
テストレポート
実売3000円台のPSP用USBキャプチャアダプタ「USB Grabber DM231C」の実力のほどを,「剣闘士 グラディエータービギンズ」で試してみた
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PCでコンシューマゲーム機の画面撮影を行う一般的な方法としては,PCにD端子ケーブル/コンポーネントAVケーブルなどの入力に対応したPC用キャプチャカードを増設し,PCとコンシューマゲーム機を接続するという方法がある。しかしこの方法は,高価なPC用キャプチャカードの購入と増設が必要となるので,試しにちょっとやってみようという人にとってはハードルが高いだろう。
今回紹介する「USB Grabber DM231C」(以下,DM231C)は,そうした高価なPC用キャプチャカードの購入や増設の手間をかけることなく,安価で手軽に使えるPSP用USBキャプチャアダプタとして登場した製品だ(関連記事)。実売価格が4000円弱とお手ごろで,USBに接続するだけで使える手軽さがポイント。ノートPCでも使えるという点も見逃せない。
本製品は,PSPおよびソニー・コンピュータエンタテインメントのライセンス商品ではありません。本製品を使用しての,PSP本体およびPCの故障などの不具合について,筆者および4Gamer編集部では一切の責任を負いません。また,本製品を使い撮影したゲーム画面やそのほかの映像データについて,著作権者の許可なく動画投稿サイトなどへ掲載することは,著作権の侵害にあたることがありますので絶対に行わないでください。
※記事中でゲーム画像のサンプルとして,PSP用ソフト「剣闘士 グラディエータービギンズ」を使用していますが,アクワイアより本記事での使用許可を得て撮影したものです。
PSP goでは使えないが,PSP-2000/3000で利用可能
64bit版Windows 7での動作も確認
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本体サイズは,USBコネクタを備えたドングル状の本体部分が110(W)×27(D)×14(H)mm,PSPと接続するケーブル部分が175cmとなっており,1mのUSB延長ケーブルも付属しているので,通常使用に十分な長さが確保されている。
また,honestech DVRでは,PSPの外部出力映像の表示/録画ができ,静止画の撮影も可能。録画方式はMPEG-1/2/4に対応し,エンコード方式はソフトウェアエンコード。エンコード時のビットレートは,1000bps〜10000bpsまでを50bpsごとに調整可能だ。
MPEG-2エンコードで録画可能なサイズおよびフレームレートは以下のとおり。
サイズ(pixel) | フレームレート(fps) |
320×240 640×240 640×480 720×480 | 23.97 24.00 25.00 29.97 30.00 |
なお,MPEG-1録画時にはフレームレート/ビットレートの変更は行えるものの,録画サイズは320×240もしくは352×240のみが選択可能。MPEG-4では録画サイズが352×240に固定され,フレームレート/ビットレートの変更など詳細な設定はできないといった具合に,いくつかの制限が発生する。このほか,ビデオCDやDVD作成用の録画設定がプリセットされているので,用途に応じて使い分けよう。
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ちなみに,本製品のパッケージにある注意書きには,「PSP-2000ではキャプチャできるのは“ビデオ”のみ,PSP-3000では“ゲーム”と“ビデオ”のキャプチャが可能」という旨が記載されているが,結論としてはPSP-2000でもゲーム画面のキャプチャが行えた。この点については後述したい。なお,PSP goは外部出力コネクタの形状が異なるため,非対応となっている。
一般的なUSB機器の導入とほとんど変わらない手軽さで録画準備完了!
