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印刷2016/11/29 13:35

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優勝候補の選手が次々と予選落ちに。Hearthstone世界選手権グループステージの観戦レポートをお届け

 2016年10月26日から11月5日にかけて,オンライン対戦カードゲーム「Hearthstone: Heroes of Warcraft」PC / iOS / Android)の世界選手権が開催された。各地域の予選を突破した計16名によって競われるこの選手権は,当然ながら世界最高レベルの舞台であり,波乱が起きつつも,見応えのある試合が目白押しだった。本稿では,そんな世界選手権におけるグループステージの模様を,国際大会や日本選手権での入賞経験もある筆者の目線でレポートしてみたい。

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採用率100%となったシャーマンとドルイド。しかしながら勝率は微妙な結果に


 初めに,出場者の予選リーグでのデッキから振り返っていこう。各選手が持ち込んだデッキのリストは,海外のデータベースサイト「HearthPwn」まとめられているので,そちらを参照していただきたい。

 ここで注目したいのは,いずれの選手もシャーマンとドルイドを採用しているという部分だ。とくにシャーマンは,そのデッキパワーの高さが頭ひとつ抜けているという前評判もあってか,5Hero1Banというルールで行われた今回の試合では,シャーマンがBanされるケースが非常に多く見られた。

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 もっとも,実際の結果を見てみると,活躍が目立ったのはメイジ,ウォリアー,ローグの3ヒーローだ。予選の成績を見ると,ウォリアーは21-16で勝率は56.7%,メイジは20-16で勝率は55.5%という好成績を残している。理由としては,それぞれのデッキパワーの高さもあるが,とりわけウォリアーの場合は,苦手とするローグの採用率が低かった影響が大きい。
 今回ローグを採用したプレイヤーは,Pavel選手JasonZhou選手Handsomeguy選手ThijsNL選手の4名だったが,Pavel選手以外の3名は,同じグループステージ内で潰し合い,残りのグループにはローグがほとんどいないという状況だった。
 このことからウォリアーは,グループステージにおける勝ち組と言ってもいいヒーローだろう。ローグ自体も,採用率の低さで出番は少ないながらも,8-5で勝率61.5%というヒーロー中トップの勝率を残している。これらのヒーローが結果を残したのは,最大勢力であるシャーマンに対して相性が比較的良かったことも一因している。

コントロールウォリアーは比較的シャーマンに対して相性が良いデッキ。シャーマンがトップメタの現環境では有力な選択肢になり得る
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 一方で,その高い採用率の割に良いパフォーマンスを残せなかったのがシャーマン,ドルイドだ。シャーマンは12-15で勝率が44.4%,ドルイドは27-34で勝率が44.2%と,いずれも低い成績に終わっている。もっとも,シャーマンはほとんどの試合でBanされ,Banされなかった試合,つまりシャーマンをあえてBANしなかった相手に対してこの成績なので,多少差し引いて見る必要があるだろう。
 むしろ注目すべきはドルイドで,すべての出場プレイヤーが採用し,シャーマンほどには対策されていなかったにもかかわらずこの成績である。採用されていたデッキはほぼ「マリゴスドルイド」と呼ばれるものだが,今回の結果は大会でマリゴスドルイドが最善の選択肢ではないことを感じさせるものとなった。

本大会ではあまり振るわなかったドルイド。採用率100%だったが,このパフォーマンスを見て,今後の大会ではドルイドを採用しないプレイヤーも出てくるだろう
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優勝候補のThijsNL選手,handsomeguy選手が共に予選落ちする波乱の展開


 試合の結果でとくに注目したいのは,グループAである。EU地域最強との呼び名が高かったオランダのThijsNL選手と,アジア地域最強と目されていた韓国のhandsomeguy選手が共に1回戦で破れ,ルーザーズトーナメントで両者が激突することになったのだ。

 また,1回戦でのThijsNL選手vs.Jasonzhou選手の試合は,ThijsNL選手が普段なら絶対しないようなミスも見られた。どういったミスなのかというと,Jasonzhou選手が1ターン目に出した「怪盗紳士」に対して,ThijsNL選手は2ターン目にコインからの「覆面の女ハンター」と秘策を共にキャストすることで対応するのだが,この時,手札にあった「狙撃」「凍結の罠」「帽子から猫」という秘策をすべて設置してしまったのだ。
 その結果,凍結の罠で手札に戻された怪盗紳士が再び場に出され,そこに狙撃が発動……といった具合に,1体のミニオンで秘策2枚があっさり処理されてしまう。ThijsNL選手は3-4で敗退し,ルーザーズのグループに落とされてしまった。

