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アイ・オー,表示遅延0.05msとHDMI入力×4が特徴のゲーマー向けディスプレイ2製品を発表。三菱電機の技術が息づく「GIGA CRYSTA」の新作
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印刷2015/11/04 11:00

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アイ・オー,表示遅延0.05msとHDMI入力×4が特徴のゲーマー向けディスプレイ2製品を発表。三菱電機の技術が息づく「GIGA CRYSTA」の新作

 2015年11月4日,アイ・オー・データ機器は,ゲーマー向け液晶ディスプレイ「GIGA CRYSTA」の新製品を11月下旬に発売すると発表した。ラインナップは,23.8インチモデルの「LCD-RDT242XPB」と,27インチモデル「LCD-RDT272XPB」の2機種。メーカー想定価格は順に4万4800円,5万9800円(いずれも税別)とされており,単純計算すると税込価格は順に4万8384円,6万4584円となる。

GigaCrysta
LCD-RDT242XPB
GigaCrysta
LCD-RDT272XPB

 三菱電機が開発した超解像処理エンジン「ギガクリア・エンジンII」を採用するGIGA CRYSTAシリーズの第2弾である今回の新製品は,2014年11月発売の第1弾登場後に寄せられたユーザーの声を取り入れて改良を施したものであるという。2015年9月の東京ゲームショウ2015(以下,TGS 2015)において,アイ・オー・データ機器ブースで公開されていたので(関連記事),正式発表を待ち望んでいた人もいるだろう。本稿では,新製品の概要をレポートしたい。


筐体や液晶パネルは従来製品そのままで,強化点は5つ


 GIGA CRYSTAシリーズの液晶ディスプレイは,三菱電機が開発した超解像処理エンジン「ギガクリア・エンジンII」を採用するのが特徴の製品だ。今回の新製品も,その点はまったく変わっていない。ギガクリア・エンジンIIだけでなく,筐体デザインや採用する液晶パネルも従来製品から変わっておらず,機能面の強化に重点を置いた改良版といえそうだ。

LCD-RDT242XPB。液晶パネルを囲むベゼルの凹凸を減らした「フラットサーフェスデザイン」を採用する筐体は,従来製品からそのまま継承されている
GigaCrysta

27インチモデルのLCD-RDT272XPB。こちらも外観は変わっておらず,つまり,三菱電機の「RDT273WX」を,ほぼそのまま継承し続けているわけだ
GigaCrysta

 強化点を説明する前に,まずはギガクリア・エンジンII以外で,新製品に引き継がれた主な特徴を挙げておこう。両製品ともに,液晶パネルは非光沢タイプのAH-IPS液晶パネルで,解像度は1920×1080ドット,視野角は上下左右ともに178度で,最大輝度は250cd/m2,コントラスト比は1000:1というスペックとなっている。
 オーバードライブ機能使用時の応答速度(Gray-to-Gray)が3.2msと,IPS液晶パネルとしては高速な点や,ギガクリア・エンジンIIを利用しながらでも,ディスプレイ内部の処理遅延を軽減できる「スルーモード」といった点も,従来製品ゆずりの特徴だ。

LCD-RDT242XPBのスタンド部分(左)。調整機能は少なく,上20度から下5度までの上下回転(チルト)のみ。スタンド部と本体の取り付け位置を変えることで,高さを3段階に変えられる。LCD-RDT272XPBのスタンド(右)は,上20度から下5度までの上下回転ができるだけで,高さ調整機能もない
GigaCrysta GigaCrysta

 では,新製品は何が新しくなっているのだろう。アイ・オー・データ機器では,今回の2製品に加えられた特徴として,5つの項目を挙げている。1つめは,スルーモード時の遅延を0.1msから0.05msに短縮したことだ。
 遅延の短縮は,アイ・オー・データ機器が開発した周辺チップの改良に加えて,スルーモード有効時にバイパスする映像処理を少し増やしたことによって実現されているとのこと。そのため,新製品ではスルーモードを有効にしたときに,画質調整の項目でグレーアウトして設定を変更できなくなるものが増えているそうだ。
 ただ,ギガクリア・エンジンIIはスルーモード有効時にもバイパスされないので,映像補間機能を利用しながら低遅延というGIGA CRYSTAシリーズの魅力は,きちんと継承されている。