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DM231Cが認識されたら,次にhonestech DVRをインストールする。インストール手順はマニュアルに記載されているので,それに従って実行すれば問題ないだろう。たったこれだけで導入準備はほぼ完了だが,実際の使用に移る前に,念のためOSの再起動をしておこう。
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honestech DVR側での設定における注意点としては,honestech DVRのコントロールパネルにある入力設定で「Y/Pb/Pr」を選択しておくこと。ちなみに,DM231Cのマニュアルには記載がないが,PSP-3000を使用し,上記のPSPの設定で「コンポーネント/D端子出力」項目からインターレースを選択した場合は,「Y/Cb/Cr」を選択すれば映像が表示される。
また,音が正しく出ない場合は,honestech DVRの「オプション設定」を開いて「ビデオ設定」タブのメニューから,「オーディオ内部転送を使用」を選択。設定を保存してhonestech DVRを再起動することで,PSPからのサウンドが正しく入力されるようになるはずだ。
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さて,ここまでの設定ができたら,honestech DVR上でPSPの画面表示が可能となっているはず。PSPの外部出力は720×480のサイズで行われるため,honestech DVRでの表示サイズもそれに準じたものになる。実際のゲーム画面は,720×480の表示域の中央付近に480×272のサイズで表示される形になるので,ゲーム画面の周囲は黒枠になる。
表示遅延はほとんど感じられないお手軽な快適環境
表示機能としては倍率表示などが欲しかったところ
それでは,実際に録画/静止画キャプチャを試してみよう。操作は簡単で,PSPの映像をhonestech DVRに出力したら,撮りたい場面でhonestech DVRのコントロールパネルにある録画もしく静止画キャプチャボタンを押すだけ。動画を撮影しながらのプレイでも,表示の遅延はほとんど感じられず,今回テストに用いた「剣闘士 グラディエータービギンズ」のようなアクションゲームも問題なくプレイできた。
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気になる画質は,動画/静止画共に若干ぼやけた感じがあり,PSP本体で見るよりは劣化している。とはいえ,本製品の実売価格が4000円弱である点と,PSPの外部出力がアナログ出力であることを考慮すれば,十分なレベルといえるだろう。画質にこだわる人は,honestech DVRのオプション設定で,「明るさ」「コントラスト」「色合い」「鮮やかさ」の調整も可能だ(ただし,筆者の環境では「色合い」の設定が機能していないように思われた)。
やや残念に思われる点としては,honestech DVRは表示機能に関する設定が貧弱で,倍率表示や映像のクロップ(黒枠の除去)などが行えないことが挙げられる(honestech DVRのコントロールパネルには「拡大」ボタンがあるものの,押してみても実際には拡大されない……※)。黒枠の除去などは,必要であれば撮影後に加工することで対処できる問題ではあるものの,便利な機能であるだけに標準で用意してほしかったところだ。
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初出時に,本製品の拡大機能について「honestech DVRのコントロールパネルには「拡大」ボタンがあるものの,押してみても実際には拡大されない……」としていましたが,実際には「拡大」ボタンを押したあと,“表示画面上の拡大したいエリアを範囲選択すると,そのエリアを拡大しウィンドウ内全体に表示する”という機能であることを確認しました。あらためて,訂正してお詫びいたします。なお,拡大機能使用時は,録画することはできません。
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最後に,本製品の注意書きに「PSP-2000ではキャプチャできるのは“ビデオ”のみ」とあるPSP-2000での使用に関してだが,筆者が試した限りでは,PSP-2000の外部出力をプログレッシブ出力に設定すれば,ゲーム画面も普通に録画でき,音声も録音できた(もともとPSP-2000は,その仕様上ゲーム画面のインターレース出力に対応していない)。すべてのケースでゲーム画面のキャプチャが可能であるとは断言できないが,PSP-2000でのゲーム画面のキャプチャも“条件付きで可能”であることは留意しておきたい。
DM231Cは画質にはやや物足りないところがあるもの,安価なうえ比較的簡単に導入/設定が行えるという点で初心者にもハードルが低く,手軽にプレイ動画を作ってみたいという人などに,うってつけの製品といえるだろう。
現在は,秋葉原でも売り切れ続出により入手が困難になっているが,販売元のタイムリーによると,2月下旬にユニットコムの一部店舗,メッセサンオー・カオス館,クレバリー,じゃんぱらの一部店舗,東映無線,GENO,グッドウィル,コムロード,PCワンズなどに入荷予定とのこと。この機会に本製品を手に入れたいと思った人は,これらのショップをチェックしてみよう。
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