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インディーズゲームの小部屋:Room#142「Puzzle Dimension」
それはともかく,「インディーズゲームの小部屋」の第142回は,スウェーデンの独立系デベロッパDoctor Entertainmentの「Puzzle Dimension」を紹介する。
本作のゲーム内容をごく簡単に説明すると,宙に浮かんだ立体パズルの上でボールを転がし,ステージ上の「花」をすべて集めてゴールまで導くというもの。また,操作方法も実にシンプルで,方向キーでボールを動かし,途中にある隙間などをSpaceバーによるジャンプでぴょんと飛び越えるだけという簡単さ。ルールも操作方法も,これでもかというくらい分かりやすく,初プレイでもすぐにゲームに馴染めるのが本作の魅力の一つだ。
言いかたを換えると,立体構造になっているステージでボールを転がすと,それにつれてボールが接地している面を床にする形で,ステージがグルグルと回転する仕組みになっているのだ。
またゲーム内では,ボールの接地面に対して下方向に重力がかかっており,足場がない場所からステージ下に落下すると,失敗となってステージの最初からやり直しとなる。しかし,上述したように本作ではグルグルと天地が入れ替わるため,うまくステージを回転させてから飛び降りることで,“それまでは裏側だった場所”に行けるようになるというのがポイントだ。
本作では,これらすべての要素を加味したうえでステージ構造を立体的に把握し,天地をひっくり返すことで見えてくる通常ではありえないルートを見つけ出さなくてはならない。とにかくもう,あれやこれやと考えているうちに,頭がこんがらがってしょうがないゲームなのだ。しかし,ボールをコロコロと転がしていく感覚がなんとも楽しく,その昔,子どものころに工作用紙で作って遊んだボール転がしのおもちゃを思い出して,なんだかとても懐かしい気持ちになる。
本作は多少のアクション要素があるものの基本的にはパズル重視であり,時間制限やゲームオーバーも存在しないため,じっくり考えてステージをクリアできたときの爽快感はなかなかのものだ。言葉ではなかなか伝えにくいゲームだが,Steamを通じてデモ版が公開されているので,興味を持った人はまずはそちらからプレイしてみよう。また製品版も,Steamを通じて9.99ドルにて発売中。デモ版を遊んで気に入った人は,ぜひ製品版で全100ステージの立体パズルに挑戦してほしい。
■Steamの「Puzzle Dimension」紹介ページ
http://store.steampowered.com/app/57200/- この記事のURL:
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