連載
インディーズゲームの小部屋:Room#493「The Shrouded Isle」
朝まで自宅で仕事して,ようやく眠りについたところで隣の家の解体工事の騒音に叩き起こされた筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第493回は,「The Shrouded Isle」を紹介する。本作は,外界から隔絶された孤島の村の司祭長となり,村人の中に隠れた悪徳の持ち主を断罪して,来たるべき審判の時に備えるという,終末カルトの管理シミュレーションだ。そろそろ,寝てもいいですかね……。
終末カルトとは,平たく言ってしまえば「1999年に人類が滅亡する」といったような,世界の終わりを信仰するカルト宗教のこと。本作の舞台となる島では,教団の創始者が予言した500年後の終末まで,あと3年に迫っており,最後の審判の日には,忠実な信者に恩恵が与えられると信じられている。しかし,そのためには村人からすべての罪を無くさなければならないという。
島内には,ケグンニ家,イオセフカ家,カドエル家,エファソン家,ジシュカ家という5つの有力な貴族の家系があり,それぞれ,無知,情熱,自制,後悔,服従を村人に広める責務を担っている。司祭長であるプレイヤーは,これらの家系から一人ずつ顧問を指名し,月に一度,誰に儀式を行わせるかを決めていく。
儀式を行う顧問は一度に3人まで指定でき,これによってそれぞれの家系に対応した村人の特性を示すゲージが増減する。例えば,ケグンニ家の顧問を選べば村人の“無知”が広まり,イオセフカ家なら“情熱”が高まるといった具合だ。しかし,儀式を行った家系は教団への忠誠心が上がる一方,儀式を行わなかった家系では不満が高まるという点に注意が必要だ。
また,彼らはそれぞれ隠された徳と悪徳を持っており,儀式を行った者が悪徳の持ち主だった場合,村人の特性が逆に下がってしまうこともある。各人物の徳と悪徳はランダムで生成され,顧問を指名する際の調査や,実際に儀式を行わせることで少しずつ判明していくので,一人ひとりがどのような人物なのかを慎重に見極めなければならない。
こうして3か月が過ぎると1つの季節が終わり,いよいよ顧問の中から生贄として捧げる人物を選ぶことになる。明らかな悪徳の持ち主が判明している場合はまだしも,そうでなかった場合はかなり悩ましい決断を迫られるのは間違いない。当然ながら,生贄を出した家系は教団に対して大きな不満を抱くようになるので,その点にも十分に配慮したい。
生贄を捧げたあとは,また新たな顧問を指名し,同じように3か月を繰り返していく。その途中で,不満が高まった家系に反乱を起こされたり,村人の特性が要求に満たなかったりして,何度も司祭長としての役目を途中で終えることになるだろう。果たして,無事(?)に最後の審判の日を迎えられるのか,ぜひ終末カルトのリーダーとして,腕を振るってみてほしい。そんな本作は,Steamにて980円で発売中だ。
■「The Shrouded Isle」公式サイト
http://www.kitfoxgames.com/shrouded-isle/- この記事のURL:
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