ここのところ,エアコンをつけても足元が寒くてガクブルしている筆者がお届けする「
インディーズゲームの小部屋」の第264回は,あきら小屋の
「夜光蛾5」を紹介する。本作は,ひょんなことから怪獣と戦うことになった魔族の少女・
ノークンディが主人公の横スクロールシューティング。寒ければ体を動かせばいいと思ってスクワットをしてみたが,体が温まる前に息が切れてしまった……。体力なさすぎ!
一人旅をしている途中,道端に生えていたキノコを拾い食いして腹痛に見舞われたノークンディ。そんな彼女を助けたのは,たまたま通りかかった魔族の青年・ピアクーだった。人間の女性・アルマと隠れるように住んでいるピアクーは,彼女との結婚を考えており,そのことをアルマの兄であるミズネに伝えたいのだという。そこでノークンディは,アルマが書いた手紙を,今は教会で高い地位にいるというミズネに届けてあげると申し出る。しかし,教会は魔族と敵対しており……。
魔族でありながら魔力があまり高くないノークンディ。このままでは不安だからと,ピアクーは彼女に攻撃用の魔導具
「ペニュトン」を貸し与える。このペニュトン,意識を集中させると威力が上昇するというなかなかの優れものだ。ノークンディの操作は方向キーでの移動と,右ショット/左ショットボタンによる左右への撃ち分けを行うというもの。ショットボタンは連打すると通常攻撃になり,押しっぱなしにすると前方に“ペニュトン球”が形成される。
そのままボタンを押しているとペニュトン球は徐々に大きくなり,ボタンを離すと発射される。いわゆるチャージショットと同じ要領だが,チャージ中のペニュトン球にはわずかながら攻撃力があり,敵弾を防ぐ盾にもなる。もちろん,ペニュトン球が大きくなるほど威力が増すが,敵の中にはペニュトン球を弾く殻を持つものがいるので注意が必要だ。そんなときはショットの連打で先に殻を破壊し,本体がむき出しになったところでペニュトン球をお見舞いしてやろう。
本作を語るうえで外せないのは,生物的なモチーフの禍々しい敵グラフィックスと,公式サイトの紹介文言うところの“歴戦のゲーム戦士でも舌を巻くほど”の高難度。中でも,悪夢のようなボスキャラの造形には思わず鳥肌が立つほどで,一見の価値あり。
また道中では,カマドウマやらタツノオトシゴ(?)やら,何だか分からない敵やらが,右から左から怒涛のごとく押し寄せてくるので,数々のゲームを積み上げてきた歴戦のゲーム戦士である筆者も思わず悲鳴を上げて椅子から転がり落ちた。これは難しい!
しかし,敵を倒したときに出現するコインを集めて魔法ショップで装備を購入することで,ノークンディの耐久力や攻撃力を強化できるので,じっくり腰をすえてプレイすればシューティングが苦手な人でも(たぶん)クリアできるはず。高難度ながらも,もう一度挑戦したくなる絶妙なゲームバランスになっており,時間を忘れてのめりこめる一本に仕上がっている。
公式サイトでは,ステージ2のラストまで遊べる体験版が公開されているので,興味を持った人はぜひお試しを。また製品版は,1890円(税込)にて発売中だ。
■あきら小屋公式サイト
http://akiragoya.sakura.ne.jp/bacurec/
(C)2012 あきら小屋