連載
インディーズゲームの小部屋:Room#144「ぎゃるばん!」
それはそれでかなり“Rockな”感じではあるが,実のところ本作はガールズバンド,略して“ぎゃるばん”をテーマにしたノベルゲームであり,同作の公式サイトでフリー公開されているという,ロックとギャルをこよなく愛する筆者にぴったりの一本なのだ。それにしても,ギャルという単語にはどことなく時代を感じさせる響きがありますなあ。歳のせいかもしれないけど。
その後,あれやこれやがあって軽音部に入部することになった岬が,軽音部のメンバーであるギターボーカルの「二井原 渚」,キーボードの「高崎 鮎」,ドラムの「樋口 奏」と共に,入部後初めてのライブに向けて活動するというストーリーだ。いくら“軽い音楽の部”と書いて軽音部といっても,カスタネット担当はいない。まあ,ロックバンドだしね。
ここで,岬がベースを続けられなくなった理由や,転校してきた理由をめぐって一波乱あり,岬達が無事ライブをやり遂げることができるのかがストーリーの大きな見せ場となっている。
そして本作には,もう一つの大きな特徴がある。それはhappytune(本作の制作サークルであり,ゲーム中のバンド名でもある)による数々のオリジナル曲が,ゲームの随所で使用されている点だ。これらの楽曲はゲーム内で聴くだけでなく,タイトル画面のEXTRAメニューからも聴けるようになっている。なかなかにロックな楽曲が揃っており,演奏に比べてちょっぴり素人っぽさのあるボーカルがまた,女子高生バンドらしい雰囲気をよく出している。
とりあえず,前々からシングルコイルとハムバッカーのギターが一本ずつ欲しいと思っているのだが,今この時期にうっかりムスタングやレスポールを購入してしまうと,店員さんから「この,にわかが!」などと思われてしまうんじゃないかといらぬ想像をして,ちょっと気が引けてならない……。ち,違うんだ! そんなつもりじゃないんだ! どうか信じてほしい!
とまあ,そんなことはさておき,冒頭で述べたとおり本作はフリー公開されているので,女子高生バンドの奮闘ぶりを魅力的なイラストとオリジナル楽曲で楽しみたい人は,ぜひ一度お試しあれ。なおhappytuneでは,8月13日より開催されるコミックマーケット78の2日目,8月14日に,東ケ17aスペースにて本作の音楽CDを販売するとのこと。当日,会場に足を運ぶ予定でhappytuneの音楽が気に入った人は,こちらも合わせてチェックしておこう。
■happytune公式サイト
http://happytune.info/- この記事のURL:
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