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ハロー!Steam広場 第162回:「レース・フォー・ザ・ギャラクシー」がSteamに。星間国家を運営するSFカードゲーム「Race for the Galaxy」
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印刷2017/07/04 12:00

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ハロー!Steam広場 第162回:「レース・フォー・ザ・ギャラクシー」がSteamに。星間国家を運営するSFカードゲーム「Race for the Galaxy」

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「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,Arizona Sunshineで手榴弾を投げようとして部屋の鏡を叩き割る上級Steamerにジョブチェンジできるかも。

 ハロー!Steam広場 第162回は,人類が太陽系外に移住を始めた未来の世界を舞台とするSFカードゲーム「Race for the Galaxy」を紹介しよう。本作は,異なる特徴を持つ星間国家の運営をそれぞれのプレイヤーが担当し,ゲームが終了するまでに誰が一番国家を発展させられるかを競うゲームだ。AIとの対戦もできるので,アナログ版プレイヤーにもオススメ。

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「レース・フォー・ザ・ギャラクシー」がSteamに。星間国家を運営するSFカードゲーム「Race for the Galaxy」


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 今回は,人類が太陽系外に移住を始めた未来の世界を舞台とするSFカードゲーム「Race for the Galaxy」を紹介しよう。

 本作は,異なる特徴を持つ星間国家の運営をそれぞれのプレイヤーが担当し,ゲームが終了するまでに誰が一番国家を発展させられるかを競うゲームだ。
 惑星やコロニーといった人々の住む世界を表す「ワールド」と,制度や技術などを表す「デベロップ」の2種類のカードを自分の領地に配置することで国家が発展していき,皆で取り合う勝利点チップが場から無くなるか,誰かが12枚のカードを自国に配置した時点でゲームは終了となる。そして,勝利ポイントの一番多いプレイヤーが勝者になるのだ。

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 勝利点を稼ぐ方法は大きく分けて2通りある。1つは,ワールドやデベロップカードを配置して,そのカードに示された点数を獲得するという方法。もう1つは,自国で生産した資源を消費して点数を得るという方法だ。もっとも,資源の生産は後述するようにワールドカードが配置されていないとできないので,まずはカードをたくさんドローして資産となる手札を潤沢にするのが,序盤のセオリーといえるだろう。

ワールドやデベロップカードを配置するには,左上に書かれたコスト分,手札からカードを捨てることになる。兎にも角にも手札がなければ始まらないのだ。ちなみにコストのところが円型になっているのがワールド,ひし型になっているのがデベロップカードだ
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 ゲームが始まると,各プレイヤーには自分の担当する国家カードと6枚の発展用カードが配られる。それぞれの国家が持つ能力は,発展の方向性を決めるうえでの指標になるので,自分の国家と初期手札を見て,どのように発展させるか考えていく。
 ゲームの流れはラウンドで区切られており,カードをドローする「EXPLORE」,デベロップカードを配置する「DEVELOP」,ワールドカードを配置する「SETTLE」,生産物を消費する「CONSUME」,消費用の資源を生産する「PRODUCE」という5つのフェーズで1ラウンドとなる。最後のPRODUCEフェーズを終えると次のラウンドに進むといった感じだ。

プレイヤーは最大4人まで。プレイヤーごとの手番はなく,各フェーズは一斉に処理されるため,ダウンタイム(何もできない時間)が少ない
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 このゲームの面白いところは,すべてのフェーズが必ずしも行われるわけではないという部分にある。新しいラウンドが始まるときに各プレイヤーは,相手に伏せる形で“絶対に実行したいフェーズ”を選ぶのだが,ここで各プレイヤーから選ばれなかったフェーズは,そのラウンドでは除外され,行えないのだ。
 例えば,手札を補充したいAが「EXPLORE」を,発展を進めたいBとCが「DEVELOP」を,生産をしたいDが「PRODUCE」を選んだとすると,そのラウンドでは「EXPLORE」「DEVELOP」「PRODUCE」しか行われない。ただ,ラウンドで行われるフェーズにはすべてのプレイヤーが参加できるので,EXPLORを選んでいないB,C,Dも手札の補充は可能だ。

 ここでミソとなるのが,そのフェーズを選択した人だけがもらえるボーナスがあることだ。上の例でいうと,B,C,DもEXPLOREフェーズに参加してカードの補充ができるわけだが,そのフェーズを選択したAだけは,ほかのプレイヤーよりも多くカードをドローできるというボーナスが得られる。これと同じで,DEVELOPを選んだB,Cだけが,コスト-1でデベロップカードを配置でき,PRODUCEを選んだDだけが,+αで資源生産ができる。

