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GeForce GTX 400
  • NVIDIA
  • 発表日:2010/03/26
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GeForce 400シリーズの今後は? 慎重に進むNVIDIAのGPU投入計画を整理する
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印刷2010/05/31 10:48

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GeForce 400シリーズの今後は? 慎重に進むNVIDIAのGPU投入計画を整理する

 NVIDIAのFermiアーキテクチャに何が起こっているのだろうか? グラフィックス業界では,「Fermiは早すぎたのかもしれない」という声が聞こえ始めている。

GeForce GX 480
GeForce GTX 400
 Fermiアーキテクチャ初の製品である「GeForce GTX 480」(以下,GTX 480)は,GF100コアが内蔵する512基のCUDAコア中,32基を無効化した形で市場投入された。当初,この決断はGF100を製造するTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)が抱える,40nmプロセス技術の歩留まり問題への対策と見られてきたが,NVIDIAに近い関係者は,「もう一つ,重要な要因が隠れている」と指摘する。
 「Fermiアーキテクチャが持つ処理効率のよさが逆にアダとなって,消費電力を低減しにくくなっている」(同関係者)ことが,Fermiアーキテクチャを採用した下位製品の開発にも大きく影を落としているのだという。


消えた45Wの謎


GF100コア,フルスペック版のブロックダイアグラム
GeForce GTX 400
 ここに一つ興味深い話がある。それは「GTX 480の消費電力は,当初,295Wだった」というものだ。もちろんこれは,512基のCUDA Coreがすべて有効になったときの値であり,実際,正式発表の数週間前にグラフィックスカードベンダーから情報を得ていた国内の流通関係者や,SI業者も同じ値を耳にしていたという情報を掴んでいる。
 ところが,読者もご存じのように,正式発表されたときの公称最大消費電力は250W。PCケースベンダーが躍起になって開発していた“GTX 480専用PCケース”も不要ということになった。

 では,295−250=45Wの45Wは,どこに消えたのだろう? GF100では,32基のCUDA Coreをまとめて「Streaming Multi-Processor」(以下,SM)を構成するので,32 CUDA Core=1SMということになるが,512 CUDA Core,すなわち16SM)中,たった1SMが減った程度で,45Wもの省電力化を実現できるはずがないのだ。
 もし1SMが45W消費するなら,15SM仕様のGTX 480は,CUDA Coreの消費電力だけで675Wに達してしまうわけで,ここには当然,コア&シェーダクロックやメモリクロックの低減,動作電圧の引き下げといった手が打たれたはずだが,それで説明できる規模を超えた引き下げ幅でもある。そのため,「NVIDIAはGTX 480で,GF100が持つポテンシャルの70%も引き出していないのではないか」と見るグラフィックスカードベンダーは少なくない。

GPCのクローズアップ
GeForce GTX 400
 Fermiアーキテクチャでは,4基のSMごとにラスタライズユニットなどを組み合わせた「Graphics Processing Cluster」(以下,GPC)を構成している。16SM仕様となるGF100の場合,GPCは4基ということになり,このクアッドGPCという構成によって,CUDA Coreの処理効率を飛躍的に高めているというのは,「西川善司の3Dゲームエクスタシー『“クアッドコアGPU”GF100の概要』」で語られているとおりだ。

 しかし,この点について,グラフィックスベンダーの開発者は疑問を呈している。いわく「GPCが効率よく働きすぎて消費電力が跳ね上がったため,GTX 480では,4基のGPUをひとまとめに動かしたり,2基を一つのクラスタとして動かしたりして,SM当たりの処理効率を落とし,それによって消費電力を大きく引き下げたのではないか」。
 もちろんこれは,グラフィックスカードベンダーの開発者による“仮説”に過ぎず,その点は注意が必要だが,筆者の取材では,ほかのベンダー関係者からも,同様の見解を聞くことがあったので,この点は付記しておきたい。

