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CEATEC JAPAN 2014レポート。ウェアラブルデバイスが花盛り,バイタルデータはどこまで取得できるのか
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印刷2014/10/08 15:22

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CEATEC JAPAN 2014レポート。ウェアラブルデバイスが花盛り,バイタルデータはどこまで取得できるのか

シースルー型HMDでは先行するエプソンの「EVERIO」
画像集#010のサムネイル/CEATEC JAPAN 2014レポート。ウェアラブルデバイスが花盛り,バイタルデータはどこまで取得できるのか
 2014年10月7日,千葉県・幕張メッセで「CEATEC JAPAN 2014」が開催された。CEATECは,エレクトロニクス製品やデバイスの総合展示会だが,映像や入力デバイスなどの最新技術もてんこ盛りの内容なので,将来的なゲームデバイスの姿を占うイベントとも言える。
 では,今年の出展内容の中から,ゲームに直接関係ないものを含めて技術動向を見ていこう。CEATECは10月11日まで開催されているので,会場に行く人は参考にしてほしい。

片目投影型HMD,[東芝グラス」
画像集#001のサムネイル/CEATEC JAPAN 2014レポート。ウェアラブルデバイスが花盛り,バイタルデータはどこまで取得できるのか
 まず,今年の傾向としては,ウェアラブルデバイス関連の出展が目立ったことだろうか。Apple Watchの発表などでウェアラブルデバイスへの注目度が高まっていることもあってか,関連技術の展示があちこちで行われていた。
 ヘッドマウントディスプレイ(以下,HMD)で目立った展示を行っていたのは東芝だ。参考出品されていた「東芝グラス」は,「Google Glass」と似た投影型のHMDで,右目の視界内に小さな情報表示エリアを提供するデバイスだ。表示機能以外は持たないようで,非常にシンプルだ。その分,重さも42gと軽く,デザインも豊富に取り揃えられている。

東芝グラス。レンズ面に映像を投影するデバイスだ。映り具合を示したかったのだが,映像が見える位置ではどうしてもピントが合わなかった。レンズ内の画像の大きさは青い四角の部分だが,実際の装着時の表示位置は右寄りになる
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 2015年に製品化が予定されているが,当面一般販売の予定はなく,B2Bでの販売になるという。業種的には,工場などでの利用が想定されているという。ウェアラブルとはいっても,ワイヤード接続のみなので用途は限られるが,工場用にしては無駄にデザインも凝っており,将来的には各種機能搭載のうえで民生用に発売されるのではないだろうか。

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 東芝グラスのコンセプトを少し進めたような製品が富士通ブースに展示されていた。
 これも東芝グラスと同様な片目投影型のデバイスだが,カメラを持っており,付加情報表示型ARで,最初から工場などでの使用を考えたものとなっている。ブースで行われていたデモでは,自動車の部品や工具箱や部品にARマーカーを付けて,補足情報を表示するようになっていた。さらに,腕にはウェアラブルキーボードを装着し,さまざまな処理ができるようになっている。
 工場内での使用とあって,HMDはヘルメットにマウントされており,重量などの負荷は考えなくても大丈夫そうだ。ゲームに応用するにしても,単なる表示デバイスよりは,AR系のほうが向いているだろう。
 見た感じ,あまり垢抜けてはいないのだが,注意が必要な部分にARマーカーを貼り,簡易テキスト以上の情報は,キーボード操作で取り出せるというのは,かなり実用性のある実装ではないだろうか。将来的にはマーカーレスARへの対応も視野に入れているとのことだが,チュートリアル的に使うには情報がある位置が明示されているほうがいいような気もしなくはない。

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 デバイスコーナーにあったミツミの投影型HMD「レーザーアイウェア」は,レーザー光をMEMSミラー(いわゆるDMD)で制御して投影するというデバイスだ。視野角が広いとのことなのだが,視界に対する映像の投影範囲という意味での視野角はかなり広いものの,装着位置合わせはちょっとシビアだった。投影される大きめな映像が,ちゃんと全部表示されない感じなのだ。デバイスのデモなので,製品としての完成度はまだ問うべきではないのだろうが,少し気になった点だ。
 特徴としては,フォーカスフリーで,遠近どこでも焦点が合うとされている。ただ,試用した限りでは,投影像はちょっと近めに感じられた。レーザーということで網膜へのダメージを気にする人もいるかもしれないが,当然ながら出力レベルは安全な範囲に抑えられているとのこと。

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 HMD以外に出展されていたウェアラブルデバイスの多くは活動量計なのだが,海外ではすでにブームが収まってきたとされているものが,日本でもようやく盛り上がるのだろうか。もっとも,スマートデバイス対応ではない製品であればオムロンもタニタも世界的なトップメーカーであり,日本の活動量計技術が遅れているわけではない。むしろ,最先端を示す展示も数多くあったので紹介してみよう。