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 この仕組みによって生まれる駆け引きが,本作をさらにアツくする。
 たとえば,デベロップカードを配置して発展を進めたいが,コストになるカードが手札にない状況であれば,普通はEXPLOREを選ぶ。ただ,このゲームでは,手札,勝利点,配置した発展カード,生産した資源の4つが公開情報となっているため,「資源を溜め込んでいるからCONSUMEを選ぶ」「手札が少ないからEXPLOREを選ぶ」といった予測が行われる。これで対戦相手のコールを読むことで,相手がEXPLOREを選ぶから自分はDEVELOPを選び,コスト-1でカードを置くといった戦略を取ることもできる。
 うまく運べば勝利に大きく近づける一方で,読みが外れるとそのラウンドは何もできないという駆け引きが重要なポイントになっているのだ。

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 そして,発展競争をさらにヒートアップさせているのが,設置されたカードに発生するフェーズ効果である。ワールドやデベロップカードには,それぞれどのフェーズでどういった効果が発生するのかが記されており,この恩恵をたくさん受けることこそが勝利への近道になるのだ。以下に,効果の分かりやすいカードをいくつか取り上げてみよう。

■「TERRAFORMING ROBOTS」(デベロップカード)
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 カードの左側を見ると3番目と4番目のフェーズに効果が書かれているのが分かる。3番目と4番目というのは,すなわちSETTLEフェーズとCONSUMEフェーズのことだ。SETTLEフェーズに記されているのは,ワールドカードを配置したときにカードが追加で1枚もらえるという効果。CONSUMEフェーズに記されているのは,茶色の生産物を消費すると勝利点が1点もらえるうえ,カードも1枚引けるという効果だ。
 このカードを配置しておけば,SETTLEとCONSUMEのあるフェーズで大きな発展が見込めるだろう。それはつまり,相手はSETTLEとCONSUMEを選ばない可能性が高いというわけでもある。

■「PROSPEROUS WORLD」(ワールドカード)
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 このカードの効果は,CONSUMEフェーズに生産物を消費すると勝利点が1点もらえ,PRODUCEフェーズに青の物資を生産するというもの。冒頭で「資源の生産はワールドカードが配置されていないとできない」と説明したが,その理由がこれである。生産物を消耗して勝利点を稼ぐには,PRODUCEフェーズに物資を生産する効果を持ったカードを配置していかなければならない。

■「FORMER PENAL COLONY」(ワールドカード)
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 このカードのようにコストが赤く書かれているのは軍事カードである。通常のカードは,手札からコストを払う形になっているが,軍事カードの場合は,国家が持つ軍事力がコスト以上であれば,無償で設置できる。要するに軍事力を上げていけば,後半は無償で軍事カードをどんどん設置できるのだ。これは戦法の1つとして確立されているので,初期手札で軍事カードをたくさん引けているときは狙ってみよう。

 このように,カードを設置することで国家が発展し,そのカードの効果でどんどん生産力も上がっていくという,拡大再生産の流れを楽しむのが本作の醍醐味となっている。設置したカード同士がうまくシナジーして生産力が爆発し,ほかのプレイヤーとの点差を大きく離した瞬間の脳汁がドバドバ溢れる感覚は,一度味わうと病みつきになってしまう。

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 実のところ本作は,ゲームデザイナーのTom Lehmann(トム・レーマン)氏が手がけたアナログカードゲーム「Race for the Galaxy」のデジタル版としてリリースされたゲームである。アナログ版でも拡張第1弾の「Gathering Storm」を導入すればサイコロを使って1人でプレイできたが,このデジタル版では最大3人までのAIが相手になってくれるので,1人でも4人プレイが気軽に楽しめるのが嬉しいところだ。
 もちろん,オンラインプレイにも対応しているので,上記のとおり,オリジナルが持つ心理戦的な部分もしっかりと味わえる。アナログ版をやり込んだという人はもちろん,ストラテジー要素の強いカードゲームが好きだという人にも刺さる作品だと思うので,ぜひ遊んでみてほしい。

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 ちなみにゲーム内ストアでは,拡張セットである「Gathering Storm」「REBEL VS. IMPERIUM」の2つが販売されているので,ゲームに慣れてきたら拡張の導入も検討してみよう。ただし,これらを導入してもアナログ版のようにプレイ人数が増えることはないので,その点だけは注意したい。アナウンスなどは何もないが,拡張第3弾である「The Brink of War」のデジタル化も期待したい。


「Race for the Galaxy」Steamストア(840円)

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