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  • 発表日:2010/03/26
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印刷2010/01/23 23:48

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NVIDIAの秋葉原イベントレポート。「GF100はどんなGPUよりも速い」

会場は,秋葉原のPC系イベントでお馴染みのカフェソラーレ・リナックスカフェ秋葉原店
画像集#002のサムネイル/NVIDIAの秋葉原イベントレポート。「GF100はどんなGPUよりも速い」
 2010年1月23日,NVIDIAは東京・秋葉原で,「NSIST ON NVIDIA〜やっぱりNVIDIA〜」と題するエンドユーザー向けイベントを開催した。
 北米時間1月7〜10日に米ラスベガスで開催された家電関連製品見本市「2010 International CES」(以下,CES)におけるNVIDIAの発表内容から,「NVIDIA 3D Vision」(以下,3D Vision)が中心に据えられていた本イベントだが,今回は,4Gamer読者に興味深いと思われる話題を中心にレポートしてみたい。


「GF100はどんなGPUよりも速い!」


画像集#003のサムネイル/NVIDIAの秋葉原イベントレポート。「GF100はどんなGPUよりも速い」
NVIDIAのエンドユーザーイベントといえばこの人,柔らかい物腰の福田 登氏)NVIDIA日本オフィス チャネルセールスマネージャ)
画像集#004のサムネイル/NVIDIAの秋葉原イベントレポート。「GF100はどんなGPUよりも速い」
NSIST ON NVIDIAのマーク。日本語では「やっぱりNVIDIA」としても訴求される
 イベントでは,NVIDIAの福田 登氏が,まず「NSIST ON NVIDIA」というタイトルについて言及した。以前からNVIDIAの公式Webサイトなどでも掲げられていたものなので,目にしたことのある人は多いと思われるこのキーワードだが,NSISTは,「主張する」という意味の英単語「Insist」をベースに,NVIDIAっぽく「In」を「N」で変形したもので,「『NVIDIAの主張』といった意味になる」(福田氏)という。

 英語を母国語としていない我々日本人には今ひとつ分かりにくいコトバだが,広報担当者によると,それゆえ「やっぱりNVIDIA」という副題を付けたのだとか。公式な訳語……とまでは言わないものの,全世界で展開されるNSIST ON NVIDIAというキーワードキャンペーンは,こんな意味だと憶えておくのがいいかもしれない。

NVIDIA日本オフィスでも屈指のPCゲーマーであるスティーブン・ザン氏(NVIDIA日本オフィス テクニカルマーケティングエンジニア)
画像集#005のサムネイル/NVIDIAの秋葉原イベントレポート。「GF100はどんなGPUよりも速い」
 さて,NVIDIAといえば,注目されているのは,なんと言っても次期GeForce,「GF100」(開発コードネーム)である。
 GF100の解説に当たって登壇した同社のスティーブン・ザン氏は,GF100で採用されるFermiアーキテクチャが,汎用コンピューティングに最適化されたものだと2009年秋に紹介されたことを受ける形で,「FermiはGPGPUに優れたGPUと聞いていた人もいると思う。だが,NVIDIAはゲームを忘れてしまったのかというと,そんなことはない。大間違いだ」と断言。GF100で強化される四つのポイントを挙げ,そのなかでもジオメトリ性能の強化について力を入れて解説した。

GF100はゲームをターゲットにしたGPUだとザン氏はアピール。その理由はスライドに示された4点にあるとのことだ
画像集#006のサムネイル/NVIDIAの秋葉原イベントレポート。「GF100はどんなGPUよりも速い」

PolyMorph Engineに搭載するテッセレータでポリゴンを分割して増やし,ディスプレースメントマッピングを使ってディテールを作り込むといった手法を使うとザン氏
画像集#007のサムネイル/NVIDIAの秋葉原イベントレポート。「GF100はどんなGPUよりも速い」
 「ここ数年で,シェーダのパフォーマンスは150倍ほどになったが,ジオメトリパフォーマンス――ポリゴンを描画する能力は3倍にしかなっていない。そこを(DirectX 11でサポートされた)テッセレーションのおかげで,次のステップへ踏み出せるようになった。GF100では,PolyMorph Engine(ポリモーフエンジン)の搭載によって,ジオメトリ性能は『GeForce GTX 285』と比べて8倍になっている」(ザン氏)。