 しかし,普段のThijsNL選手ならば,決して凍結の罠を設置するというミスを犯さなかっただろう。トッププレイヤーでもミスをする世界選手権の重圧,そして恐ろしさというものを,この一戦からあらためて感じ取ることができた。

手札は理想的だったが,凍結の罠で怪盗紳士を戻してしまうまさかのミス。トッププレイヤーでも世界選手権の重圧の中ではミスをしてしまうのだ
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 同じくhandsomeguy選手もCydonia選手に破れ,ルーザーズは優勝候補最右翼であったThijsNL選手とhandsomeguy選手の2人の激突という結果に。この戦いでは,激戦の末handsomeguy選手がThijsNL選手に4-3で勝利するも,次戦で再び当たったCydonia選手に4-1で破れ,優勝候補の2人が共に敗れるという大波乱となった。逆にいえば,今回の大会ではそれだけレベルの高いプレイヤーが揃っており,世界選手権出場プレイヤーの平均的なレベルの高さを証明する結果になったといえるだろう。

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16歳の若手米国プレイヤー・Amnesiasc選手の見事なパフォーマンス


 ほかのブロックでもハイレベルな試合が多数行われたが,とくにグループCでのAmnesiasc選手の活躍にはぜひとも言及しておきたい。米国代表のAmnesiasc選手は16歳という本大会最年少の若手プレイヤーなのだが,その実力は折り紙付きである。
 一番初めに開催された冬季の米国選手権を勝ち抜き代表となった彼は,初戦で当たった台湾のYulsic選手を4-2で撃破。続く2回戦でウクライナのDrHippi選手を4-1で撃破といった具合に,この世界選手権本選においても,非常に高いパフォーマンスを見せ,あっさりとグループ予選を通過したのだ。

 そんなAmnesiasc選手だが,試合の中でも非常にうまいプレイングが目立った。なかでも,DrHippi選手との初戦となるテンポメイジvs.シークレットハンターの試合では,Amnesiasc選手の「マナ・ワーム」「ミラーイメージ」からの展開が面白い。DrHippi選手は前述の動きに対して秘策を置くのだが,Amnesiasc選手はその秘策をすぐに処理せず,持久戦に持ち込んだのだ。
 そして,ミラーイメージで出てきた挑発ミニオンをDrHippi選手にじっくりと処理させてから,攻撃をしかけて爆発の罠を解除し,攻撃力7まで育ったマナワーム2体で14点のダメージを与え,次のターンでのリーサルへつなぐという流れを見せた。このプレイに限らず,16歳の若手とは思えない老練な動きは,配信を見ていた多くのプレイヤーを湧かせた。

うかつに攻撃してしまうと,伏せられた爆発の罠によってダメージを食らってしまうシーン。しかし,amnesia選手はあえて攻撃をせず,ミラーイメージの挑発ミニオンも充分に活用した後に罠を踏むという老練の技を見せる
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グループステージ突破者は北米が最多の3名! ついでEU&中国,アジアという結果に


 グループステージを突破した地域別の割合は,下記の結果となった。

米国地域:Amnesiasc選手(米国),Cydonia選手(カナダ),HotMEOWTH選手(米国)
EU地域:DrHippi選手(ウクライナ),Pavel選手(ロシア)
中国地域:Jasonzhou選手(中国),Hamster選手(中国)
アジア地域:CheOnsu選手(韓国)

 最多となったのは米国地域で,前述のAmnesiasc選手を含む3名のプレイヤーがベスト8に進出。次いでEUと中国が2名ずつ,アジアが1名といった形になった。やや米国がリードとはなったが,全地域からベスト8出場者が出るというのは,各地域に実力者が揃っているということを示す結果といえるだろう。

「Hearthstone: Heroes of Warcraft」公式サイト

「Hearthstone: Heroes of Warcraft」ダウンロードページ

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