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ノートPC用セカンダリ液晶ディスプレイはゲーマーにとって使えるものなのか。GeChic製「On-Lap1301」を試す
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印刷2012/01/21 00:00

レビュー

ノートPC用セカンダリ液晶ディスプレイを試す

GeChic On-Lap 1301

Text by Chun

On-Lap 1301
メーカー:GeChic(給奇創造)
問い合わせ先:テックウインド(販売代理店) 03-5812-6131(平日10:00〜17:00)
実勢価格:1万7000円前後(※2012年1月21日現在)
画像集#002のサムネイル/ノートPC用セカンダリ液晶ディスプレイはゲーマーにとって使えるものなのか。GeChic製「On-Lap1301」を試す
 2011年12月,台湾のGeChic(給奇創造)から,ノートPC用セカンダリ液晶ディスプレイという位置づけの製品が登場し,2011年末に国内発売された
 製品名は「On-Lap 1301」。付属の吸盤で台座をノートPCの天板に取り付けると,13.3インチワイドサイズで解像度1366×768ドットの画面を拡張できるのが大きな特徴だ。しかも,接続インタフェースは汎用的なHDMI&アナログRGB,給電はUSBでACアダプタいらずとなっているため,相当に使いではよさそうである。

 4Gamerでは,GeChicから製品版のサンプルを入手したので,これでいったい何ができるのかを考えてみよう。

On-Lap 1301を吸盤でノートPCの天板に取り付けたイメージ。詳細は後ほど
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「片方でゲーム画面,片方で情報」を実現

作りは端的に述べて安っぽい


画像集#028のサムネイル/ノートPC用セカンダリ液晶ディスプレイはゲーマーにとって使えるものなのか。GeChic製「On-Lap1301」を試す
 そもそも,なぜゲーマー向けディスプレイでもないものを取り上げるのかだが,最大の理由は,デュアルディスプレイ環境がゲーム用途でも非常に便利だからである。実際,ゲームの攻略/情報ページやコミュニティサイトなどを見ながらゲームを進めるのは,一般的……とまではいわないものの,少なくとも不自然な行為ではない。デスクトップPCユーザーのなかには,ゲーマー向けディスプレイを購入したときに余った1台をデータ表示用にしている人も多いのではなかろうか。

 ただ,同じことをノートPCでやろうとすると,いろいろ面倒がある。まず,ごくごく一般的なディスプレイ製品をセカンダリとして使おうとした場合,ノートPCの可搬性が犠牲になる。また,ノートPCと液晶ディスプレイとの間にある「物理的な高さの違い」から,2画面を見ようとすると,視線を斜めに大きく動かさねばならない事態が生じやすい。

 そこで今度はUSB接続の拡張ディスプレイが選択肢として浮上してくるのだが,こちらはこちらで,USB 2.0の帯域幅という物理的な限界から来る,反応速度や解像度,あるいは画質面の制約が少なくない。今後,USB 3.0接続の製品が出てくれば状況も変わってくるだろうが,2012年初頭の時点では,いろいろと使い方が限定されてしまうのだ。

 その点,On-Lap 1301は,「HDMI,もしくはアナログRGB接続の13.3インチ,解像度1366×768ドットの液晶ディスプレイを,ノートPC側液晶パネルのすぐ隣に拡張できる」点が大きな魅力となる。接続インタフェースが標準的なものなので,ゲームの画面は表示させられないとか,ビデオの再生を始めると画質が低下するとかいった制限も,もちろんない。少なくとも製品コンセプトは,ノートPCのセカンダリディスプレイ用途に向けて,単体ディスプレイ製品とUSB接続型ディスプレイのいいとこ取りした製品だ。

