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東京ゲームショウ2017は9月21日から24日まで開催。テーマ「さあ、現実を超えた体験へ。」や開催概要がアナウンスされた発表会をレポート
主催者を代表して登壇したCESA会長の岡村秀樹氏は,まず昨年開催されたTGS 2016が出展社数,来場者数とも過去最大だったこと,また海外の出展社数が日本のそれを超えたことに言及。ドワンゴやTwitchの協力のもと,会場の模様を日本国内はもちろん,海外にも動画で配信できたとした。
またCESAは,この2月にインド・ニューデリーで開催された「インドゲームショウ2017」に出展したとのこと。岡村氏はその経験から「ワールドワイドの観点からすると,デジタルエンターテイメントのトレンドや勢力図は都度変わっており,また新しいマーケットも生まれている。その意味では,TGSから発信する情報も,皆さんが考えている以上に世界から注目を集めている」とし,ゲーム関連企業に向けて「ぜひビジネスチャンスと捉え,出展をご検討いただきたい」と呼びかけた。
続いて,共催の日経BPから代表取締役社長の新実 傑氏が登壇。新実氏もまたTGS 2016を振り返り「VRへの注目度の高さが印象に残っている」とし,「テクノロジーの進化が作品や製品,サービスとして具現化され,ゲーム産業の発展につながっていることを実感できた」と語った。
またここ1年間はVRに限らず,「Pokémon GO」(iOS/Android)に代表されるARや,囲碁のトッププロ棋士に勝利したAIなどが話題となったが,新実氏はそれらについて「新たなテクノロジーが人々の生活に浸透し,世界を変え始めている」と表現。
とくに日経BPではIT技術を使う新たな金融サービス「FinTech」に注目しており,このサービスにより,クレジットカードではリーチできなかった発展途上国においてもゲーム産業が盛り上がるのではないかとの期待を示した。
さらに新実氏は,TGS 2017ではe-Sportsコーナーを拡充し,動画配信などを通じて国内外からの注目を集める内容にしていきたいと意欲を見せていた。
会場では,TGS 2016の開催結果報告もなされた。それによると,先に岡村氏が述べたとおり,TGS 2016はCESA20周年の記念開催にふさわしく,出展社数と来場者数,そしてプレス来場者数などが過去最多を記録したことや,国内外への動画配信が大幅に強化されたことなどを確認できた。
TGS 2016の来場者を対象としたアンケート結果(国内・海外)も公開された。国内来場者のアンケート結果では,コンシューマ機およびスマートフォンでゲームを楽しんでいるユーザーが多いが,PCゲームユーザーも3割を超えていることが明らかとなった。
また近年,増加が顕著な海外からの来場者の満足度は,一般公開日,ビジネスデイとも80%以上が「満足した」と回答されている。
また来場予定者数は25万人となっており,そのための強化施策として「ネット動画配信で世界に発信」「e-Sports本格普及へ」「VRに加えAR/MR分野も拡大」「出展・来場はさらにグローバルに」の4つが掲げられた。
まず動画配信では,TGS 2016に引き続きドワンゴとTwitchの協力のもと,昨年よりも番組数を増やし,国内合計500万人以上の視聴者数を目指す。また海外向けとしては,Twitchがサービスを展開している各国に加え,中国での配信も行う。
e-Sportsに関しては,今後の世界的な市場規模の拡大を見越した展開を行う。具体的にはコンシューマゲームとスマートフォンゲームの大型タイトルを使った大会を開催し,予選から動画を配信するとのこと。詳細に関しては,後日アナウンスされる。
TGS 2016で注目を集めたVRコーナーは,「VR/ARコーナー」と改称し,ARとMR(複合現実)も出展対象となる。
グローバル化に関しては,東南アジアや中東,東欧などでTGSのプロモーションを展開する予定とのことだ。
TGS 2017に関する続報は,今後順次公開される予定となっている。CESAや出展各社から発表される内容に注目したい。
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