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「Hearthstone」の日本春季選手権が横浜で開催。アジア太平洋春季選手権の切符を手にしたのはJako1910選手に
会場となったDMM VR THEATERは,ホログラフィックを用いたライブイベントに利用される施設であり,さまざまな演出を立体視で楽しめるのがポイントだ。
今回のHearthstoneにおいては,ステージ手前の両サイドに,各選手の選択ヒーローが透過度の高い映像として表示され,その奥にある巨大スクリーンに試合の様子を映し出すことで,3Dシアターならではの立体感が演出されていたのが印象的だった。
オンライン予選を勝ち抜いたプレイヤーが,2日間に渡って熱戦を繰り広げた日本春季選手権だが,本稿では2日目に行われたJako1910選手vs.Tredsred選手による決勝戦にフォーカスして,その内容をお届けしていこう。ちなみに,2日目のルールは,5ヒーロー1BANのコンクエスト形式(7戦4本先取)となっている。
決勝はTredsred選手vs.Jako1910選手。その一部始終をレポート
日本春季選手権の決勝戦は,オンライン予選から通して大会中全勝と圧倒的な勢いを見せ,“ラスボス”とも呼ばれたTredsred選手と,18歳という若さでこの決勝まで勝ち残ってきたJako1910選手の戦いとなった。前日のBest of 5方式で行われたDay1では3-0でTredsred選手が一度勝っているので,Jako1910選手がリベンジを狙うといった格好になっている。
選択ヒーローは,Tredsred選手がウォリアー,ドルイド,ハンター,シャーマン,ローグ。Jako1910選手がウォリアー,シャーマン,メイジ,ウォーロック,ドルイドの5ヒーロー。このうち,Tredsred選手はJako1910選手のウォーロックをBAN。一方,Jako1910選手はTredsred選手のハンターをBANした。Tredsred選手のウォーロックBANはDay1からの一貫した戦略で,ZooウォーロックをBANで消すというもの。対するJako1910選手の構成は,従来であればウォリアーBAN戦略の構成ではあるが,Tredsred選手のウォリアーが海賊ウォリアーであることを知っていたが故のハンターBANとなった。
第1試合はTredsred選手のローグvs.Jako1910選手のウォリアー。Jako選手のウォリアーはテンポウォリアーであるため,相性的にはややローグ有利であるが,大きな相性差はないマッチアップだ。
Tredsred選手の手札は,墓荒らしと3マナミニオンがあり,マリガン自体は悪くなかったものの,ローグとしてはあまり取りたくない先攻側なうえ,除去スペルがないといった部分に不安が残る。一方のJako選手はミニオンこそ手札に集まっているが,烈火の戦斧が引けずといった感じだ。
序盤は,Jako1910選手の展開した泡を吹く狂戦士に対して,Tredsred選手は大地の円環の遠見師で対抗。ここでJako1910選手は思い切って,血を霊液にから止めの一撃で大地の円環の遠見師を除去しスライムを出す。さらにTredsred選手が対抗策として出した墓荒らしをコルクロンの精鋭で相打ちに取るなどして,泡を吹く狂戦士が順調に強化されていく。
業を煮やしたTredsred選手は,ここでガジェッツァンの競売人をキャスト。段取りから昏倒を唱えて盤面を除去するも,返しのターンにJako1910選手が出したコルクロンの精鋭でガジェッツァンの競売人を除去されてしまう。その後は,お互いがリーサルダメージを狙う展開になるが,死憎悔いのグールで泡を吹く狂戦士のアタックを12まで強化したJako1910選手の攻勢が勝り,1戦目をものにする結果となった。
第2試合は,Tredsred選手のドルイドvs.Jako1910選手のシャーマン。デッキタイプはヨグマリゴスドルイドとミッドレンジシャーマンの対決で,ややミッドレンジシャーマン側が有利のマッチアップである。
序盤はJako1910選手がアージェントの従騎士,トーテム・ゴーレムとテンポ良くミニオンを展開するが,Tredsred選手も1ターン目のコイン&野生の繁茂から2ターン目には練気,アジュア・ドレイクという好調のムーブ。お互い序盤から均衡状態が続いたが,6ターン目にJako1910選手がタスカーのトーテム師&地底よりのものからストームフォージド・アックスを装備したところで,若干盤面がJako選手に傾く。