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On-Lap 1301とその付属品。接続ケーブルや吸盤のほか,日本語のマニュアルも付属している
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個体差かもしれないが,フレームホルダー部下部のスライド式カバーは建て付けが悪く,外すのはさておき,取り付けはなかなか難儀した
 というわけで製品ボックスを開けてみると,中からは,On-Lap 1301本体と専用の映像用接続ケーブル2本,ケーブルマネジメント用のプラスチック製固定具,吸盤,吸盤の固定力を増すためのシール,日本語マニュアルが出てくる。「あれ,USBは?」と思う人もいると思うが,給電用のUSBケーブルは,液晶パネルと一体化した台座「フレームホルダー」部に標準で収納済み。前面下部のスライド式カバーを外すと引き出せるようになっており,引き出した後は,フレームホルダーに合計3か所用意されたスリットを使って取り回せる。

 フレームホルダー部には,HDMIとアナログRGBケーブル用の接続端子が用意されており,映像用接続ケーブルのマネジメントはこのフレームホルダー部で完結するということになるが,少々疑問なのは,そういった仕様であるにもかかわらず,映像用接続ケーブルの収納スペースがないこと。ノートPCとOn-Lap 1301を持ち運ぶとき,映像用接続ケーブルだけ忘れる危険性があるのだ。これはなんとかしてほしかった。

フレームホルダーには,USBケーブルが収納されている。ケーブル長はUSBが577mm,HDMIが557mm,アナログRGBが602mm(※いずれも実測値)。どこのスリットから外に出すか次第だが,取り回せる距離は非常に短い。使い方次第では,いずれも延長ケーブルが必要になるだろう
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HDMIケーブル(写真左)とアナログRGBケーブル(写真右)
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 また,フレームホルダー部は,カバーの建て付けが悪くて取り付けに相当なコツが必要だったり,そもそもフレームホルダー自体がたわんでいたりするのも気になった。後者は個体差かもしれないが,何というか,あまり良くない意味での「アイデア一点突破型台湾メーカー製品」といった感じで,端的に述べると作りは安っぽい。プラスチック丸出しの外観も含め,高級感とは無縁だ。

写真で右のほうが上向きに反り返っているのが分かるだろう。実利用に問題があるわけではないが,いい作りであるとは言えない
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設置方法は大きく分けて2通り

液晶パネルの質は外観ほど悪くない


 ここまで何度か述べてきたとおり,On-Lap 1301は基本的に,吸盤でノートPCの天板と固定することが想定されている。
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吸盤にはネジが取り付けられており,しっかりとフレームホルダーに固定できる
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吸盤の吸着力を向上させる補強用シールを貼ってみたところ
 フレームホルダーには4か所のネジ穴があるので,ここにネジ山付きの吸盤を取り付け,天地を揃えてノートPCの天板に軽く押さえつけてやれば固定完了だ。

 今回テストに用いたのはサードウェーブ(ドスパラ)の15.6インチ型ノートPC「Prime Note Galleria QF560」で,天板の凹凸はない一方,側辺には若干の傾斜があるタイプだったが,そのまま吸盤で取り付けられ,また,安定感も十分だった。補強用シールは,不安があるときに使うイメージでいいように思われる。

 ただし,GeChicは「ディスプレイ部が机からはみ出て中空に置かれるような設置方法は保証しない」としているので,長時間の利用にあたっては,もしものときの被害を最小限に食い止める対策は必要かもしれない。また,本体サイズが実測で335(W)×227(D)×15(H)mm(フレームホルダーを180度開いた場合の幅は658mm)あり,実測重量も863gあるので,モバイルノートPCのような,液晶パネル側が薄いノートPCで使う場合は,ヒンジへの影響を考えると避けたほうがよさそうにも思われる。

 ちなみにOnLap 1301本体のフレームホルダーは最大270度くらいまで開く仕様になっているので,フレームホルダーをノートPCの天板部中央に取り付けてると,天板が干渉して,回転角度が制限されてしまう可能性がある。また,筐体サイズが大きいノートPCの場合,ノートPCの天板部中央にOnLap 1301を取り付けると,ノートPCの天板でOnLap 1301の液晶パネルが隠れてしまうこともあるので,吸盤で取り付ける場合は,ノートPCの液晶パネル向かって右側(天板側から見て左側)に寄るよう取り付けるのが正解だ。

