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印刷2016/05/24 18:59

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カヤック開催のセミナー「ゲームの売上を継続的にあげ続けるための事例共有会」聴講レポートを掲載。実際の施策を例にユーザーコミュニティの重要性を提示

 カヤックは2016年5月23日,「ゲームの売上を継続的にあげ続けるための事例共有会」と題したセミナーを東京都内で開催した。このセミナーでは,同社がサービスを提供しているスマートフォンゲームコミュニティ「Lobi」の運用データから見たユーザーコミュニティの重要性が示され,具体的な事例の紹介もなされた。本稿ではその聴講レポートをお伝えしよう。


第1部:広告トレンドに見るゲームの売上を継続的にあげ続けるための2つのポイント


カヤックの「Lobi」ディレクター 浜岡範光氏
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 セミナーは2部構成となっており,第1部では,「Lobi」のディレクターを務めるカヤックの浜岡範光氏より,ユーザーコミュニティの形成と課金率/継続率の相関関係などが示された。

 浜岡氏の示したデータによると,Lobiのユーザー属性は,男性が7割で女性が3割。16〜25歳が全体の37.1%,26〜35歳が23.6%を占めるという。ユーザーのうち約半数が1日あたり3時間以上ゲームをプレイし,スマホゲームに月1回以上課金する人は53.2%とのこと。さらにその中で1万円以上の課金するユーザーが約33%と,課金率,課金額ともに高い数字が出ている。

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 その理由を浜岡氏は「Lobiがコミュニティサービスだから」と説明し,ユーザーがコミュニティの中でやり取りする情報を大きく3つに分類した。
 まず1つめは,ゲームの攻略情報や自慢(ガチャの結果報告)である。2つめは,ユーザー各自の所持するキャラクターに合わせたパーティ構成の相談。3つめは,ゲームの中だけでつながるフレンドの募集だ。つまり,Lobiでは実際にゲームをプレイしている人達が情報交換を行っている,ゲームに対するモチベーションの高い人達のコミュニティだというわけである。

ユーザーの継続率を高めるために提供しているLobiの無料サービスも紹介された
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 ここで浜岡氏は,App AnnieとAppboyのデータを引用し,スマホゲームのダウンロードの大半がリリース直後に集中する傾向にあることや,リリースから90日後には5%程度のユーザーしか残らないことを示した。
 こうした状況の中で重要となるのは「エンゲージメント」,すなわちユーザーを早期に囲い込み,かつ離脱しても復帰しやすり状況を作り出すことだと浜岡氏は話す。

 浜岡氏は「事前登録で入ってきた人は,投資回収が非常に早いロイヤリティの高いユーザーである」とし,またリリースから日数が経過するほど1ユーザーあたりの獲得コストが高くなっていくと指摘。そのため,早い段階でコアなユーザーにリーチするとともに,彼らが継続してゲームをプレイする状況をいかに作るかが,大きな課題になっているとする。

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 それでは具体的にどうすればいいのか。浜岡氏は,Twitterが公表した「ゲーム仲間をフォローしている人ほど課金ユーザーである率が高い」というデータを引き合いに出し,「ユーザー同士を“どうつなぐか”が,収益面に大きな影響を及ぼす」と説明。
 実際Lobiにも,「早い段階でユーザー同士の結びつきを作りたい」「リリース直後からユーザー同士のコミュニケーションがある程度取れている状況を作りたいので,リリース前から公認コミュニティを利用したい」というスマホゲームメーカーからの問い合わせが増えているそうだ。

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 たとえば,ダウンロード数10万前後のとあるスマホゲームタイトルでは,Lobiの記事広告を経由してダウンロードしたユーザーの継続率/ARPU/課金率は,いずれも自然流入したユーザーよりも高くなっているとのこと。とくに継続率は,日数が経過するにつれてその差が大きくなる傾向にあるという。
 さらに,Lobi経由で事前登録をしたユーザーの定着率は,App Store / Google Playから流入したユーザーの2〜5倍という高い定着率となることも示された。

