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「Dota 2」の決勝戦で台北の夜が熱く燃えた。国際ゲームトーナメントBeat IT 2014をレポート
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印刷2014/11/04 20:53

イベント

「Dota 2」の決勝戦で台北の夜が熱く燃えた。国際ゲームトーナメントBeat IT 2014をレポート

出場選手とゲストが勢揃いしたBeat IT開会式の様子
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 2014年11月1日と2日にわたって,MSI主催の国際ゲームトーナメント「MSI Beat IT 2014 Grand Finals」(以下,Beat IT)が台湾台北市の商業施設「ATT 4 FUN」にて開催された。この大会は,「Dota 2」部門と「StarCraft II」部門が行われ,賞金総額は11万3500米ドル(約1271万2000円),Dota 2の優勝チームには280万円以上,StarCraft IIの優勝者には112万円の賞金が授与されるというものだ。世界120以上の国や地域で行われた予選を勝ち抜いた選手達が,連日深夜にまで及ぶ激しい戦いを繰り広げることとなった。
 多数の試合が同時に行われたため,すべての試合を観戦することはできなかったので,本稿ではDota 2部門に絞って熱戦の様子をレポートしたい。

イベントのオープニングでは,台湾の人気タレントである張景嵐さん(左写真中央)がイベント大使として登場。さかんにフラッシュを浴びていた
Dota 2 Dota 2


勝者2チームと敗者復活の2チームが準決勝に進出する

変則的トーナメント


 Beat ITのDota 2部門には,世界中から集まった8チーム計40名が参戦した。欧州予選を制した世界ランキング13位のロシアチーム「Virtus.PRO」(以下,Virtus)を初めとして,同17位の北米チーム「Na'Vi North America」(以下,Na'Vi),同18位の中国チーム「LGD.CDEC」(以下,CDEC)といった強豪チームが参戦。そのほかにも,中東予選を勝ち抜いたレバノンのチーム「Wired Gaming」,オーストラリア予選の勝者「Team Immunity」(以下,Immunity)といった具合となっている。

Dota 2部門参戦8チームの一覧
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 Beat ITのトーナメントは,ちょっと変わった方式で行われた。一般的なトーナメントであれば,ベスト8の8チームが2チームずつ計4試合(※Round 1および2)を行い,その勝者4チームが準決勝へ進むという選出方法になるだろう。しかしBeat ITでは,準々決勝の勝者4チームはさらに2チームずつでRound 3を戦い,ここでの勝者2チームが準決勝に進出する。それに加えて,Round 1〜3の敗者による敗者復活戦も行われて,これに勝ち抜けた2チームもまた準決勝に進出する機会が得られるという,ダブルエリミネーション方式になっていた。
 簡単にいえば,1回だけなら負けても敗者復活戦で勝ち上がれば準決勝に進めるというわけだ。

 さて,そんなベスト8だが,以下のような組み合わせで対戦が始まった。

ベスト8の対戦表
Round 1 Aグループ Na'Vi 対 Virtus
Round 1 Bグループ CDEC 対 Bravado Emotion
Round 2 Aグループ Rave 対 Wired Gaming
Round 2 Bグループ Immunity 対 Insidious Idol

 試合は最初から真剣勝負。5人で構成される1チームは全員がヘッドセットを付けて音声チャットで会話できるようになっているのだが,試合が白熱してくると,大声で仲間に指示を飛ばしたり叱咤したりするチームもあるほどだ。

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中国代表のCDEC(写真左側)は,試合中も大声で指示を飛ばす気合いの入った戦いを見せた。なお,PCはMSIが用意したものだが,キーボードやマウスは選手が持ち込んだものである
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多くのチームはヘッドセットを使った音声チャットで会話をしているが,中東代表のWired Gamingは,試合前や一時中断の短い時間にも,全員が集まっては戦術の確認を繰り返していた。