 また氏は,「(プレイヤーの視点から)近いキャラクターはポリゴンを増やしてディテールの細かいモデルを作り出し(てリアルに表現し),遠くにいるキャラクターはポリゴンを増やさない(で描画負荷を下げる)というように,(ゲームにおいて)ディテールとパフォーマンスのバランスを調整できる」と,テッセレーションの効用を説く。
 1月18日の記事でお伝えしているとおり,GF100では,32基のCUDA Coreを軸とした「Streaming Multiprocessor」(ストリーミング・マルチプロセッサ,以下SM)と呼ばれる単位ごとに,1基のPolyMorph Engineを搭載する。512基のCUDA Coreを搭載するGF100において,PolyMorph Engineは16基搭載されることになるわけだが,この点についてザン氏が「前世代の製品を改良して,テッセレーションエンジンを一つだけ付けたようなGPUには絶対に負けない」と強調していた点についても注目しておきたい。

 ちなみに,ザン氏の元には昨日,GF100の実機が届いたとのこと。実際に動作させてみたそうだ。実にうらやましい話だが,氏は利用した印象から「どんなGPUよりも速い!」と実感を込めて語っていたので,その実力には相当期待できそうである。
 ただ,いつごろ手にはいるかについては「すでに量産に入ってるので,お楽しみに」と述べるに留めていた。この点は,「第1四半期中」(※NVIDIAの2010年第1四半期は2〜4月)とされたCESから,とくにアップデートされていない。


GeForce GT 200の「ちょっといい話」や

3画面立体視「3D Vision Surround」のデモも


GeForce GT 240/220は,サウンドコントローラを内蔵するほか,H.264形式ビデオストリームの2系統同時出力もサポートする
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 このほか,グラフィックスカードに関連した話題としては,2009年11月に市場投入されたGeForce GT 200シリーズについて,福田氏から「単に従来のエントリークラスGPUを置き換えるだけの製品ではない」という説明がなされた。その理由として挙げられたのが,HDビデオ周りのスペック強化である。

 なかでも,H.264フォーマットの高解像度ビデオストリームを二つ同時に再生できるのはキモとも言える部分で,Blu-ray 3Dの再生には本機能のサポートが必須となるだけに,「Blu-ray 3Dの再生に対応できるのはGeForce GT 240とFermi(世代のGeForce)だけ」だと氏は強調していた。

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「CUDA対応のアプリケーションの一部はNVIDIAのサイトから体験版のダウンロードが出来るのでぜひ試してほしい」と福田氏は会場に詰めかけたユーザーに呼びかけていた。DirectX 10対応GeForceのユーザーには特典もあるようだ
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「Adobe Flash Player 10.1 Beta 2」のハードウェアアクセラレーションを使って,IONプラットフォームを採用したNetbookからYouTube HDを再生するデモ。IONは問題なく再生できたが,一般的なNetbookはハングアップしてしまった


 CESでは,新世代IONや,Tegra 2といった製品でも注目を集めていたNVIDIAだが,今回,それらに関連した展示はなし。やや拍子抜けしたという人もいるだろうが,それでも,GF100の実機が日本オフィスにやって来ているというのは,大きなニュースといえそうだ。

国内初披露となる,Acer製の3D Vision対応24インチ液晶ディスプレイ「GD245HQ」を用いて,Blu-ray 3Dを再生するデモ。「(本製品を)日本で発売することはほぼ間違いないが,時期は未定」(日本エイサー マーケティング部 森下浩児氏)とのことだった
画像集#011のサムネイル/NVIDIAの秋葉原イベントレポート。「GF100はどんなGPUよりも速い」
 また,会場に展示された3D Vision関連のデモはいずれも迫力があった。Blu-ray 3Dなどとも連携する形で広まっていく可能性を感じさせる内容になっていたといっていいだろう。
 国内ゲーム史においては,「ファミコン3Dシステム」や「バーチャルボーイ」といった,“立体視失敗の歴史”があるだけに,3D Visionを斜に構えて見ている人も多そうだ。そればかりか,対応ディスプレイや対応メガネなど,現時点では用意すべきものが多いというのもハードルになりうる。……のだが,結局のところ,こういうのは“鶏と卵”にすぎない。
 いわゆる倍速表示に対応したディスプレイが増えてくれば,少しずつ状況も変わると思われるので,今すぐ立体視を体感したいというわけでなくても,一度は今回のようなイベントでその効果を見ておくといいかもしれない。

3台のディスプレイで同時に立体視を実現する「3D Vision Surround」のデモもイベント会場にあった。実際にプレイしてみたが,相当に迫力があり,正直に述べて面白い。立体視をナメていたかもしれない。ちなみに,3D Vision Surroundを利用するには,GeForce GTX 275以上のGPUによるSLI構成が必須になるとのこと。グラフィックスカード1枚当たりの出力が2系統までなので2枚必要という事情に加え,「性能的にもSLIが必要になる」(ザン氏)という
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