 もう一つのポイントである,離脱したユーザーをいかにして呼び戻すかについては,Lobiの公認コミュニティを活用することが挙げられた。

 Lobiのアプリでは,公認コミュニティからのお知らせをプッシュ通知で知らせることが可能で,1日に何度でも無料で利用できるとのこと。つまり,Lobiを利用しているユーザーが公認コミュニティに登録していれば,ゲームを離脱してもゲームのアップデートやキャンペーンなどの最新情報を提供できるというわけだ。
 アプリ単体で考えると,ゲームから離脱したユーザーがプッシュ通知をオフにしてしまうと,リーチする手段がなくなってしまう。しかしLobiの場合,複数のコミュニティに登録しているユーザーは少なからずいるので,たとえ一つのゲームを止めたとしても,ほかのゲームのためにサービスを継続して利用することが多い。そのため,ゲームを離脱したユーザーにもプッシュ通知が届きやすいというわけだ。
 ちなみに,Lobiで公認コミュニティとなる条件を満たせば,管理権限を持ったアカウントが付与され,1日に何度でもプッシュ通知を無料で送信できるとのこと。

LINEの公式アカウントから「ブレイブ フロンティア」のプッシュ通知を送信した場合に,起動率が平均18%上昇したというApp Apeのデータも示された
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 それでは,公認コミュニティに多数のユーザーを呼び込むためにはどうすればいいのか。浜岡氏は,単純に導線を作っただけではユーザー数は限定的なものに留まってしまうとし,「どこにコミュニティリンクを貼るか」「どうインセンティブをつけるか」の2つが重要だと指摘した。

公式サイトやTwitter,LINEとLobi公認コミュニティを連動させる各社の取り組みも紹介された
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 浜岡氏が勧めるコミュニティリンクの設置場所は,「ゲームトップ画面」「ガチャ結果画面」「ゲームオーバー画面」の3つだ。
 ゲームトップ画面に関しては,そのゲームのユーザー全員が必ず見るものなので高い効果が期待できる。
 ガチャ結果画面は,初心者が「このキャラは当たりかどうか」「今後育成・強化する価値はあるのか」という質問をすることが多いことに由来している。こうした質問は,質問者が何を知りたいのかが明確であるため,回答者も丁寧に答えるケースが多く,結果としてコミュニケーションが活性化するという。
 ゲームオーバー時はユーザーが離脱しやすいポイントの1つなので,たとえば「ゲームの攻略法について相談しよう」「ゲーム仲間を見つけよう」といったボタンを用意することで,離脱を防ぎつつコミュニティに誘導できるとのこと。

 また,コミュニティにユーザーを呼び込むためには,ユーザーに対するインセンティブ(意欲の刺激)も必要となる。たとえば,ミッション報酬やシリアルコード配布の仕組みがあれば,「公認コミュニティに登録する」という課題を達成したら,その報酬としてゲーム内アイテムを提供するという手法が取れる。そういった仕組みがないゲームでも,「公認コミュニティのユーザー数が一定に達したら,全員にプレゼント」といった形で提供する手法があると浜岡氏は述べた。

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 浜岡氏は,これらのポイントに留意するかどうかで,Lobi公認コミュニティへの流入率はDAU(Daily Active User)で5%から50%と,大きな振り幅で変動すると説明していた。
 ゲーム内のリンクを貼る場所が悪かったり,インセンティブがなかったりすると,流入率が低いそうだ。逆に,リンクを貼る場所もインセンティブも効果的なタイトルでは,コミュニティ内で先行ユーザーが初心者を導くような,理想的な流れが形成されることもあるという。


第2部:コミュニティ育成により成長し続けるゲーム事例


 第2部では,ユーザーコミュニティの形成方法と,それがどうゲームに影響を与えるのかといった具体的な話を,ゲストスピーカーが説明するという内容だ。登壇したのは,エイリム 代表取締役社長 兼「ブレイブ フロンティア」プロデューサーの高橋英士氏と,カヤックで「ぼくらの甲子園!ポケット」のプロデューサーを務める綿引啓太氏の2人だ。

エイリム 代表取締役社長 兼「ブレイブ フロンティア」プロデューサー 高橋英士氏
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 高橋氏のセッションは,「コミュニティを活用した,ユーザーがユーザーを育てる仕組み作り」というもので,「ブレイブ フロンティア」で実施した「ブレイブ フロンティア公認グループ管理人総選挙」という企画を例にプレゼンテーションを行った。