フレームホルダーはこのように開く。最大270度くらいまで開くことができる
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ノートPC天板の中央にOn-Lap 1301を取り付けると液晶が天板と干渉してしまい,最大角度まで開かなくなってしまう。ノートPCにもよるが,最悪,180度くらいに制限されてしまうのだ。なるべく向かって右へ寄せるように取り付けるのがいいだろう
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縦式モードによる縦置き時のイメージ。設置にはフレームホルダー分の面積が必要になる
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 吸盤を用いた取り付けに不安がある場合は,フレームホルダーをスタンドとして用いて使う「縦式モード」も選択肢となる。本体の長辺である355mmがそのままスタンドの奥行きになってしまうので,設置場所をかなり選ぶが,吸盤による固定よりは確実に融通が利く。

 あるいは,別売りの「スタンドブリック」を使えば,横置きのまま,あまり場所を取らずに設置することも可能だ。似たような部品を自作するというのもアリだろう。

別売オプションのスタンドブリック(写真左)と,取り付けてみた様子(写真右)
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 販売代理店であるテックウインド(旧ユニティ)の製品紹介ページによれば,On-Lap 1301はTN(Twisted Nematic)方式の液晶パネルを採用するとのことで,実際,視野角があまり広くなく,見る角度によって色が大きく変わってしまう。なので,ノートPCの天板へ吸盤で取り付けたときには,「なんとなく180度で開く」のではなく,首や目を自然に少し傾けたとき,On-Lap 1301のパネルを正面から見据えられるような角度に設定するのが重要だ。
 ノートPCの天板に取り付ける都合上,高さがノートPC側の液晶パネルと揃うので,On-Lap 1301でTNパネルの弱点を克服するのは意外と簡単である。

角度を変えてみたところ。少し急になってくると白浮きが目立ち始めるので,パネルを真っ正面から見られる角度に設定するのがキモとなる
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On-Lap 1301のOSDメニュー表示
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色温度の設定画面。一番下に表示されているユーザを選択すると,色調整の項目が選択できるようになる
 続いて,画質調整などを行うOSDメニューを見ていこう。本製品のOSDメニューには,コントラストや輝度設定のほか,色調整が行える「色温度」という項目が用意されている。

 色温度の項目には,「9300」(9300K)と「6500」(6500K)の2種類がプリセットとして用意されているが,一番下の「ユーザ」を選択すれば「色調整」の項目から細かく調節することが可能だ。
 色調整の項目では,「赤」「緑」「青」の3項目をそれぞれ0〜100の数値で調整可能になっている。プリセットとメインディスプレイとで色調が大きく異なる場合には,こちらで調整を行えばいいだろう。
 細かく調整してもあまり効果が感じられない場合は,色温度6500のプリセットを選ぶか,もしくは色調整の項目にある赤・緑・青をそれぞれ50前後で調整すれば,おおよそ問題なさそうな感じだった。

 なお,OSDを操作するボタン類は液晶の右背面に配置されており,パネル側から見えないため,画面を見ながらの操作はなかなか難しい。一応,本体前面側に,どのボタンが何の操作を司るものか示すアイコンがプリントされてはいるのだが,焼け石に水といったところ。このあたりも価格なりという印象である。

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色調整では赤・緑・青の3項目を調節可能。それぞれを50前後で調節するとよさそうだった
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OSDメニューの操作系が背面部にあるため,画面を見ながらの操作はしづらいのが難点だ


デュアルディスプレイはゲーム環境に欠かせない

ノートPCでMMORPGを遊ぶならあって損はなし


 それでは,実際に本製品をノートPCと接続して使ってみることにしよう。まずは,ノートPCの天板に吸盤で貼り付けて,セカンダリディスプレイをメインディスプレイの隣に拡張するという,On-Lap 1301の標準的な利用方法で使ってみることにした。ちなみにGeChicはこれを「デュアルモニターモード」と呼んでいる。