 2つめの特徴は,「Night Clear Vision」機能の搭載だ。ゲームにおける暗いシーンの視認性を向上させるという触れ込みの機能で,明るさやコントラストの値を簡単に変更できるというものである。他社のゲーマー向け液晶ディスプレイでは珍しくもない機能だが,この機能を要望するユーザーは多かったそうで,それを搭載してきたわけだ。

 3つめはビデオ入力インタフェースの変更である。従来製品では,HDMI×2(うち1基がMHL対応),Dual-Link DVI-D×1,アナログRGB×1,そしてD端子×1という5系統の入力をサポートしていた。D端子という(ほぼ)日本独自の入力をサポートするのが,PC用ディスプレイとしては珍しい特徴だったわけだ。
 だが,今回の新製品ではD端子を廃止して,HDMI入力を4つ(うち1基がMHL対応)に増やしている。HDMIを増やしたのは,「多数のHDMI入力を望むユーザーが増えたから」(アイ・オー・データ機器)だそうで,HDMI入力に対応するゲーム機やAV機器が増えた現状を考えれば当然のことだろう。

LCD-RDT242XPBの場合,ビデオ入力インタフェースは,背面の右側(正面から見て左側面)にHDMI入力×4(左),背面下向きにDual-Link DVI-D入力とアナログRGB入力を装備している(右)。なお,LCD-RDT272XPBも配置はほぼ同じ
GigaCrysta GigaCrysta

LCD-RDT272XPBのビデオ入力インタフェース部分。背面右側にHDMI入力×4,下側にDual-Link DVI-D入力とアナログRGB入力を配置するのは,LCD-RDT242XPBとまったく同じだ
GigaCrysta GigaCrysta

 ちなみに,D端子を廃止した理由について同社は,「内部構造上,HDMIを増設するためには別の入力を減らさなければならず,やむを得ずD端子を廃止した」と説明していた。どうやら,周辺チップが対応可能な入力端子の数に上限があるため,HDMIを増やした代わりにD端子を省いたというのが真相のようだ。

 4つめは,液晶パネルのLEDバックライトを,直流点灯式でチラつきが一切ないフリッカーフリーのバックライトに一新したことである。フリッカーフリーバックライトの採用も,要望するユーザーが多かった機能とのことだ。

LCD-RDT242XPBの付属リモコン。入力信号の切り替えボタンへの割り当てが変わった以外,従来製品のものと変わっていない
GigaCrysta
 最後の5つめは,HDMIケーブルを通じて機器を操作できる「HDMI CEC」規格に対応したこと。ゲーム機の電源を入れると,ディスプレイの電源も自動でオンになったりするほか,GIGA CRYSTAシリーズ付属のリモコンで,HDMI接続されたAV機器を操作することも可能になるので,ちょっと便利になりそうだ。

 PC用のゲーマー向け液晶ディスプレイとしてみると,120〜144Hzといった高い垂直リフレッシュレートに対応していないのは物足りなく思えるところだが,据え置き型ゲーム機用として使う分には問題ない。豊富なHDMI入力を利用して,複数台のゲーム機をつなげて使うのが,新しいGIGA CRYSTAシリーズの使い方というところだろうか。


今後のギガクリア・エンジンIIはどうなる?


GigaCrysta
 さて,GIGA CRYASTAシリーズの原型は,2013年まで三菱電機が手がけていたWXシリーズだ(関連記事)。IPSパネルを採用し,ギガクリア・エンジンIIによる高画質化と0.1msの低遅延を両立したWXシリーズは,まだ黎明期にあったゲーマー向け液晶ディスプレイ市場で,それなりの競争力があった。
 だが,現在は低遅延を謳うゲーマー向け液晶ディスプレイは珍しくないし,暗部の視認性向上機能や,フリッカーフリーバックライトの搭載も当たり前のものとなっている。今回の新製品も,他社製品にない先進的な機能を用意したのではなく,どちらかといえば,他社にはあるがGIGA CRYASTAシリーズにはなかった要素を,遅ればせながら取り込んできたというべきだろう。