 この企画は,ユーザーをLobiの公認コミュニティ管理人として任命するというもので,それをユーザー投票によって選んだという。運営側から出されたミッションを管理人とユーザーが協力して達成すると,ゲーム内アイテムがプレゼントされる。

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 選挙では,立候補者120人の中から20人まで絞り込み,最終的にはゲームのトップランカーが管理人に当選した。なお,投票利用規約同意者は3562人とのこと。運営が提示した第1弾ミッションは「期間内にLobi公認コミュニティのユーザー数を増やす」という内容だったが,1日あたりのコミュニティ参加者が3倍になるという結果を残したそうである。

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 高橋氏は,この企画を実施した背景として,まず「ブレイブ フロンティア」がリリースから3年近く経過しているタイトルであることを挙げた。長期にわたって運用が続けられてきた同作では,単なるコンテンツの追加や機能強化だけでは抗えない「飽き」があるとのこと。そのため,通常とは違った刺激が求められるわけだ。
 また,ニコニコ生放送やYouTube,SNSなどで運営が活動を続けてきたことで認知が高まっていることや,今まで醸成されてきたコミュニティを強化する狙いもあったという。
 高橋氏は,長期運用コンテンツではユーザーコミュニティ形成は非常に重要な要素であり,データだけでは測りきれない価値があるとし,「ユーザーを第2の開発者として,尊重し,ともに歩もうとする姿勢が大事」とまとめた。

 「ブレイブ フロンティア」がユーザーコミュニティ形成のために行ってきた施策は数多い。2年間に及ぶ生放送の配信,オフラインイベントの開催,飲食店とのコラボレーション,Lobiの録画機能「REC SDK」を使ったユーザー投稿コンテスト,ゲームに登場するユニットの人気コンテスト,LINEの公式アカウントなど,高橋氏曰く「やれるものは,ほぼやってきました」という。
 一方,Lobiの「ブレイブ フロンティア」公認コミュニティでは,とくに何もしていないとのことで,「公認だから」という理由で集まったユーザー同士が,互いにコミュニケーションを取る場になっているという。

 高橋氏は,以前フィーチャーフォン向けのゲームを手がけていた頃からユーザーコミュニティを重視していたとコメント。また自身も1人のゲームユーザーとして,攻略サイトなどを利用しており,同じゲームを遊んでいる人同士のつながりの楽しさと重要性を理解していると話した。
 高橋氏は,それを象徴する言葉として,Aiming代表取締役社長である椎葉忠志氏の「ゲームに飽きても,友達には飽きない」という言葉を引用していた。

 高橋氏がユーザーコミュニティの形成において大事にしていることは,ユーザーが「自分だったらこう運営するのに」と一家言を持つような状態に持っていくこと。「ブレイブ フロンティア」では,上記のようにさまざまな施策を展開してきた結果,意図せずそういう状態になったが,ロイヤリティの高いユーザーが増えたことはありがたいことだと話していた。

 最後に高橋氏は,今回紹介した各種の取り組みは,普通の会社なら経営陣や営業担当などから「そんなことにコストを掛けるのか」と意見されやすいだろうと話した。しかし,それに対して「規模の大小やサービス期間の長さとは関係なく,どんなエンターテイメントでも必ず好きになってくれる人がいる。それを心のなかに留め置いて,『だからやるんだ』と歯を食いしばってやっている」と,コミュニティの重要性を再度強調してセッションをまとめた。

カヤック「ぼくらの甲子園!ポケット」プロデューサー 綿引啓太氏
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 続いて,カヤックで「ぼくらの甲子園!ポケット」のプロデューサーを務める綿引啓太氏が,「最高の友情ゲームを作るためのLobiの活用事例」と題したセッションを行った。
 「ぼくらの甲子園!ポケット」のコンセプトは「最高の友情体験をゲームで提供する」。ここで言う友情とは,「ユーザー同士の友情」と「運営とユーザーの友情」の2つを指し,両者を実現するために,どのようにLobiを活用しているかが,このセッションで紹介された。