Windows 7での設定画面
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 自分が見やすい位置に設置できたら,あとはデュアルディスプレイとしてPCに認識させる作業が必要になる。Windows 7なら,「画面の解像度」の設定で,「複数のディスプレイ」項目から「表示画面を拡張する」を選ぶだけで利用可能だ。その後,メインディスプレイに対してどの位置に配置するかを設定しよう。
 なんといっても,USB接続の液晶ディスプレイのように,専用ドライバを導入することなく利用できるのはうれしいところだ。

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 前述のとおり,通常,ノートPCでデュアルディスプレイ環境を構築すると,スタンドの位置やディスプレイサイズの都合でノートPCよりも奥に設置しなければならなかったり,ノートPCとの高さを合わせることもなかなか難しかったりと,かなりちぐはぐな配置になってしまうケースが多い。
 On-Lap 1301のこの配置ならば,メインディスプレイとほぼ同じ奥行きと高さを実現でき,視点移動がスムーズに行えるわけである。

 ただ,On-Lap 1301の構造上,デュアルモニターモードにおいて,セカンダリディスプレイはノートPCの右側にのみ拡張されることとなる。欲をいえば,ケーブルの取り回しなども配慮して,左右どちらに開いても使えるような構造にしてほしかったところだ。

画像集#021のサムネイル/ノートPC用セカンダリ液晶ディスプレイはゲーマーにとって使えるものなのか。GeChic製「On-Lap1301」を試す
 さて,ここからは実際の使用感を見ていこう。まずは目視で確認してみたが,いやな残像感のようなものはなく,ゲームやビデオの素速い動きにも対応できている印象だ。
 表示遅延はどうか。それを確認するべく,On-Lap 1301とPrime Note Galleria QF560のディスプレイとを,4Gamerのディスプレイレビューでもおなじみの「LCD Delay Checker」と,高速度撮影が可能なカシオ製のデジタルカメラ「HIGH SPEED EXILIM EX-FC150」を使って計測することにした。

 今回は,On-Lap 1301とノートPCとはHDMIで接続し,同じ画面をそれぞれのディスプレイに表示するクローンモードに設定。解像度はOn-Lap 1301の最大解像度が適用されるため,いずれのディスプレイも1366×768ドット解像度で表示している。
 なお,この比較はあくまで,On-Lap 1301とPrime Note Galleria QF560のディスプレイにおける相対評価である。必ずしもすべてのディスプレイで同じ結果になるわけではない点には注意してほしい。

 というわけで,テスト結果が下のムービーとなる。見てもらえば分かると思うが,表示遅延は約1フレームといったところ。内部配線と外部出力という違いがあるので,さもありなん,といったところか。あまりいないとは思うが,On-Lap 1301をメインディスプレイで使いたいという人は,覚えておくといいだろう。


ノートPCのディスプレイにゲーム画面,On-Lap 1301にブラウザをそれぞれ表示すると,こんな感じになる
画像集#040のサムネイル/ノートPC用セカンダリ液晶ディスプレイはゲーマーにとって使えるものなのか。GeChic製「On-Lap1301」を試す
 以上を踏まえつつ,序盤で述べた「ゲームプレイ中の情報表示用」で,On-Lap 1301を使ってみよう。今回はゲームオンがサービス中のオンラインアクションRPG「C9 [Continent of the Ninth]」(以下,C9)をプレイしてみたが,一言でいうと快適である。
 ゲーム画面をフルスクリーン表示させる場合,[Alt]+[Tab]キーでフォーカス(≒メインのウインドウ)を切り替えながら使うことになるが,それにさえ慣れてしまえば,ちょっとゲームを止めて調べ物をして,それを表示させながらまたゲームに戻れるというのは相当に効率がいい。

