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印刷2007/09/21 18:48

連載

奥谷海人のAccess Accepted

 前回の「第141回:議論を重ねる米オンラインゲーム業界」では,オンラインゲーム業界における「カジュアルゲームvs.コアゲーム」の構図についてお伝えした。これは,ゲームショップにまで影響を及ぼし始めているようだ。今回は,そんなゲーム業界の動向や“カジュアルゲーマー”の定義について考えてみよう。

Access Accepted第142回:業界を揺るがすカジュアルゲームの波
ゲームショップを変え始めたカジュアルゲーム
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GameStopは,世界17か国に4600店舗近くを有する世界最大のゲームソフトウェア専門のチェーン店である。中古ソフトの販売は,今や売り上げの3分の1をも占めるというが,ここに来てカジュアルゲーマー層を取り込み,新規顧客の獲得を狙うようだ

 ゲームショップといえば,社会人から小学生まで,ゲーム好きな人々の拠り所だ。アメリカでは,ショップの店員と訪問客がゲーム談義に花を咲かせるといった光景が見られることも多い。

 GameStopやEB Gamesといった大手ゲームショップなどは,発売日が近いゲームの宣伝用パッケージが店の入り口近くに並べられ,人気ソフトのポスターがアチコチに貼られている(PCゲームは端っこに寄せられてしまっているが)。ゲームショップはコアファン層特有の“専門知識”に溢れており,ほかの消費者にとって,どこか入りづらい雰囲気を作り出していた。

 しかし,ここに来てゲームショップの経営方針に変化が見られるようになってきたようだ。2007年9月11日のNew York Times誌に,GameStopの副会長兼COO(最高執行責任者)であるDaniel A. DeMatteo(ダニエル・A・デマテオ)氏のインタビュー記事が掲載されていた。GameStopは,2005年にEB Gamesを傘下に収め,アメリカではウォルマートと拮抗する,年間ソフトウェア販売額の4分の1ほどを占める最大手である(関連記事:第77回米ゲーム業界を背後で操るウォルマート)。その影響力の高さゆえか,GameStopの幹部がゲーム業界のことについて公の場で語ることはほとんどない。

 その記事中でデマテオ氏は,クリスマスシーズンに向けてのターゲットは,Noobs(新参者)と呼ばれるカジュアル層であると語っている。これまでにゲーマー層向けに整備されてきたゲーム専門店が,ゲームにあまりなじみのない消費者にアピールできるようなタイトルが増えてきたことを挙げ,「商品やレイアウト,そしてカスタマーサービスまで,我々が今までやってきたことを考え直さなければならない。何が欲しいかを知った上で来店するゲーマー達だけが顧客である時代ではなくなったのです」と語っている。そして具体的には,「Guitar Hero」「Zoo Tycoon」「Lego Star Wars」,そして「Nintendogs」といったゲームを,メインにした特別コーナーを設けるといったことを,年末に向けて実施していくとコメントしていた。

 カジュアルゲームというものが,オンラインゲームばかりでなく,流通にも大きく影響してきたようで,彼らにとってはウェブ販売以来の大きな転機になりそうだ。

 

カジュアルゲーマーという見えづらい壁

 “ゲーマー”のカテゴリに入るであろう当連載の読者は,最近のゲーム市場に居心地の悪さを感じているかもしれない。「ロード・オブ・ザ・リングス・オンライン アングマールの影」や「The Elder Scrolls IV: Oblivion」にはまり,グラフィックスカードの動向を気にしつつ「Hellgate: London」の予約にアクセクしているような我々は,もはやゲーム業界から置いてきぼりになりつつあるのだろうか?

 ESA(Entertainment Software Association)の統計によると,2006年のアメリカでは,すべてのプラットフォームで2億4070万本(PCは3940万本)のゲームが販売された。アメリカは,中古ゲーム市場が整っており,オンラインゲームやデジタルディストリビューションも広まっているので,この数字が大きいか小さいかを単純に論ずることはできない。だが,5人に4人はオンラインやオフラインで年間1本は必ず買っているという計算になる。

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「カジュアルゲーム」という概念そのものが,言葉を使用する人々によってマチマチ。「Guitar Hero」のような,GameStopのデマテオ副会長が説明する「クリスマス向けにカジュアルゲームの特設コーナー」用のゲームも,元々のゲーマー層を狙っていないといえるが,手間隙をかけて作られている。ちなみに,「Guitar Hero 3」はPCにも移植される予定だ

 MSNAOL Games,そしてハンゲームなどで提供されている無料のゲームを楽しむ人達は,全世界で1億5000万人に達すると試算されている。ESAの発表では,アメリカでのカジュアルゲーム(と呼ばれるもの)の売り上げは,2005年度で3億1400万ドル(約361億円),2006年度では6億9000万ドル(約794億円)と急成長を遂げている。パッケージ販売が頭打ちになっている小売店や販売元にとって,カジュアルゲームは有望株として受け止められているのは間違いないだろう。

 とはいえ,カジュアルゲーマーの定義が曖昧なまま,闇雲に販促活動を行うよりは,「コアゲーマー層にアピールすることで底辺をしっかり作っておこう」というような,Damian Schubert(ダミアン・シューバート)氏の提言(関連記事:[AGDC 2007]BioWareのデザイナーが語る「オンラインゲームデザインの禅」)に沿ったほうが,最終的に良い結果が残せるのかもしれない。

 では,カジュアルゲーマーの定義とはなんなのだろうか。ごく一般的な定義では,「低予算,短期間,手軽,単純」と,“4T”ともいうべき四つのキーワードで表現されるようなゲームを中心に,遊ぶ人達が指されることが多い。しかし,いわゆる大作と呼ばれる,開発期間が長く,かなりの開発費がかけられているゲームをメインに遊ぶ人だけがコアゲーマーなのかというと,そういうわけではないだろう。一般にカジュアルと呼ばれるゲームであっても,それを毎日欠かさず何時間もプレイする人をカジュアルゲーマーと呼べるのか,ここが大きなポイントであって,筆者は当然,そういう人はコアゲーマーとすべきだろうと考える。 ところが,実際のマーケティングにおいては,費やす時間やゲームプレイの密度が切り離され,あくまで遊ぶゲームの種類で区切って手軽なゲームで遊ぶ人=カジュアルゲーマーということになってしまっているようだ。このことが,現在主流になりつつある,“カジュアルゲーマーをターゲットにしたマーケティング”の前に,「見えない壁」として立ちふさがっているような気がしてならない。

 

■■奥谷海人(ライター)■■
本誌海外特派員。近所にアジア系の大型スーパーマーケットができたという奥谷氏。歩いて行ける距離とのことで便利なようで,最近はよく利用するようになったという。品揃えは,日本から輸入された菓子類から,ブタの顔面や脳,牛の血などまでとかなりバラエティに富んでいるそうだ。そして,奥谷氏の子供達にはちょっとした遊び場になりつつあり,生きたザリガニを数匹購入してきてペットとして飼い始めたという。それだけでは飽き足らず,カエルの購入計画も進んでいるそうだ。家がミニ動物園/水族館になる前に,手を打ったほうがよさそうですよ。

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