インディーズゲームの小部屋：Room＃343「Whispering Willows」

　夏真っ盛りだというのに部屋の中でゲームばかりしている筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第343回は，Night Light Interactiveの「Whispering Willows」を紹介する。本作は，とある呪われた屋敷で行方不明になってしまった父親を探すため，不思議なアミュレットの力を借りて屋敷を探索するというホラーアドベンチャーだ。うう，もっと夏らしいことがしたい！　例えばそう，女の子と海とか花火とか，具体的には水着とか浴衣とか，ねえ？


　主人公の少女エレナの父親は，とある大邸宅の管理人をしていたが，ある時，謎の失踪をしてしまう。その行方を探すため，父親がいたはずの屋敷にやってきたエレナだったが，そこはかつて多くの人が殺された，呪われた場所だった。果たして，エレナは無事に父親を見つけ出すことができるのだろうか……。


　というわけで，プレイヤーはエレナを操作して，いかにも何かありそうな屋敷を探索していくことに。本作は横スクロールのアドベンチャーゲームで，W/A/S/Dもしくは方向キーでエレナを操作し，何かを調べたり，アイテムを拾ったりするときはSpaceバーを使用する。ゲームパッドでの操作にも対応しているが，アクション性はほとんどないので，キーボードでプレイしても問題ないだろう。


　さて，母親の制止を振り切って家を飛び出し，人気のない屋敷に単身乗り込んだエレナだったが，突然現れた幽霊に驚いて尻餅をついた拍子に足元の地面が崩れ，地下墓地へと転落してしまう。まずはここから脱出するのが先決だ。地下墓地に落っこちたエレナは，そこで“FLYING HAWK”という名の幽霊と出会い，父親からもらったアミュレットにまつわる不思議な力について教えられる。


　FLYING HAWKの話によると，エレナの持つアミュレットには高位のシャーマンによる呪術が込められており，なんとその力を使うことで魂と肉体を分離させることができるという。つまり，いつでも自由に幽体離脱し，どこからでも一瞬で元の身体に戻れるのだ。
　幽体離脱はQキーで行い，霊体になっているあいだは人魂のような姿になって小さな隙間を通り抜けられる。道端で転んだだけで幽体離脱したり，猫のような尻尾（弱点）が生えたりはしないので，安心してほしい。


　また，青白く光るオブジェクトは霊体でも触れるため，例えば目の前の扉に鍵がかかっていて通れない場合，壁の隙間から向こう側に行き，レバーを操作して扉を開けるといったこともできる。本作の謎解きにはこのパターンが多いので，行き詰まったときは霊体で通れる場所がないか探してみよう。そして，もう一つ重要なのが，霊体になっているときは屋敷にいる幽霊の姿が見え，彼らと会話できるという点だ。


　探索中にアミュレットが青白く光ったら，近くに幽霊がいる証拠。その場所で幽体離脱すると幽霊の姿が現れ，彼らと話をすることで仕掛けを解くヒントがもらえたり，ときには頼みごとをされたりする。ただし，アミュレットが赤く光ったときは，近くに悪霊がいるサインなので要注意。悪霊に捕まってもゲームオーバーにはならないが，近くのチェックポイントからやり直しになってしまう。


　本作は一応，ジャンルとしてはホラーアドベンチャーだが，ちょっぴりドキッとするようなシーンはあるものの全体的にホラー度は低めなので，怖いものが苦手な人でも大丈夫。エレナ本体（？）と霊体という，2つの姿を使い分けての謎解きをじっくり楽しめるゲームなので，興味を持った人はぜひどうぞ。そんな本作の製品版は，Steamにて14.99ドルで発売中だ。

■「Whispering Willows」公式サイト

http://nightlightinteractive.com/whisperingwillows/