連載
インディーズゲームの小部屋:Room#580「Katana ZERO」
連休中は,部屋の掃除と積みゲーの消化に努める予定の筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第580回は,Askiisoftが開発した横スクロールアクション「Katana ZERO」を紹介する。せめて,今年買ったゲームぐらいはクリアしたい!
本作の舞台となるのは,マフィアがはびこる退廃的な近未来都市。そして主人公は,そんな街に似つかわしくない,名もなきサムライだ。彼はかつて従軍した戦争の後遺症によって過去の記憶を失い,現在は世間で“ドラゴン”の名で呼ばれる,凄腕の暗殺者としての日々を送っている。
ゲームの目的は,そんなサムライとなって暗殺の依頼を受け,指定されたターゲットを始末すること。彼には時間の流れを遅くする特殊能力があり,これを駆使して銃で武装した敵を倒していくのだ。この能力を使えば,タイミングよく敵の攻撃を回避したり,銃弾を刀ではじき返したりすることも不可能ではない。
本作の大きな魅力は,この特殊能力を使ったスピーディなアクションにある。時間の流れを遅くし,一瞬のうちに相手の懐へ飛び込んで,一刀のもとに斬り伏せるという,メリハリの利いたゲームプレイが最高に気持ちいい。しかし,こちらの能力が高いぶん,敵の攻撃も苛烈を極めており,ほんの少しのミスであっという間にやられてしまう。
そして,もう1つ注目したいのが,主人公の記憶をめぐる謎めいたストーリーだ。彼は幼少時の記憶がトラウマとなって毎晩のように悪夢を見ており,カウンセラーとの会話によって少しずつ過去が明らかになってくる。このカウンセラーやほかの登場人物との会話中に,制限時間付きの選択肢が現われ,選んだ答えによって会話の流れが変化するのも,アクションゲームとしては珍しい要素だ。
本作は何度も死んでは攻略法を見つけ出していく,いわゆる“死にゲー”だが,リトライが早いため苦にならず,華麗に敵を倒せたときの爽快感は抜群。そこに先が気になるストーリーが絡んでグイグイと引き込まれる,中毒性の高いゲームに仕上がっている。丁寧な日本語ローカライズも好印象で,ハイテンポなアクションゲームが好きな人に文句なしにオススメの一本だ。そんな本作はSteamにて1520円で発売中なので,興味を持った人はぜひどうぞ。
■「Katana ZERO」公式サイト
https://www.katanazero.com/- この記事のURL:
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