 ベスト8の戦いでは,まずRound 1でVirtusがNa'Viを,CDECがアフリカ予選勝者のBravado Emotionを破ってRound 3進出を決定。続いてRound 2では,RaveがWired Gamingに,Immunityが東南アジア予選を通過したシンガポールのチームInsidious Idolに勝利して,Round 3へと駒を進めることとなる。
 筆者はスケジュールの都合でRound 1途中からの観戦となったのだが,集団行動のうまいImmunityが,食い下がるInsidious Idolとの1時間近い戦いを制して勝ち上がった一方で,Raveは40分もかけずにあっさりと勝利しており,ランキング上位の力を示していた。

メインステージでは,中央の大スクリーンを挟んで左右のボックス席にそれぞれのチームが分かれて試合を行う。Round 3では,左のボックスにVirtus,右にはRaveが入った
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 準決勝進出チームを決める試合は最大3戦が行われて,先に2勝したチームが翌日の準決勝に進めるという形式となっていた。会場中央のメインステージで行われたRound 3の一試合では,ロシア代表のVirtusとフィリピン代表のRaveが対戦する。Dota 2の世界ランクではVirtusのほうが上であるものの,Raveもかなりの強豪チームとされており,筆者は内心,「これが事実上の決勝戦になるかもしれないな……」などと思ったほどだ。
 ところが,戦いが始まってみると終始Raveは優勢に戦いを進め,Virtusを2回連続で破ってあっけなく勝利を決めてしまった。対戦後の勝利者インタビューでも,Raveの選手はまだ余裕が感じられる様子だ。

Dota 2 Dota 2
メインステージでの戦いは,Raveがほぼ終始優勢にゲームを進めて2連勝(左)。試合後の勝利者インタビュー(※青いTシャツの女性はインタビューワー)でも,どこか余裕が感じられる受け答えをしていた

 別ステージで行われたRound 3のもう1試合は,中国代表のCDECが準決勝へと進出。また,その後行われた敗者復活戦では,Virtusが見事復活を遂げたほか,豪州代表のImmunityも復活戦を制して準決勝へと駒を進めることとなる。


フルセットの死闘が相次ぐ準決勝

Round 3勝ち抜け組がまさかの敗退


 翌11月2日は,準決勝メインステージがVirtus対CDEC,別ステージではRave対Immunityの試合が行われた。準決勝もまた,先に2勝した方が決勝進出という方式だ。筆者は今回もメインステージを観戦することとした。

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メインステージで対戦するVirtusの選手(左)とCDECの選手(右)。Virtusのほうが大舞台慣れしている様子で,CDECは緊張気味
Dota 2 Dota 2
別ステージでは,前日早々に準決勝を決めたRave(左)と,敗者復活戦を勝ち上がったImmunity(右)が対戦

Virtus対CDEC第1試合のチーム構成。ちなみにメインステージの画面表示は中国語で,会場内で聞こえる実況音声も中国語だったので,筆者はひたすら画面を注視し続けるはめに
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 第1試合は,VirtusがDire側(マップ右上から始まる赤軍),CDECがRadiant側(同じく左下から始まる緑軍)となって,お互いが慎重に戦いを進める形で始まった。互いのヒーロー(プレイヤーが操作するキャラクター)が接近して戦闘になっても,どちらかが引けば一方も深追いはしないし,破壊すべき建造物のタワーを攻撃していても,相手方のヒーローが近づいてくると撤退することが多い。かなりスローペースでのスタートだ。

 それでも,Virtusが攻め込んだところをCDECが守るという形で試合が動きを見せ始める。そして,マップ中央付近での戦闘で,Virtusのヒーロー3人をCDECが撃破。その勢いで,CDECはミッドレーン(マップ中央のルート)を一気に攻めてVirtusのタワー3とバラックを破壊して優位に立つ。その後もCDECがVirtusの陣地を攻め続けて,本陣であるAncientに攻め込もうかというところで,システム障害で試合が中断してしまう。協議の結果,優勢だったCDECの勝利が決まった。