これに対して,Tredsred選手もガジェッツァンの競売人を出して対抗するが,武器とライトニングストームで除去されてしまう。しかし,7ターン目にソーリサン皇帝をキャストして手札のコストを軽減した後,8ターン目にTredsred選手は2枚目のガジェッツァンの競売人を出しつつ呪文で盤面を除去し,一気に状況は逆転。体制の立て直しは難しいと判断したJako1910選手は,そのまま投了し,2戦目はTredsred選手の勝利となった。
第3試合はTredsred選手のウォリアーvs.Jako1910選手のシャーマン。デッキタイプは海賊ウォリアーとミッドレンジシャーマンで,ややミッドレンジシャーマンが有利のマッチアップだ。
序盤から一気に攻めたいTredsred選手は,アップグレード!で武器を装備しつつ,コインからサー・フィンレー・マルグルトンをキャスト。ウォーロックのヒーローパワーを選択しつつ,断続的に攻めていこうという姿勢だ。この動きを受けてJako1910選手は,防戦一方となってしまったものの,ライトニングストーム2発でなんとか盤面を捌く。その後,地底よりのものをキャストしたため,Tredsred選手の攻勢が一度そこで止まってしまうことに。その後にJako1910選手が,ミニオンを並べた状態で血の渇きから一気にリーサルダメージを叩き出し,白星を手にした。
第4試合はTredsred選手のウォリアーvs.Jako1910選手のヨグトークンドルイド。このマッチアップはヨグトークンドルイドがやや有利といえる。
序盤,Tredsred選手はサー・フィンレー・マルグルトンからウォーロックのヒーローパワーをピック。一方のJako1910選手は,練気コインから1ターン目に古代地の番人を出すという最高の動きを見せる。さらに,練気滋養からマナブーストをしつつ,妖獣の激昂で泡を吹く狂戦士を除去し,4ターン目には旧神のささやかな灯でウィスプを7体展開。これで一気に盤面を握る形になった。さらにダメ押しとばかりにヴァイオレット・アイの講師をキャストし,そのまま押し切る形でJako1910選手が優勝にリーチをかける。
第5試合はTredsred選手のローグvs.Jako1910選手のフリーズメイジ。マッチアップはフリーズメイジが大幅有利となり,ローグをどこかで突破しなければならないTredsred選手にとっては苦肉の選択といえるだろう。
序盤,Jako1910選手はブラッドメイジ・サルノス,苦痛の侍祭を展開してドローを進める一方で,Tredsred選手はコインから墓荒らしをキャストし,早めにフリーズメイジの体力を削ろうとする。これに対しJako1910選手は終末予言者のキャストで時間稼ぎを試みるが,Tredsred選手はこれをしっかりと除去しつつ,次のターンで追加の墓荒らしをキャスト。さらなる攻勢を狙う流れだ。
しかし,6ターン目にJako1910選手はソーリサン皇帝をキャストし,手札のマナコストを下げることに成功する。これに対し,Tredsred選手はダメージ呪文が手札になかったため,たまらず昏倒でソーリサン皇帝を手札に戻す。さらに,ガジェッツァンの競売人をキャストしてドローを進めるが,Jako1910選手は再度ソーリサン皇帝をキャストし,さらに手札のマナコストを下げていく。
この時点でJako1910選手の手札にはダメージ呪文が少なかったため,引いてきたカードによってはTredsred選手にワンチャンスあったが,先にリーサルの準備を整えたJako1910選手に体力を削りきられてしまい,勝ちを譲る結果に。4-1でTredsred選手に見事リベンジを果たしたJako1910選手が,優勝トロフィーとアジア太平洋春季選手権の切符を手にした。
優勝したJako1910選手は,本大会を振り返って「フリーズメイジに助けられた」とコメント。「heidrunさんに教わったフリーズメイジで恥じるようなプレイはできない」と,フリーズメイジを使うことに対する心構えを熱く語っていた。また,アジア太平洋選手権への意気込みを尋ねてみたところ「全勝してBlizzconに行きます」と即答。日本代表としての今後の活躍に期待が高まるところだ。
「Hearthstone: Heroes of Warcraft」公式サイト
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(C)2017 BLIZZARD ENTERTAINMENT, INC.
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