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ハロー!Steam広場 第37回:よい子ちゃんを演じながら脱獄のチャンスをうかがうストラテジーゲーム
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー Steam 広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを,筆者の独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,ドイツ産シミュレーションゲームの当たり外れを見抜ける上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第37回は,Mouldy Toof Studiosが開発中の脱獄ゲーム「The Escapists」をメインに紹介しよう。プレイヤーは,1人の囚人となり,模範囚として日々を過ごしながらも,密かに脱獄計画を企てるのだ。このほか,アーティスティックな世界を探索する癒し系アドベンチャー「ULTRAWORLD」もあるので,お見逃しなく。
模範囚として生活しながら脱獄の機会をうかがうストラテジーゲーム「The Escapists」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回は,Mouldy Toof Studiosが手掛ける「The Escapists」を紹介しよう。
本作は,とある刑務所に収監された囚人達の脱獄劇を描くストラテジーゲームとなる。プレイヤーは,なんらかの理由で収監された1人の囚人となり,模範囚として日々を過ごしながらも,密かに脱獄計画を企てていくのだ。
囚人達は,刑務所側が用意した1日のスケジュール通りに生活する必要があり,それを無視した行動を取ると,看守達の警戒率が上がっていく。例えば,点呼中に筋トレしていたり,昼食時間に筋トレしていたり,刑務作業の時間に筋トレをしていたりすると怒られてしまう。こうしたことを繰り返して警戒率が90%を超えると,容赦なく警棒が振り下ろされ,医務室送りになるわけだ。
囚人には,筋力(STR),スピード(SPD),知識(INT)という3つのステータスが用意されており,ベンチプレスやランニング,読書をすると,その行動に合わせたステータスが上昇していく。
筋力が高ければ,ほかの囚人や看守を襲ってアイテムを強奪することができ,知識が高ければ,クラフトできるアイテムが増える。また,スピードを上げると移動速度が上昇するので,看守を巻く時などに役立つが,これに関しては初期値でも十分なので,鍛える優先度は低くてもいいだろう。
「脱獄は一日にして成らず」という,どこかの世界のことわざが示すとおり,初日から脱獄しようなんて不可能に近い。本作には,脱獄する方法が何通りも用意されているわけだが,何を試すにしても,スコップやピッケルといった特殊なアイテムが必要になる。ただし,こういったいかにも脱獄に使えそうなアイテムは,現実世界同様に持ち込み禁止となっているため,普通に入手することはできない。
そこでカギとなるのが「クラフトシステム」だ。これを利用すれば,素材同士を組み合わせてさまざまなアイテムが作成できる。だた問題なのは,肝心な素材をどのようにして手に入れるかという点であり,それを模索するのが本作のミソでもある。
素材を入手する方法はさまざまだが,オススメは,ほかの囚人達の独房にある机から盗みだすことだ。この方法は,看守とその独房の主に,現場を押さえられなければお咎めはないので,刑務所の中では比較的安全かつ簡単な素材入手方法の1つだ。机の中身は毎朝補充されるので,これを日課にするといいだろう。
また,囚人達の中には貴重なアイテムを売っている者がいるので,彼らから購入するのも1つの手だ。刑務所内では通貨が流通しており,刑務作業や,ほかの囚人達からの依頼をこなすことで稼ぐことができる。
頭の上に「!」が表示されている囚人に話しかけると依頼を受けることができる。内容は,特定の人物を痛めつけたり,アイテムを取り返したり,騒ぎを起こしたりといったものだ。どれも筋力が要求されるので,毎日の筋トレは欠かさずに |
刑務作業は知識の高い囚人に任される。中でも金属加工作業は支払いが良いので,知識のステータスを上げてこれを狙って行きたい |
脱獄に必要なアイテムが手に入ったところで,次の問題となるのが保管方法だ。いちおう自分の独房に机が用意されているので,そこに隠せばいいのだが,このとき気を付けなければならないのが点呼の時間だ。
点呼は昼の分も含めると1日に3回行われ,この時,独房のチェックが入る2人の囚人がランダムで発表される。チェックされる場所は机の引き出しの中となり,ここに持ち込み禁止アイテムが入っていると,すべて没収されたうえ,懲罰房送りにされてしまうのだ。したがって,点呼で指名されてしまったら急いで戻り,持ち込み禁止アイテムだけ手持ちにするか,ほかの囚人の机に移しておこう。
本作は,いい意味で不親切なゲームデザインとなっており,脱出に使えそうなアイテムが手に入っても,何処でどのように使えばいいのかは教えてはくれない。よってプレイヤーは,何から何まで手探り状態で試行錯誤を繰り返すことになるが,その分,何か新しい発見をした時の嬉しさは格別で,これが本作における何よりの魅力だろう。
操作のレスポンスなどに不満が残るものの,まだ開発段階の作品ということを考えればなかなか面白いと思えるので,興味のある人はぜひ遊んでみてほしい。
「The Escapists」Steamページ(980円)[税込]
アーティスティックな世界を探索する癒し系アドベンチャー「ULTRAWORLD」
「こんなゲームをリリースしたい」という開発者に対して,ユーザーが賛成か反対かを投票できるサービスがGREENLIGHTだ。今回は,アーティスティックなビジュアルが特徴的な「ULTRAWORLD」を紹介しよう。
本作は,ゾンビがうごめく架空の島でサバイバル生活を送ることもなければ,クラフト要素もシューティング要素もない。ではどのようなゲームなのかというと,アーティスティックに描かれた世界を探索するだけという,“癒し”に焦点を当てた作品のようだ。
ビジュアルからは想像が付かなかったが,本作はCrytek社の最新エンジンであるCryEngine 3を使用して作られているとのこと。確かに水や光の表現といった細かいところに目を向けると,最新エンジンならではの美しさが確認できる。
まだその多くは語られていないものの,GREENLIGHTのコメント欄では,ビジュアルや世界観を評価する声が多く,コミュニティの期待値は高めだ。CryEngine 3を使った癒し系ゲームに興味があるという人は,いいねを押しておこう。
「ULTRAWORLD」GREENLIGHTページ
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