 まずユーザー同士の友情については,グループチャットの活用例が示された。
 「ぼくらの甲子園!ポケット」は,最大15人のユーザー(の分身となるキャラクター)で高校野球のチームを結成し,甲子園優勝を目指すという,GvGタイプの対戦ゲームである。優勝を目指すにはチームメンバー同士のコミュニケーションが必須となるため,ゲーム内には「チームチャット」が実装されている。

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 「ゲーム内にチャット機能があるなら,Lobiを利用する必要はないのでは?」という疑問も生ずるが,綿引氏によるとその答えは「No」とのこと。その理由は,「GvGゲームのユーザーは規模の異なる複数のグループに所属しており,それぞれで交流するためのチャットが必要だから」だという。
 「ぼくらの甲子園!ポケット」の場合,大きく分けてチーム,地区ブロック,リーグ,ゲーム全体という4つのレイヤーが存在し,ユーザーは,所属チームを通じてこれら4つのグループに所属していることになる。さらに,大会の開催ごとにプレイヤーが所属チームを変えられるため,チームを渡り歩くというプレイスタイルが浸透している。
 しかし,チームチャットに参加できるのは所属メンバーのみなので,チームを離れたユーザーとの交流であったり,他チームへの売り込みや募集であったりといった形には向いていない。かといって,それぞれのレイヤーに合わせたチャット機能をゲーム内に用意するのは,技術面やコスト面などで難しいところがある。

 そこで,Lobiを活用するのだと綿引氏はアピール。実際Lobiでは,ゲーム全体の話題を扱う雑談をはじめ,リーグの募集情報,地区ブロック内での交流など,用途に応じた388ものグループチャットが作られているそうだ。ユーザーが記者となって甲子園大会をレポートしたり,ドラフト形式でチームを作って大会に挑むユーザーグループがあったりと,新しい“遊び”も生まれているという。

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 また,綿引氏は,プライベートチャット機能を利用すれば,所属チームを変えても過去のチームメンバーと交流できると説明。実際,そのような形で利用しているユーザーも数多くいると話した。ユーザーから募集した「友情エピソード」には,Lobiのプライベートチャットを利用している話も多いという。

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 運営とユーザーの友情については,公認コミュニティの活用事例が示された。
 「ぼくらの甲子園!ポケット」の運営では,公認グループでユーザーとの交流を行っている。当初は,マネージャーの「あかねちゃん」というキャラクターが書き込んでいるという設定で,ユーザーの投稿に返信するなどしていたが,この手法はスタッフの負荷が大きいと綿引氏は語る。

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 コミュニティが大きくなればすべての声への反応はできなくなるが,一部の声に反応しないと不満が生まれることがある。不具合が発生したときなどには,うかつな発言はできないので活動自体を自粛するはめになることもある。いわゆる「SNS疲れ」のような辛い状態に陥ってしまうわけだ。

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 そこで綿引氏は,Lobiのスタッフに相談して機能を追加してもらい,「お知らせグループ」を新たに設置する。投稿できるのは運営だけで,ユーザーは「ぐー」か「ぶー」のみできるという仕様で,双方向性を弱めた形だ。また,他グループでの書き込みは止めて,運営からの情報発信はお知らせグループに一元化した。これにより,負荷をかなり軽減できたとのこと。
 綿引氏はこの件から,情報を拾い上げて改善するというサイクルを続けていくことが重要だと実感したという。

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 ユーザーと直接顔を合わせて交流することも重要だと綿引氏は考えているとコメント。「ぼくらの甲子園!ポケット」では,ユーザー参加型イベントの「ぼくポケ会議」を3月に開催したが,こちらはお祭り的なものではなく,ゲームをよりよいものにするためのアイデアをコンペ形式で募るという,文字通りの“会議”である。
 綿引氏は,運営とユーザーが一緒になってゲームを作っていくというスタンスが,互いの友情を深めていくうえで,大きな役割を担っているとまとめ,セッションを締めくくった。

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セミナーの最後に,Lobiの「マルチプレイヤー マッチング機能」が紹介された(関連記事
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