試合開始後45分以上経過したところで,5対5の大戦闘でCDECがVirtus側を3人撃破(左)。そのまま勢いを維持したCDECが攻め続けて(右),そのまま判定勝ち
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Virtus対CDEC第2試合のチーム構成
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 続く第2試合は,CDECがDire側,VirtusがRadiant側で試合開始。今回も,おおむねVirtusが攻め,CDECがそれを防御して反転攻勢を狙うという形で推移する。戦闘はほとんど互角といった具合で,一進一退の攻防が続く。

 しかし,今回はVirtusがミッドレーンのバラック前で起こった戦闘で,CDECのヒーローを一時的に全滅させることに成功する。5人が一団となってミッドレーンを進んでいたVirtusに対して,CDECはそのときミッドレーンに3人,左右のレーンに1人ずつという分散した状況にあったのが決定的だった。CDEC側もすぐに左右から戻ったものの間に合わず,逆に各個撃破されることとなってしまったのだ。
 これで勢いに乗って攻め続けるVirtus。CDECは必死に防戦するが,そのまま押し切られる形で敗北を喫した。これで1勝1敗のタイとなり,次で決勝進出者が決まることに。

激しい戦いでCDECのヒーローが一時全滅(左)。Virtusはそのまま攻めの勢いを維持して押し切った。チームの表情にもようやく笑顔が(右)
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Virtus対CDEC第3試合のチーム構成
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 第3試合は,VirtusがDire,CDECがRadiant側という第1試合と同じ配置でスタート。今回はVirtusが優勢に進める一方で,CDEC側は攻めきれないという展開で進む。ややスローペースで展開していた試合は,お互いのヒーローが育った中盤以降になると,激しい戦いの連続となる。大戦闘のたびに互いが何人もヒーローを倒され,戦績ではVirtusが上回るものの,タワーを壊した数ではCDECのほうが優勢といった状況だ。

 ゲームが進み,お互いのバラック近辺で戦闘が繰り広げられるようになってしばらくしたところ,RadiantのAncient目前で行われた戦闘で,CDECは何人もの犠牲を出す。所持金を払って復活(バイバック)するなどして,なんとかこの時は防ぎきったものの,Virtusが立て直して再び攻撃してくると,今度は耐えきれない。そのままVirtusが2勝目をあげて,決勝戦に進出を決めた。

お互いがバラックまで攻められるという激しい戦いだったが,Virtusの攻勢にCDECが耐えきれなくなって勝敗は決した
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 一方,別ステージで行われていたRave対Immunityの試合は,こちらも第3試合までもつれ込む死闘の末にImmunityが勝利を収めていた。試合中,Immunityの選手は大声で互いを鼓舞しており,「NICE!」「KILL THEM!」といった叫びが会場中に響き渡るほど。試合終了後には肩を叩いて仲間の健闘を祝している様子が印象的であった。

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試合中は厳しい表情で怒声をあげることもあったImmunityの選手たちだが,死闘を制して決勝進出をつかみとると,さすがにいい笑顔が見られた


決勝戦はロシア代表対豪州代表

攻めの姿勢が勝利の鍵となる


 2時間ほどの休憩を挟んで,いよいよ決勝戦が始まる。決勝戦は先に3勝したチームが優勝という方式で,最大5試合連続で戦うことになるという厳しいものだ。決勝に進出したVirtusとImmunityは,どちらも敗者復活戦に勝っての準決勝進出であるため,前日にも4試合以上を戦っているはずで,かなり疲労も募っているだろう。世界ランク13位のVirtusに対して,Immunityは43位と格下ではあるが,もはやここまで来るとランクの上下など関係ない。

決勝戦に臨むVirtus(左)とImmunity(右)の選手達
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Virtus対Immunity第1試合のチーム構成
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 決勝戦第1試合は,VirtusがDire側,ImmunityがRadiant側で始まった。驚いたことに,試合は序盤からヒーロー同士が激突して殺しあうという展開。相手のタワー破壊などお構いなしといった具合に,激しいキルの取り合いが続く。最初のタワーが壊されたのは,ゲーム開始後16分も経ってからだったが,その後もタワー破壊よりキルの取り合いが続く。
 両者の戦いを見ていると,Immunityのほうが戦闘では一枚上手のようで,ヒーローのキル数では大きく優位に立っている。数人のヒーロー同士で遭遇戦が起こっても,大抵勝つのはImmunity側だ。

