身の過去を「他人のIPを使ったゲーム開発では失敗ばかりしていた」と振り返り,唯一の成功例としてアーケードゲームの「機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオン」を挙げた。このタイトルがうまくいった理由は,版元からの監修がほとんど入らなかったことにあるという。

 とは言っても,岡本氏は既存IPを使うゲームを否定するわけではなく,ストーリーや世界観,キャラクターなどが世間に知られているため,プレイヤーの学習コストが大幅に下がることをメリットとして挙げた。そのぶんゲームのほかの部分を作り込めるというわけだ。

 一方,アダルトゲームでは,「大人の恋愛シミュレーター」を目指すとのこと。アダルトビデオなどにありがちな男性本位の内容ではなく,「こうすれば女性とうまく付き合える」という指南書的なものを構想しているそうだ。

岡本吉起氏が自身の新たなチャレンジや日本のゲーム業界の現状について語った「黒川塾 五十七(57)」聴講レポート

 昨今のゲーム業界で盛り上がっている事柄も話題に上った。まずVRについて岡本氏は「意識はしているけれども,現状のVRから抜け出せるだけのアイデアはまだない」「アイデアが出たらやる」と語った。ちなみに現状のアイデアは,「環境を買う」。例えばHMDに南国の映像を流し,それと連動した風をエアコンから出して,リゾート地に行った気分にさせるというもの。もっと解像度の高いVR機器が普及したらチャレンジしたいと話していた。

 「世界における日本のゲーム市場規模が縮小している」という言説に関しては,「日本市場がシュリンクしているのは認めるが,そこには少子高齢化といった要因もある」「欧米の市場規模が大きくなったのは,それだけゲームを理解する欧米人が増えたということ」と岡本氏。
 さらに「日本のゲームがうまく他国に展開できていない」という点に関しては,欧米と日本とで好まれるジャンルが異なることを指摘。「銃が身近にあったり,兵役があったりする国や地域で育てば,FPSにリアリティを感じられる」と例を挙げ,文化や国民性の違いが影響しているとの見解を示した。

 またスマートフォンゲームのビジネスモデルについては,「人は強くなりたいからお金を払う」とし,「対戦ゲームのレートによるマッチングはよくない」との持論を展開。すなわち,レートが同じプレイヤー同士だと勝率も互角になってしまうため,「負けてくやしいから」というネガティブな理由でお金を使うことになる。岡本氏は,そうではなく「勝って気持ちよくなりたから」というポジティブな理由でお金を使わせるべきだと語った。これは自腹でスマホゲームに膨大なお金を使った結果,得られた感覚だという。

岡本吉起氏が自身の新たなチャレンジや日本のゲーム業界の現状について語った「黒川塾 五十七(57)」聴講レポート

 最後の話題は,岡本氏が2011年から2013年ごろに経験した不遇の時代,そしてそれを乗り越えた現在について。不遇時代について岡本氏は,それまで交友関係のあった人達がほとんど離れていったことや,コレクションを手放して生活資金を工面していたことなどを披露しつつ,「必要な時間。いい試練」と表現した。

 その後再び成功を収めた岡本氏は,「黒川塾 五十四(54)」などで示されたとおり,「こども食堂ネットワーク」への寄付をはじめとした社会貢献に努めている。その一環として,2017年11月に設立した一般財団法人 日本ゲーム文化振興財団では,次世代の若手ゲームクリエイターの優れた創作活動に対して助成支援を行っていくとのこと。
 また岡本氏は積極的に講演やトークの場に立っているが,これには自身がゲーム業界から受けた影響や学んだことを,広く後進に共有したいという思いがあるという。

 岡本氏はこれらの活動について,「先輩に恩返しするために,後輩を育ててゲーム業界を盛り上げていきたい」と意気込みを見せた。また後進育成の重要なポイントとして,「いいところだけを見る。天才はダメなところが多いので,そうしないと育たない」とも話していた。

 そして明言こそされなかったが,岡本氏による新作ゲームタイトルのプロジェクトが進行していることもほのめかされていた。詳細は示されなかったが,期待が高まるところである。

岡本吉起氏が自身の新たなチャレンジや日本のゲーム業界の現状について語った「黒川塾 五十七(57)」聴講レポート
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