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印刷2007/09/26 22:16

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[CEDEC 2007]Counter-Strikeにニコニコ動画。ゲームをネタにユーザーが作ったコンテンツを“中の人”はどう捉えているのか?

 日本のゲーム開発者会議「CESA DEVELOPERS CONFERENCE」(以下CEDEC)。その2007年度版となる「CEDEC 2007」が,今年は東京大学で開幕した。

新 清士氏(右)と星野瑠美子氏(左)
 初日となる2007年9月26日には,「ユーザークリエイトコンテンツを戦略的にどう活用していくのか?」と題されたセッションが開催された。ラウンドテーブル形式で行われた同セッションは前後半に分かれ,前半は国際ゲーム開発者協会日本代表の新 清士氏と,MOD文化の解説評論などで知られるゲーム研究者の星野瑠美子氏が,海外事情などを交えつつ,ユーザークリエイテッドコンテンツ(User Created Contents,以下UCC)を取り巻く状況を紹介。後半は,参加者を交えた自由発言形式で,UCCをいかに活用していくかが議論された。本稿ではその模様をリポートしつつ,日本におけるUCCというものを考えてみることにしたい。


Counter-Strikeからニコニコ動画まで

さまざまな形で台頭するUCC


 さて,テーマになっているUCCとは何かだが,これは文字どおり「ユーザーが作ったコンテンツ」という程度の意味である。その代表例といえば,4Gamer読者には説明するまでもないかもしれないが,「Half-Life: Counter-Strike」という,圧倒的な存在感を誇る成功例がある。

 Counter-Strikeは,ユーザーが作成した「Half-Life」(≒Sourceエンジン)向けのいわゆるMODが元になっているが,そのゲーム性がコミュニティから高く評価されて,最終的にはHalf-LifeのメーカーであるValveから支援を受け,独立した商用タイトルへと進化した。
 もっとも,MODの開発は技術力が必要で誰もが取り組めるものではない。(根気さえあれば)誰にでも取り組めるようなコンテンツ,例えばFPSのプレイシーンを編集したデモムービーのようなものも,UCCに分類していいだろう。YouTubeやニコニコ動画などのビデオ投稿サイトで公開される,ゲームを“ネタ”にしたビデオコンテンツも,UCCの一種だ。

 最近では,UCCが流行を生み出す例も珍しくなくなっている。それこそ「ニコニコ動画に投稿されたビデオがきっかけであるCDが売れた」というようなケースが実際に起きているのである。
 このように,UCCの世界は広がりを見せ,また注目を集めるようになってきているが,果たしてそのようなコンテンツを(ゲーム)ビジネスの世界にどう生かしていくべきか,というのが,このセッションのテーマだ。


UCCの活用が続くPCゲーム業界

ゲーム機の世界ではXbox 360&XNAが軸に


 前振りが長くなったが,セッションは,ゲームのMOD界などに詳しい星野氏が,ゲームにおけるUCCの現状を説明するところから始まった。

PCゲームが複雑になるにつれてMODの製作難度もアップしたが,最近でも「Garry's MOD」が商用化されるなど,UCCの活用は続いている。国内にもMODコミュニティは存在する
 前述のとおり,PCゲームにおいては「デベロッパがプレイヤー(=エンドユーザー)にMOD開発環境を提供して,そのMODがゲームの人気をさらに広げる」という具合に,UCCを戦略的に活用してきた歴史がある。先ほど例に挙げたCounter-Strikeの初期バージョンがリリースされたのは1999年,製品化されたのは2000年なので,UCCがゲームビジネスに利用されて大きな成果を上げてから,すでに7年ほどが経っているわけである。
 7年の間にPCゲームが複雑化したこともあって,MOD開発の難度が上がってしまい,以前ほどの活気は失われつつある面もあるが,依然として新たなMODが商用化される例はあり,UCCの活用は2007年もなお続いている。

海外を中心に,Xbox Liveを通じてゲームコミュニティが形成され盛り上がりを見せていると星野氏
 一方,ゲーム機の世界では,最近まで流通させる手段がほとんど用意されていなかったこともあって,UCCの活用は限定的。ただそれでも,「Forza Motorsport 2」で,カスタムペイントカーをゲーム内オークションで売買したりといったように,Xbox 360の「Xbox Live」でユーザーコミュニティが盛り上がりを見せるといった動きがあり,Microsoftがゲーム機におけるUCCの活用という点では,一歩先行している感がある。