 序盤こそVirtusがタワー破壊で先行する様子もあったが,その後は終始Immunityが優勢に試合を進めていく。防戦するVirtus側は各個撃破される様子が目立ち,うまく守れていない。Immunityはそのまま勢いを維持して,40分程度で勝利を決めた。

個々の戦闘ではImmunityのほうが明らかに強い。キル数に2倍以上の差を付けて圧勝した
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Virtus対Immunity第2試合のチーム構成
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 戦闘におけるImmunityの強さと勢いがそのまま持続されるのかが注目された決勝戦第2試合。今度はImmunityがDire側,VirtusがRadiant側で試合開始である。
 開幕早々からキルを取り合った第1試合と打って変わって,今度は静かな出だしで始まった。お互いに直接戦闘は避けて,ヒーローの育成に注力して戦いに備える様子だ。

 互いのヒーローがある程度育った段階で戦闘が始まり,Virtus側がやや優勢にタワーを破壊していく。Immunityがトップレーンの敵タワーを狙えばVirtusが素早く防戦したり,Virtusがボトムレーンのタワーを狙おうとするとImmunityはトップレーンとミッドレーンに同時攻撃をかけて,その意図をくじいたりといった具合で,一進一退の攻防が続いていく。

 試合はVirtusが押し気味に進めて,Immunity側のボトムレーンにあるバラックの片方まで破壊に成功する。Immunityはトップレーンから攻め込んで,防戦にきたVirtusの3人を各個撃破するものの,Virtusの1人がボトムレーンから侵攻する動きを見せたために,それ以上の攻撃を諦めて防戦に回ることに。それからしばらくはImmunityがAncient手前で防御を固め,Virtusが簡単に手出しできない状況になる。戦闘ではやはりImmunityのほうが上手なようで,Virtusも攻めあぐねているようだ。

Dota 2 Dota 2
Virtusは積極的に敵陣に殴り込んでいく(左)。一方のImmunity側は,戦闘では勝利することが多いものの(右),先にバラックを崩された弱みもあってか,Virtus側が1人でも自陣奥に近づく様子を見せると全員で退却する。筆者はここが1つのターンニングポイントだったように思う

 状況が大きく動いたのは,ミッドレーンとボトムレーンの間で起こった戦闘で,Virtus側が3人を失ったときである。敵側の攻勢が止まった隙に,Immunityはボトムレーン側にいる中立モンスター「Roshan」を倒してアイテムを手に入れようとしたのだが,そこに体勢を立て直したVirtusが襲いかかったのだ。立て続けにImmunity側を倒したVirtusは,守りの薄いボトムレーンから速攻をかけて,ボトムレーンとミッドレーンのバラックを破壊することに成功する。
 Immunity側はなんとかそれ以上の破壊を阻止したものの,再び攻め込んできたVirtus側が大量のクリープ(※AI操作のザコ兵士)と共に押し寄せてきたときには,捌ききれなくなってしまう。ヒーロー同士で戦っている間に,クリープの大群がImmunity側の建物を攻撃し,大乱戦の中でAncientが破壊されてしまったのである。これで両チーム1勝1敗だ。

Virtus対Immunity第3試合のチーム構成
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 わずかな休憩を挟んだだけで,決勝戦第3試合は始まった。今度はまたVirtusがDire側でImmunityがRadiant側だ。
 序盤から積極的に前へと出てくるVirtusに対して,Immunity側は少し慎重に構えている様子だ。ヒーロー同士の戦いも1対1では仕掛けず,数的優位を作るまで待つといった動きをしていた。そのため,Virtus側が攻め込むことのほうが多いのだが,そのたびにImmunity側の反撃にあって撃退されていくという状況が続いていく。

