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インディーズゲームの小部屋:Room#488「StarCrawlers」
サマーセールとかプライムデイといった単語の誘惑にめっぽう弱い筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第488回は,Juggernaut Gamesの「StarCrawlers」を紹介する。本作は辺境の宇宙ステーション「Station Terminus IX」,通称STIXにやって来たクロウラーと呼ばれる賞金稼ぎとなり,さまざまな企業や組織からのミッションを受けて,廃棄された宇宙船や施設などを探索していくという,サイバーパンクな世界観の3DダンジョンRPGだ。うう,今年こそは絶対に無駄づかいしないぞ……(戒め)。
ゲームを開始したら,まずは自分の分身となるキャラクターを作成することになる。キャラメイクでは,ハッカー,エンジニア,ソルジャー,サイバーニンジャといった7つのクラスから選択でき,男女の性別と生い立ちも決められる。各クラスは3つのスキルツリーを持っており,戦闘や探索における役割が異なるほか,装備可能な武器や防具も違うので,じっくりと検討しよう。
本作には20以上の企業や組織が登場し,酒場で彼らからのミッションを受けて,何らかの事故が発生した宇宙船の調査や,ほかの組織のオフィスなどへの潜入,NPCの警護や暗殺などをこなしていくというのが基本的なゲームの流れとなる。ミッションに成功すれば報酬が得られ,依頼主からの評価が上がるが,潜入された側からは逆に敵視されることに。企業や組織との信頼関係が高まると特別なアイテムなどがもらえるので,どこと仲良くなるかは悩みどころだ。
酒場では,ミッションを受けるだけでなく,新しいクロウラーを雇うこともでき,最大4人のパーティを組めるが,メンバーを雇うにはお金が必要なので,最初のうちは一人で探索することになる。宇宙船やオフィスの内部は一人称視点のダンジョンとなっており,そこを一歩ずつ前進していくというクラシカルなスタイルだが,マウスで自由に周囲を見回して,落ちているアイテムを拾ったり,ロッカーの中身を漁ったり,足元の赤外線トラップを解除したりといったことができるのが特徴だ。
またダンジョンでは敵がこちらの動きに合わせて徘徊しており,これに接触するとコマンド入力式のターン制バトルに突入する。スキルを使用すると,スキルごとの待機時間が発生し,それによって敵や味方の行動順が決定される仕組みだ。もちろん,戦闘に勝利すれば経験値と戦利品を入手できる。ミッションの内容やダンジョンは自動生成され,戦闘でどんな武器や防具が手に入るかもランダムなので,より良いものを求めて繰り返し探索するのも本作の楽しみとなっている。
ミッションには,このように企業などから受注するもののほかにメインストーリーに関連するものもあり,プレイヤーの決断によって複数の結末が待っているようだ。ダンジョンRPGならではのアイテム集めの楽しさに加え,サイバーパンクな世界観を反映した個性的なスキルを駆使した戦闘が新鮮で,全体的に完成度の高いゲームに仕上がっている。そんな本作はSteamにて1980円で発売中なので,ダンジョンRPGファンはぜひどうぞ。これはなかなかハマります。
■「StarCrawlers」公式サイト
http://starcrawlers.com/- この記事のURL:
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