今回の新製品ではないが出展されていた現行世代の東芝製活動量計
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 現在の活動量計は,加速度センサーなどを使って身体の動きの量から消費カロリーを推測し,それを管理するアプリやサービスとパッケージにするというのが主流だが,最近ではそれ以上のバイタル情報を取得しようとする動きが出てきている。代表的なところで言うと,心拍数だ。スポーツ系の機器では,心拍数から負荷を判定してトレーニングに役立てたりしているが,身体の負荷以外に緊張など精神的な負荷によっても変化するものなので,ゲームなどでの補助入力要素としても期待できる。
 しかし,心拍数を計るというのは簡単そうに見えて意外と難しかった。これまでにも心拍数を記録できる製品は存在していたのだが,そういうものをほしがる人は,たいていやたらと動き回ることから,腕時計タイプのデバイスでも心拍数を取るには胸にきっちりバンドを巻いてセンサーを固定しなければならなかったりしたのだ。耳たぶをクリップで挟んだり,特別製のアンダーウェアを着るというのもあるが,昨今の流れからすると,リストバンドだけで済ますというのがスマートなやり方というものである。
 最近では,皮膚に光を当てて,その透過光の色の変化から血流量を検出し,脈拍数などを判定する技術が確立されてきており,今回のCEATECでもそういった手法を使った複数のデバイスに使えるセンサーが展示されていた。

ムラタの光センサーと脈拍測定の原理
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 ムラタでは,心拍数計測に使用できるLEDライトと光センサーを積んだ小型モジュールほか,各種センサー素子を展示し,それらを組み合わせた腕時計型デバイスを展示していた。心拍数以外に面白いのが気圧計で,腕を上げるだけでグラフに山が描かれるくらいの精度を持っている。バイタルデータではないが,手を上げて/下げてといったモーション判定にも使えそうな感じだ。

試作デバイス。内側にバイタル測定用のセンサーがある
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 アルプス電気の実装では,光の反射(透過)で心拍数を計るだけでなく,色を見てヘモグロビン量や,その酸素飽和度を表示していた。深呼吸などをすると数値が変わってくるのだそうだ。
 東芝の胸部貼り付け型測定器Silmeeでは,心拍数の変動から高周波成分と低周波成分を取り出し,その割合で自律神経のバランスをグラフで表示するようになっていた。ストレス量などを判定できるらしい。このように光センサーだけでも,かなりいろんなバイタルデータが取れる。

アルプス電気のリストバンド型活動量計は,心拍数以外にヘモグロビン量などの推定も行える
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東芝のSilmeeでは,自律神経バランスが確認できる
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NTTドコモでは,皮膚アセトンガスの測定で健康状態をチェックする試みも
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 そのほかのバイタルセンサーでは,当然ながら体表温も取得できる。JINSが進めているアイウェアでは,目の周りに3点の電極を置いて,眼電位(目の動きで発生する電気)を測定し,疲れや眠気などを判定できるという。
 ちょっと変わったところでは,NTTドコモが,皮膚アセトンガスセンサーについて参考出展していた。皮膚から出るアセトン量は,体脂肪の燃焼の目安となるとのことで,フィットネス関連のアプリと連動すると効果がありそうだ。調べると,糖尿病の人や過度なダイエットを行っている人でもアセトンは増加するらしい。
 ちなみに,需要がありそうな血圧については,リストバンドなどでは難しいのか具体的な実装は見られなかった。

 詳細なバイタル情報が簡単に取得できるようになれば,それらをゲームにフィードバックするといった動きも当然出てくるだろう。新しいセンサー技術を使ったゲーマー向けデバイスにも期待したいところだ。

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ロームの心拍数センサーは,モジュール内にデータ解析機能を内蔵している
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アルプス電気のメガネのつるにまとめたセンサー群。バイタルではないが,加速度センサー,地磁気センサー,光/UVセンサー,温度/湿度センサー,気圧センサーとBlutoothモジュール+電池を収めている


その他のデバイスと新技術


 展示内容では,表示デバイス関連はちょっとさみしかったのだが,全体に4Kから8K化に向けた動きが加速していることが分かる。また,Oculus Riftを使った出展も多く見られた。以下では順不同で目に付いた展示を写真中心に紹介してみたい。

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東芝のWindows対応「手書き技術搭載タブレット」。「手書き技術?」とちょっと疑問に思う人もいるかもしれないが,手描きワコムのシールが貼ってあるので,あとは推して知るべし。タブレットには10.1インチと8インチの2種類が用意されているが,タブレット自体の仕様は非公開
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シャープのMEMS-IGZOは,時分割で高速にRGBに発光切り替えをするバックライトの光を,MEMSシャッターで画素ごとに透過制御することで高効率&高輝度を実現する。会場では強い照明下での表示や消費電力の低さを示すデモが行われていた。いまやポータブルデバイスの消費電力の大半を占めるバックライトの消費電力を,一気に半分以下にする期待の技術だ
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3dragonの360度立体ディスプレイ。円形のディスプレイ内に表示された立体画像は,360度どこから見ても,その角度での立体像が見える。円盤内では,光を45度の角度に曲げるホログラムシートが高速に回転しており,下から照射されたプロジェクタの映像を周りに配信する。映像の表示タイミングを合わせることで,このような全周映像が可能になる。デモでは,1.8度ごとに200通りの映像が使われているとのこと。動画も可能なので,ゲームでの利用も不可能ではないのだろうが,リアルタイム映像を作るには,GPUが100基くらい必要になるかもしれない
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東京農工大学のタイリングによる低価格大型裸眼立体視ディスプレイの試み。多視点の裸眼立体視ディスプレイを組み合わせているだけではあるが,何段かのレンズをはさむことで,境界部の縁をできるだけなくして大型画面を実現している
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CEATEC JAPAN公式サイト

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