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印刷2010/09/06 13:31

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奥谷海人のAccess Accepted / 第275回:レノボが「Ebox」でゲーム用ハードウェアビジネスに参入

奥谷海人のAccess Accepted

 中国のPCメーカー,レノボが「Ebox」というゲーム用ハードウェアを製作し,中国ゲーム市場に投入する予定だ。コントローラが不要なKinect風のモーションセンサーも付属しており,主にカジュアルゲーム中心のソフトウェアラインナップを狙っているようだ。現在のところ,中国以外では販売の計画はないらしいが,これは果たして,ゲーム業界にどのような影響を及ぼすのだろうか?

第275回:レノボが「Ebox」でゲーム用ハードウェアビジネスに参入

 

モーションセンサーとダウンローダブルゲームによるゲーム機
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ついに,中国でゲーム用プラットフォームが登場。これまで,違法コピーの防止や青少年の育成などを理由にコンシューマ機の販売が禁止されていたが,世界第4位のPCメーカー,レノボが「Ebox」 を2011年第1四半期に市場に投入すると発表したのだ。ゲームパッドのトリガーボタンとスティックの場所がやや奇妙だが,必要に応じてパッドを縦に持ち変えるのだろうか?

 中国のPCメーカーとして有名なレノボ(聯想集団/Lenovo)が,独自の新型ハードを引っさげて,ゲーム市場に参入することになるようだ。これは,中国日報の英語版「China Daily」が8月27日に報じたもので,この秋に正式発表が行なわれ,2011年の早い時期にリリースされる予定だという。

 Eboxの開発と販売を担当するためにレノボが設立したBeijing eedoo Technologiesには,現在40人ほどのエンジニアがおり,出資はレノボの親会社であるLegend CapitalとLegend Holdingsが行っている。出資総額は明らかにされていない。
 記事によると,Eboxの価格は「Wii以上で,Xbox 360以下」で,リサーチ会社のBoston Consulting Groupの試算では「3000元(約3万7000円)で発売されれば,数年で1900万台が売れる」だろうとのこと。

 Eboxの特徴はモニタ上に装着する専用デバイスで,ここに赤外線モーションセンサーとウェブカメラが搭載されており,Kinectを思わせるハンズフリーコントロールが可能になっている。公開された画像には,ゲームパッドらしきモックアップもあるので,必ずしもモーションコントロールしかできないわけではなさそうだが,ともあれカジュアルゲーマー層をターゲットにしているのは間違いないだろう。
 実際,Beijing eedoo Technologies社長のジャック・ルオ(Jack Luo)氏は中国日報の質問に答えて「我々のプロダクトは,ファミリーエンターテイメントとして設計されたものです。Eboxには素晴らしいグラフィックスも,激しいバイオレンスもないかも知れませんが,人々をソファから立ち上がらせ,少し運動したい気にさせてくれるのです」とコメントしている。

 また,違法コピー問題に配慮して,ゲームソフトはダウンロードのみで販売されるという。つまり,ネットが利用できる大都市圏の消費者のみをターゲットにしているわけだが,「大都市圏のみ」とは言え,対象となるのは日本の人口に匹敵する約1億2000万人だ。
 Beijing eedoo Technologiesはまた,国際的なパブリッシャ16社(名前は明らかにされていない)とEbox向けタイトルの販売契約を交わしている。また,とくにゲームを購入しなくとも,30本のソフトがあらかじめ内蔵されているという。

 

MMORPGに代わり,カジュアルゲームで中国市場制覇を狙う
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本文にも書いたように,中国では欧米産のオンラインゲームに対して風当たりが強くなっている。「魔獣世界」こと「World of Warcraft」では,1年以上も営業許可が出ていない。2007年にスケルトン系モンスターやアイテムが消えるなど,「不死」の要素に関して厳しくなり,「Wrath of the Lich King」で完全にアウトとなった。公式サイトには,悲しいメロディと「再見! 勇者達よ!」というメッセージが残されたままだ

 中国では2000年以降,違法コピーの防止や青少年の健全な育成などを理由に,香港以外でのコンシューマ機の販売が禁止されている。PlayStation 3やXbox 360,そしてWiiやPSPも正式には販売されていないのだ。もっとも,ニンテンドーDSは「iQue DS」という名称で2005年から一般に販売されていたりするが。

 ちょっとした話題にもなったので覚えている人もいるかもしれないが,中国では2007年に「Vii」という名前のコンシューマ機が登場している。名前といい見かけといい,Wiiそっくりなのだが,似ているのはそこまでで,内蔵されたゲームの質や性能は比べるべくもなかった。Viiのほかにも「PoPStation」や「PolyStation 3」など,観光客が面白がって買ってくれることを狙ったとしか思えない「そっくり商品」が数多く出回っているのは,ときどきニュースになるので知っている人も多いだろう。
 もちろん,世界第4位のPCメーカーであるレノボが製造/販売するのだから,そういった商品とは一線を画するものであることは容易に想像できる。それだけになぜElectronic Entertainment Expoなどで正式に発表しないのか,あるいはなぜXboxと混同しそうな名称を使うのかといった疑問も残る。

 もっとも,任天堂,ソニー・コンピュータエンタテインメント,そしてMicrosoftという業界トップ3が参入できていないことに加え,このところ政府によるオンラインゲームへの風当たりが強くなっている今こそ,チャンスなのかもしれない。1200万人のプレイヤーのうち,約半分が中国にいるとされる「World of Warcraft」には,すでに1年以上も営業許可がおりていないし,オンラインゲームで青少年が遊びすぎないよう,一定時間が過ぎるとプレイできなくなるタイマーの導入も義務づけられた。市場は奇妙な空白状態にある。新しいコンシューマ機を発売するチャンスと,レノボが考えても無理はないだろう。
 国内だけを相手にするのであれば,E3の発表などは意味がないし,似たような名称は商品のカラーを明確にする意味で有効だ。

 もし予想どおりに1900万台が中国国内で販売されれば,海外のソフトウェアメーカーも市場開拓の契機と見て,自社のタイトルを次々にEbox向けに移植する可能性も高く,やがて,世界に広がるレノボの販路に乗ってEboxが世界に行き渡り,第4のプラットフォームとして認知される……というところまで思い描いているかどうかは分からないが,その可能性がまったくないとは言い切れないだろう。

 一人勝ちしていたときのPlayStation 2のような,言ってみれば世界標準規格がなくなった現在のコンシューマ機市場では,まず「ローカルで勝つ」ことが重要になってくる。そのためには,なによりゲームソフトを含めた商品が十分に魅力的であることが必要だ。とはいえ,MMORPGのような規制を避けるため,当面は「中国らしさを前面に押し出した,健康的なゲーム」が中心となるだろう。
 果たして,中国の購買者はEboxにどのような反応を示すだろうか?

 

■■奥谷海人(ライター)■■
本誌海外特派員。サンフランシスコ在住の4Gamer海外特派員。ゲームジャーナリストとして長いキャリアを持ち,多様な視点から欧米ゲーム業界をウォッチし続けている。2004年に開始された本連載「奥谷海人のAccess Accepted」は,4Gamerで最も長く続く連載だ。
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