戦闘には強いImmunityだが,タワーを壊せなければ勝利は得られない。写真の戦闘でもタワーも攻め落とせぬまま撤退することに
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 だが,Virtus側の攻撃が積み重なっていったことで,Immunity側はすべてのレーンでタワー1を破壊されてしまう。Immunityも戦力を集中してVirtus側に攻め込むものの,Virtusが自陣に攻め込んでくるとすぐに撤退してしまうので,攻略が進まないのだ。
 Virtusが攻め込んでタワーを攻撃すると,Immunityが反撃してVirtusのヒーローを数人倒して撤退させる。こうしたやり取りが続いていくうちに,Virtus側は前線を敵陣側で押し上げていくことに成功する。こうなると,Immunity側は相手のタワーを攻めようにも前線との距離が開いてしまうので,逆襲に攻め込んでも敵が戻ってきてしまい攻めきれないのだ。

ボトムレーンでの攻防。Virtusは犠牲を厭わず攻撃に出て,タワーにダメージを与えていく。これが決定的な局面で効くのである
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 そうした状況が続くなか,一旦攻め込んだImmunity側が後退していくところを,Virtusが襲いかかって複数人を倒すことに成功。勢いに乗ったVirtus側は,ミッドレーンのタワー3に攻めかかる。そしてすぐには破壊できないとみるや,事前に攻撃してダメージを与えていたボトムレーンのタワー3側へと,目標を素早く切り替えた。これがうまく当たり,ボトムレーンのタワー3とバラックの1つを破壊することに成功して突破口を切り開く。
 一時退却するVirtus側を,今度はImmunity側が追撃して4人を倒すものの,敵陣まで攻め込むことはできない。その後もVirtusがボトムレーンからの侵攻を狙う構えを見せるので,Immunityはなかなか攻撃に転じられないでいる。

 Immunity側もトップレーンから攻勢に出たりはするのだが,Virtus側のヒーローを数人倒しはしても反撃で損害を受けると転進してしまうので,Virtusのタワーを攻略できない。そのうちに,Virtusがボトムレーンに残るバラックも破壊してしまい,再びクリープの大群を前に出す作戦ができるようになる。Immunityは防衛戦に徹してVirtus側を大きく上回るキル数をあげるものの,攻勢に出られなくなってしまう。
 第3試合を象徴するシーンに見えたのは,Virtus側がミッドレーンのタワーとバラックを狙ったときである。Immunity側の反撃でVirtus側は4人が倒されたのだが,相手がすぐには攻勢に出てこないことが分かっていたのだろう。3対1という不利な状況でVirtusのヒーローが単身その場に留まって戦い続けることで,10数秒の時間を稼いだのだ。わずかとはいえ貴重な反撃の時間を失い,Immunityは敵陣まで届かない……

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ミッドレーンに攻め込んだVirtusがタワーを破壊(左)。撤退するところをImmunityが攻撃して優位に立つものの,敵の反撃が遅いことを見抜いていたVirtus側は,1人に敵を引きつけさせて立て直しの時間を稼ぐことに成功する(右)

 その後もVirtus優位の状況は変わらず。ミッドレーンでの遭遇戦でImmunity側を数人倒すのに成功すると,Virtusは一気に攻勢をかけて敵の建造物を次々と破壊。必死に防戦しようとするも各個撃破されたImmunityが降参して,ついにVirtusが勝利を収めた。キル数では上回りながら,Immunityは守備的になりすぎて敗北してしまったわけだ。これでVirtusは2勝1敗で優位に立つ。

Virtus対Immunity第4試合のチーム構成
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 こうして迎えた第4試合は,ImmunityがDire側で始まる。朝から観戦し続けているだけの筆者も,この頃には頭痛を感じるほど疲労してきた。連戦する選手達は相当に疲れているはず。