C9プレイ時にスクリーンショットを撮ってみたところ。かなり横長な表示である
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 さて,C9でセカンダリディスプレイがほしくなる状況といえば,やはり生産である。
 C9では,クエストの遂行やレベル上げのために出向いたダンジョンなどで,生産用の基本素材を入手できるが,これらの基本素材から武器や防具,アクセサリーなどを作るには,1度中間素材を作成する必要がある。その後,中間素材を使って,目的のアイテムを作り上げるわけだ。そのため,必要になる基本素材の数や,作成するときの手順などのゲーム中に表示される情報を手書きでメモしながらプレイしているという人も多いだろう。
 そんなときにデュアルディスプレイ環境ならば,メインディスプレイでゲームを進めつつ,セカンダリディスプレイでエディタを開いてメモを取ったり,手順が分かる攻略情報ページを見たりできるというわけだ。

C9プレイ時における筆者のセッティング。On-Lap 1301をノートPCの左側に縦置きすることにした
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 ただ,筆者は,普段メインディスプレイの左側にセカンダリディスプレイを設置するという環境でデスクトップPCを利用しているため,今回の配置はどうもしっくりこなかった。
 そこで最終的に筆者が行き着いたのは,縦式モードにして,ノートPCの向かって左側に設置するというものである。前述のとおり,ノートPCの天板に吸盤で固定する方法だと,向かって左側にパネルを広げるのは難しいので,設置面積的に不利なのを覚悟のうえで,縦置きしてみたというわけだ。
 もっとも,デュアルモニターモードだと縦解像度が768ドットになり,ブラウザで表などを表示すると途切れがちだったので,筆者的には,縦の解像度を稼げる縦置きは好都合だったりする。

On-Lap 1301をノートPCの左側に縦置きした状態で,スクリーンショットを撮影した様子
画像集#027のサムネイル/ノートPC用セカンダリ液晶ディスプレイはゲーマーにとって使えるものなのか。GeChic製「On-Lap1301」を試す

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 いずれにせよ,とくにノートPCの場合,ディスプレイサイズの都合からウインドウモードよりはフルスクリーンモードのほうがプレイしやすいため,たとえ小さい画面だとしてもデュアルディスプレイ環境のほうが便利である。
 筆者的には縦置きのほうが使いやすいと感じたが,この場合,横幅が768ドットとなり,一般的なWebサイトのデザインだと左右が切れてしまうこともあるので,多少の割り切りは必要。どうしてもWebサイトの横幅をすべて表示したいなら,デュアルモニターモードということになるだろう。
 一方,縦式モードだと,縦解像度が1366ドットとなるので,少々長めの表などがあっても,まとめて表示できたりする。縦の解像度がそんなにいらないという場合には,ブラウザのウインドウを7割程度に留めて,空いたスペースに「Skype」や「IRC」などのクライアントを配置するのがいい。ゲーム外でも知人とのコミュニケーションを取ることが多いオンラインゲーマーなら,そういったチャットソフトとの併用にも役立ちそうだ。

なお,今回レビューしていて気になったのが,On-Lap 1301を縦置きにして,メインディスプレイの左側に配置した場合のみ,On-Lap 1301のディスプレイに謎の白い表示エリアができてしまうこと。デスクトップPCに接続した場合は確認できなかったので,ノートPC側の問題である可能性が高い。ともあれ,同じような症状が出るノートPCもあるかもしれないということは,念頭に置いておくのがいいだろう
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On-Lap 1301の製品ボックス
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 というわけで,On-Lap 1301を使ってみたが,吸盤でノートPCに取り付けられ,設置場所の自由度が高い点は大きなメリットといえる。実売価格も1万7000円前後(※2012年1月21日現在)とまずまずである。
 そもそも,HDMIやアナログRGB接続を備えた13インチクラスのセカンダリディスプレイ製品自体がほかになく,On-Lap 1301の存在意義は大いにある。全体的に安っぽい作りであることを許容できるなら,ノートPCゲーマーのサブディスプレイとして悪くない選択肢になりそうだ。

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On-Lap 1301製品情報ページ

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