XNA Game Stduioで作成したゲームを自由に配布できるようになると,Xbox 360ベースのUCCは活況を呈する可能性があるという
 また,Xbox 360といえば,MicrosoftはXbox 360とPCに対応した,ユーザー向けのゲーム開発環境「XNA Game Stduio Express」の配布を行っている。現在のところ,作成したゲームをXbox Liveで一般に配布したりはできないなど,流通に制限が加えられているが,XNA 2.0以降の世代でそのあたりが改善されるという情報もあり,今後に期待できるかもしれないと星野氏は述べる。

 続いて新氏は,ゲーム以外のUCC,「Second Life」や「metaplace」(関連記事)といった,ユーザーが参加して作り上げていく仮想世界や,YouTube,ニコニコ動画などに触れ,UCCを取り巻く問題点を総括した。
 著作権の問題はもちろん,性的なものなどといったインモラルなコンテンツをどうするのか。あるいは,そもそもUCCをどうやって利益に結びつけていけばいいのかといった問題である。

 UCCから利益を得るビジネスモデルが完成している状況ではない現在,UCCをどう扱えばいいのか。新氏はそう問いかけて,セッションは討議に移された。


UCCに対するゲーム開発者の本音は?

コントロールの可否が課題に


 ラウンドテーブルの参加者は40名ほど。実際に意見を述べたのは筆者も含めて5,6名だったが,筆者以外に発言したのは,名前を聞けば知らぬ人のいないゲームメーカーや,携帯ゲーム関係のメーカー,韓国などアジアのデベロッパによるオンラインゲームの国内パブリッシャといった企業のゲームデザイナーやプロデューサー,プログラマといった,バリバリの現場の人々。大人の事情があるので,具体的なメーカー名などを挙げるわけにはいかないが,興味深いところをかいつまんで紹介していくことにしよう。

 まず挙げられたのは,「ビジネスモデルにUCCが馴染まないケースもある」という意見。例えばアイテム課金制のMMORPGはその典型的な例だろう。ユーザーが何かを生み出せると,アイテムに課金するというシステムが壊れる恐れがあるわけで,UCCを許容する余地がない。
 また,日本のゲームベンダーは「パッケージ売り」をビジネスの基本にしているため,MODのような仕組みがあったとしても,そこから収益を上げる方法がない。したがって,MODのような仕組みを導入しづらいという,日本的な悩みもあるようだ。

 日本のゲームベンダーに,ゲームのプレイムービーに関して厳しい利用制限を課していることがよくある点も,ハードルとして挙げられていた。ゲーマーがゲームショウなどで撮影したムービーをYouTubeなどにアップロードするという活動は海外でよく見られるが,国内では「撮影絶対禁止」というメーカーが多い。
 この件に関して参加者からは「一つでもアップロードを許すと,ほかも許さざるを得なくなり,収拾が付かなくなる」という発言があった。また,動画がアップされると逆にユーザーからベンダーに“まるで鬼の首を取ったかのような”(著作権侵害を報告する)電話がかかってくるそうで,その電話に対応するだけでも別な労力が発生するという声もあった。日本では,メーカーだけでなく,ユーザー側にも著作権を極端に解釈している人が多いのでは? という発言も飛び出していたが,確かに言われてみれば心当たりがあったりする。


 どうしても散漫になってしまうこの手のラウンドテーブルだが,ざっくりとまとめてしまうと「UCCを許すのはいいが,コントロール不能になると困る」というのが,ゲーム業界側からの(ある程度共通した)意見のようだ。許可したらしたで,インモラルな作品がアップされてしまったらどうするのか。“手動で”削除するのは面倒でコストがかかるというわけである。
 逆にいえば,メーカー側でコントロール可能な場さえ存在すれば,UCCを積極的に生かし,できればビジネスにつなげたいという気持ちもあるようだ。そのためには環境整備が必要だが,ゲームメーカー1社だけでどうにかなるものではないだろう。現時点ではメーカーごとにバラバラとなっているUCCへの対応をまとめて,UCCをコントロールしつつ盛り上げていくような仕組みを模索する,横断的な取り組みが必要ではないかと思われる。
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