 NVIDIAに近い立場である彼らが,このような話をし出した背景には,NVIDIAが彼らに「これから2年かけて,Fermiアーキテクチャの完全なパフォーマンスを引き出していく」と説明して回っていること,そして,2010年5月29日の記事でも指摘した,TSMCの28nmプロセス立ち上げの遅れがある。
 NVIDIAからしてみれば,「TSMCが予定どおり,2010年内に28nmプロセスを立ち上げられれば,製造プロセスのシュリンクで対応できる」という目論みが外れた,ということなのだろう。ただ,嘆いたところでTSMCの28nmプロセス移行が2011年以降にズレ込んだのは覆しようがない。2009年末の時点だと,COMPUTEX TAIPEI 2010のタイミングでFermiアーキテクチャのミドルクラスモデルを投入するつもりだったと言われていたNVIDIAは今,それを含めた,製品戦略の大幅な見直しを求められている。


2010年6月1日時点のロードマップを整理する


 では現在,NVIDIAのロードマップはどうなっているのかというと,大手PCベンダー関係者によれば,Fermiアーキテクチャのエントリーモデルを2010年第3四半期中に市場投入できるよう,準備を進めているところだという。

NVIDIAのデスクトップPC向けGPUロードマップ
GeForce GTX 400

 巷で「GF108」とも呼ばれているエントリーGPUは,2基のSP,すなわち64 CUDA Coreを実装したモデルで,メモリインタフェースは128bit(GDDR5)になるようだ。

 もっともNVIDIAは数年前から,情報のリーク元を特定できるよう,初期のロードマップでは,グラフィックスカードベンダーやOEM/ODMベンダーごとに異なるコードネームを伝える手段を講じており,実際,本エントリーモデルについても,いくつか異なるコードネームを耳にした。今回は,情報源が特定されないよう,その具体例を挙げることは避けるので,ご了承願いたい。

 一方,NVIDIAが,ミドルクラス市場向けGPUと,GF100の新リビジョンの開発を進めていることは,業界内では周知の事実だが,このうち,「GeForce GTS 250」の後継となる前者については,「現時点では,第4四半期半ばの投入予定」と,複数の関係者が口を揃えている。
 「GF106」と呼ばれることもあるこのGPUコアは,256 CUDA Core(8SM,2GPC)を搭載し,GDDR5の256bitインタフェースを採用する製品で,その設計はノートPC向けGPUと共通になる計画だったようだ。しかし,同GPUコアも「ターゲットとなる消費電力を大幅にオーバーしてしまっており,見直しが図られた結果,現在のスケジュールになっている」(複数の関係者)という。

 一方,GF100コアの新リビジョンに関しては,CUDAコアを削った派生品が投入される可能性があると,グラフィックスカードベンダー関係者が指摘している。その根拠となっているのは,NVIDIAが,カードベンダーのオリジナルデザイン版を市場投入できるよう,「GeForce GTX 470」開発キットの提供を始めたのに対し,GTX 480についてはその兆しがないこと。新リビジョンの投入に合わせて,カードデザインにNVIDIAの手が加えられる可能性が高い,というわけである。
 また,NVIDIAは,512 CUDA Core仕様のフルスペック版GF100カードを市場投入する計画も捨てていないとも言われており,ハイエンドモデルの今後は,最終製品が登場するまでに,二転三転する可能性が残っている印象だ。

 総じて,「順調な立ち上がり」とは言えないGF100だが,実のところ,グラフィックス業界関係者のFermiアーキテクチャに対する評価は非常にポジティブだ。AMD陣営からも,「とても理にかなったアーキテクチャ」と賞賛する声はよく聞かれる。
 しかし,いいアーキテクチャが成功するとは限らないのも,この業界の常。これから市場投入されるはずのミドルクラス製品がどういったデキで登場するかによって,Fermiアーキテクチャが現在のグラフィックスカード市場にマッチしたものかどうかが判断されると見て間違いない。

 このことは,NVIDIAも十分理解している。だからこそ,NVIDIA陣営のカードベンダーが「夏商戦に売るものがない」と悲鳴を上げるなか,慎重過ぎるほど慎重に,製品開発を進めているのだ。
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