 第3試合は守備的になりすぎたと反省したのだろう。Immunity側は序盤から集団で行動してキルを取るなど,先ほどよりは積極的に見える。先にタワーを破壊したのはVirtus側だったが,Immunityもかなり攻撃的な動きを見せてVirtusのヒーローを倒していく。
 とはいっても,戦闘で互いに消耗したときは,Immunityのほうが早く引くという傾向は変わらないようだ。たとえば,VirtusがRoshanを狙ったところにImmunityが攻撃をかけたときも,3:2で優位な状況にあったのにも関わらず,Virtusが引くのに合わせてImmunityも撤退してしまうのである。

ミッドレーンのタワー1を攻めるImmunity。しかし,状況が変わるとすぐに撤退・転進してしまうので,タワーを壊しきれないでいる
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 Virtus側は各レーンでタワーを攻撃し,Immunity側のタワー2までを破壊することに成功。Immunityはキル数こそ圧倒するものの,またしても守勢に立たされてしまった。しかし,Virtusもさすがにタワー3までは攻め込めず,ここで一旦は小休止的に互いの攻勢が止まる。Immunityは攻勢に転じようとしてVirtusのヒーローを次々と倒していくものの,なかなかタワーを壊すだけの時間を稼げない。

 局面が動いたのは,試合開始から47分後のこと。ミッドレーンのタワー3を狙ったVirtusをImmunityが反撃して2人倒すのだが,Virtus側はそこで撤退したりはしなかった。踏みとどまって戦い,消耗したImmunity側を逆に全滅させたのだ。Immunity側はバイバックなどでなんとか立て直すものの,Virtusは消耗しても撤退せずに,その場で戦い続ける。
 そしてボトムレーンのバラックを破壊したVirtusは,そのまま敵地の奥まで侵攻。復活するImmunity側を片っ端から倒す作戦に出た。こうなると攻撃する側のほうが圧倒的に有利で,Immunity側は復活する側から倒されるという苦しい展開に。そして立て直せなくなったImmunity側が降参したことで,決勝戦は見事Virtusの勝利に終わった。

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攻めどきを見極めるとVirtusは簡単には引かない。踏みとどまって戦い続けることで,Immunity側を圧迫し続ける
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敵陣深くに踏みとどまって復活した敵を倒し続けるVirtusの前に,Immunityはついに降参を意味する「gg」を発した!

優勝チームに贈られるトロフィーを掲げるVirtusのメンバー。笑顔は晴れやかだが,さすがに疲労の色が見られる
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 筆者の目には,第3試合でImmunityがカウンター攻撃に戦術を切り替えたこと,これが大きな分かれ目になったように思える。ヒーロー同士の戦闘ではImmunity側のほうが強かったにも関わらず,反撃のタイミングが遅く徹底もしていなかったためVirtus側に攻め込めなかった。もしかしたらその直前,第2試合の終盤でVirtusの攻撃を受けて蹴散らされたときに,警戒感を強く持ってしまったのかもしれない。
 いずれにせよ,戦えば強いにもかかわらず数的優位にない戦闘を避けた結果,Virtus側に攻め込む時間と意欲を与えてしまったことが,第3試合におけるImmunityの敗北につながったように思う。そして,守備的意識からの切り替えができないまま,第4試合でもVirtusの強い「攻め」の意識に屈してしまったのではないだろうか。Immunity側が反撃に出たときに強い攻めの意識を示せていたら,結末は違っていた可能性は少なくない。

 2日間にわたる連戦を戦い抜いたVirtusとImmunity。決勝戦が終わったあとには両チームとも疲れ切っていたはずだが,表彰式の後に行われたサイン会に,1人も欠けることなく出席していたのが強く印象に残った。
 願わくば格闘ゲーム以外のゲームでも,こうした国際的な場でプロとしての実力とプライドを示せるような選手・チームが,日本からも登場してくることを期待したい。

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4時間以上に及ぶ連戦を戦い抜いた直後にサイン会に応じろというのは相当にきついだろうが,勝者も敗者もプロ意識を持ってファンサービスに応じていた

MSI Beat IT 2014 Grand Finals 公式Webサイト(英語)

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