 そうなると,気になるのはギガクリア・エンジンIIの今後だ。たとえば,現行のギガクリア・エンジンIIは,フルHDを超える解像度には対応できないという。ゲーマー向け液晶ディスプレイに高解像度化の波が押し寄せている現在,エンジンの改良抜きで,どこまでやっていけるものだろうか。

 アイ・オー・データ機器に聞いてみたところ,まず同社としては,フルHD解像度のゲーマー向け液晶ディスプレイの需要は,当分なくならないと見ているという。PCゲームはともかく,PlayStation 4やXbox OneがフルHDを超える解像度をサポートしていない以上,フルHD解像度のディスプレイが不要になるのは,まだ先の話というわけだ。そのため,アイ・オー・データ機器としては,フルHD解像度のディスプレイが必要とされる限り,ギガクリア・エンジンII搭載製品のラインアップを維持していくとのことだった。

GigaCrysta
 一方,ギガクリア・エンジンIIをアイ・オー・データ機器が独自に拡張して,高解像度や高リフレッシュレートに対応したり,機能の拡張を加えることは,技術的なハードルの高さから現時点では見込みが立たないというとことらしい。ギガクリア・エンジンIIに手を入れられない以上,機能面では大きく変わりようがないわけで,GIGA CRYASTAシリーズは,今後も細かな改良を加えながら,フルHD解像度の液晶ディスプレイとして生き残りを目指していくことになりそうだ。

 将来の話はともかく,今回の新製品は,ギガクリア・エンジンII搭載液晶ディスプレイにおける1つの完成形といえるもので,4系統のHDMI入力を生かして複数台のゲーム機をまとめて接続できるという利点がある。ゲーム機との接続を中心に液晶ディスプレイを選ぶのであれば,選択肢に入れる価値のある製品といえるのではないだろうか。

●LCD-RDT242XPBの主なスペック
  • パネル:23.8インチワイド,AH-IPS方式,ノングレア(非光沢)
  • バックライト:LED
  • パネル解像度/最大垂直リフレッシュレート:1920×1080ドット/75Hz
  • 輝度(通常):250cd/m2
  • 表示色:約1677万色
  • コントラスト比:1000:1
  • 視野角:左右178度,上下178度
  • 中間調応答速度:14ms(GtG),オーバードライブ時 3.2ms(GtG)
  • 接続インタフェース:HDMI×4,Dual-Link DVI-D入力×1,アナログRGB入力(D-Sub 15ピン)×1,3.5mmミニピン×2(ヘッドフォン出力,ライン入力)
  • チルト(上下回転):対応(−5〜+20度)
  • スイーベル(左右回転):非対応
  • ピボット(縦回転):非対応
  • 高さ調整:対応(最大30mm)
  • 消費電力:40W(通常時),1.0W以下(スタンバイ時)
  • サイズ:540(W)×170(D)×391(H)mm
  • 重量:4.4kg
  • 保証期間:3年(※パネルおよびバックライト含む)
  • 発売日:2015年11月下旬
  • メーカー想定売価:4万4800円(税別)

●LCD-RDT272XPBの主なスペック
  • パネル:27インチワイド,AH-IPS方式,ノングレア(非光沢)
  • バックライト:LED
  • パネル解像度/最大垂直リフレッシュレート:1920×1080ドット/75Hz
  • 輝度(通常):250cd/m2
  • 表示色:約1677万色
  • コントラスト比:1000:1
  • 視野角:左右178度,上下178度
  • 中間調応答速度:14ms(GtG),オーバードライブ時 3.2ms(GtG)
  • 接続インタフェース:HDMI×4,Dual-Link DVI-D入力×1,アナログRGB入力(D-Sub 15ピン)×1,3.5mmミニピン×2(ヘッドフォン出力,ライン入力)
  • チルト(上下回転):対応(−5〜+20度)
  • スイーベル(左右回転):非対応
  • ピボット(縦回転):非対応
  • 高さ調整:非対応
  • 消費電力:48W(通常時),1.1W以下(スタンバイ時)
  • サイズ:643(W)×230(D)×445(H)mm
  • 重量:6.8kg
  • 保証期間:3年(※パネルおよびバックライト含む)
  • 発売日:2015年11月下旬
  • メーカー想定売価:5万9800円(税別)

アイ・オー・データ機器 公式Webサイト


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