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「ゲーマガ」プロデュースのダンスユニット「me to me」のCDが6月上旬に発売。沼倉愛美さん,原 由実さん,新曲を手がけたsamfree氏が出席した合同記者会見をレポート
キャラクターボイスは,「アイドルマスター2」の我那覇 響役で知られる沼倉愛美さんと,同じく四条貴音役で知られる原 由実さんが担当している。キャラクターデザインは,「アイドルマスター」関連のイラストでおなじみの杏仁豆腐氏だ。
そんなme to meのデビュー曲「スーパー☆スター」は,作詞をyura氏が,作曲を神前 暁氏が手がけている。yura氏の代表作は「アイドルマスター」シリーズの「GO MY WAY!!」や「キラメキラリ」,神前氏の代表作はアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の「God knows...」やアニメ「化物語」の「恋愛サーキュレーション」ということで,ご存じの読者も多いだろう。
「スーパー☆スター」はもともと,2010年末開催のコミックマーケット79で販売されたCD(+DVD)だった。今回は,このCDに曲追加(「発展途上 My Life」「Promise」)およびブックレットのセットという構成(※DVDはなし)になり,6月上旬に一般流通で販売されることになった。
発売日は2011年6月上旬を予定しており,価格は2100円(税込)だ。Amazonやアニメイトなど,以下のゲーマガ特約店で購入が可能だ。
※取り扱い店舗
アニメイト各店,Amazon.co.jp,SBCrショップ,グッドウィルエンターテイメントデジタルモール,げっちゅ屋(Getchu.com),コミックとらのあな各店,ソフマップ各店,ビーケーワン,メッセサンオーPCゲーム館,メロンブックス各店 ,楽天ブックス (五十音順)
*一部お取り扱いのない店舗もございます。
ブックレットにはボイスドラマの台本がすべて掲載されているほか,ミカと雅が出会う前のストーリーが書き下ろしで収録される。なお,ボイスドラマの脚本は「街 〜運命の交差点〜」や「劇場版 空の境界」などで知られる平松正樹氏が,ブックレットの表紙は杏仁豆腐氏が担当している。
そのほか,「スーパー☆スター」には,PV制作で「初音ミク Sweet Devil MMDPV」で知られるわかむらP氏,振付でニコニコ動画の「[祝殿堂入り]-教えて!!魔法のLyric-踊ってみた」で知られるMTP氏が関わるなど,豪華なスタッフが集結している。
カップリング曲の「発展途上 My life」「Promise」は,ボーカロイド楽曲の人気プロデューサーとして知られるsamfree氏の手によるもの。氏の代表作「ルカルカ☆ナイトフィーバー」は200万再生を記録,me to meがカバーする「Promise」も24万再生を超える人気曲だ。
前置きが少々長くなってしまったが,ここからは2011年5月10日に都内某所で行われた,me to meのメディア向け合同インタビューの模様をお伝えしよう。
なお合同インタビューには,ミカ役の沼倉愛美さん,雅役の原 由実さん,新曲を手がけたsamfree氏,そしてme to meのプロデューサーである,ソフトバンククリエイティブ ゲーマガ編集部の梅田浩二氏が出席した。
me to meとの関わりのきっかけについて
まずは今回の企画のきっかけから話したいと思います。
私はこれまでゲーマガで6年間編集長を務めてきましたが,新しいことにチャレンジしたい,オリジナルのキャラクターを作ってみたいというという思いがありました。そこからダンスユニット「me to me」を企画,プロデュースすることになり,活動の第1弾としてCDデビューをさせてみようと思いました。
沼倉愛美さん(以下,沼倉さん):
立花ミカ役の沼倉愛美です。
ミカは,今までやってきたキャラクターの中でも若くて可愛い子なので,初めは演じるのに不安がありました。昨年末のコミケで発売したCDには「スーパー☆スター」が収録されていますが,こうやって次々とCDを出させてもらうことをありがたく思っています。
原 由実さん(以下,原さん):
西園寺 雅役の原由実です。
最初にこのお話をいただいて,キャラクターを見た瞬間,「この子,演じやすそうだな」と感じたキャラクターが雅だったんです。ドラマや歌を録っていてもすごく自然にできましたし,素晴らしいキャラクターに出会えてすごく嬉しいです。
梅田氏:
me to meの設定を考えたとき,歌と踊りをコンセプトにしたいと思ったんです。そこを生かして,みんなに愛される設定やキャラクターにしようとすると,ニコニコ動画の文化は外せないと思います。そこで今回の新曲とカバー曲は,ボーカロイドPのsamfreeさんに依頼することにしたんです。
samfree氏:
私は,ニコニコ動画でボーカロイドの楽曲を発表しているんですが,今回は3年前に作った「Promise」をカバー曲として収録していただけることになりました。さらに,「発展途上 My life」という新曲を作らさせていただきました。
楽曲「スーパー☆スター」について
梅田氏:
タイトル曲の「スーパー☆スター」は,作詞に「アイドルマスター」で有名なyuraさん,作曲はアニソンで活躍されている神前 暁さんに作っていただきました。これは僕の依頼なんですが,いい曲をもらえて感激しています。
最初,梅田さんから曲やキャラクターの説明を受けたとき,「『スーパー☆スター』という曲は,オープニングのような曲にしたい」と言われたんです。曲は,頭サビが終わったところで“me to me”ってフレーズが頭の中に出てきて,それを見て「まさにオープニングだ!」って思いました(笑)。
神前さんの曲を歌ったことは何回かあるんですが,自分のキーより高いんです。でも,ミカという女の子を考えたとき,苦しくても一生懸命歌うのがこの子らしいと思いました。
CDの中にはボイスドラマも入っているんですが,これはミカと雅の出会いのストーリーで,最初は1人で歌っているけど,最終的には2人で歌い完成するんです。完成したものを聞いて,「ミカ,よかったね」と思いました。
原さん:
神前さんとyuraさんの曲は,私も歌わせていただいたことがあるんですが,安心してレコーディングに臨めましたね。こだわったのはAメロの部分にある2人の掛け合いっぽいところですね。セリフっぽい雰囲気でやってほしいというリクエストがあったので,何度か録らせてもらいました。
完成品を聞いたときには,情景が浮かんでくる感じで,歌なのにドラマのような雰囲気になっていて,聞いててすごく楽しいなって思いました。この曲を歌えてよかったです。
楽曲「発展途上 My life」について
梅田氏:
このCDは以前コミケで発売しましたが,商用でリリースするために追加曲が欲しくて,samfreeさんにお願いしたんです。
東京ゲームショウで梅田さんとお会いしたとき,フィーリングの合う方だなと思ったんです。今回お話をいただいて,一緒にやったら面白い作品ができるのではないかと感じて,引き受けました。
梅田氏:
新曲の「発展途上 My life」はどういうイメージで作られたのでしょうか?
samfree氏:
曲を作るにあたって,ドラマの脚本をいただいて世界観を把握してから歌詞を書いたんです。ミカと雅の関係を大切にしつつ,2人の未来を夢見るような曲にしたいという思いがあり,曲作りでもキラキラした音を入れてみたりしました。
梅田氏:
samfreeさんは,「ルカルカ☆ナイトフィーバー」というディスコ系の曲や,「Promise」「Daybreak」「闇色アリス」といった王道のアニソン的なものもあり,なんでも作ってくれるという印象があるんですけど,今回の曲はテクノっぽいところもありますよね。
samfree氏:
1曲目に入っている「スーパー☆スター」がアップテンポな曲なので,それと比べて落ち着いた曲がいいかなと思い,4つ打ちのミディアムな曲にしてみたんです。
梅田氏:
「発展途上 My life」というタイトルの由来はありますか?
samfree氏:
ミカと雅は14歳と16歳のキャラクターで,まだまだ未来が果てしなく広がっていく年齢だと思います。発展途上の人生でしょうから,このタイトルをつけました。
梅田氏:
沼倉さんと原さんは,「発展途上 My life」を聞いて,どう感じましたか?
沼倉さん:
曲を聞いてみて,ミカと雅が一緒に活動するようになって,2人で並んで歩いている絵が浮かんだんです。ほのぼのとした日常,楽しさやうれしさを表現できればいいと思っていました。曲はのんびり,ゆったりした感じだけど,サビではノリノリになるし,試行錯誤してできた曲ですね。
「スーパー☆スター」のレコーディングのときは,曲を渡されて歌ってごくろうさまという感じでしたが,「発展途上 My life」と「Promise」では,トラックダウン(※)に立会い,曲が完成する瞬間を見させてもらい感動しました。
※バラバラに録られた素材をミックスし,一つの曲に仕上げる作業
この曲はミカと雅のことを歌っているんです。「まだ未熟なところがあるけど,それでも頑張ろう」と普段の自分に言い聞かせられるようで,歌詞も曲もすごく素敵だなと感じました。仮歌は初音ミクが歌っていたんですが,それが実際に人が歌っているように聞こえて,すごく驚きましたね。
レコーディングのときはすんなりと録り終えることができ,トラックダウンも参加させてもらったんですが,すごい作業を見せていただいて,貴重な経験になりました。
楽曲「Promise」について
梅田氏:
カバー曲で「Promise」を選んだのは,僕が熱望したからなんです。
新曲だけでなくカバーも入れたいと思い,J-POPやアニソンのカバーでは,ほかの企画CDなどとかぶる心配があったことと,ボーカロイドの曲を2人が歌うのはme to meのコンセプト「〜してみた」に合っていると考えたからです。今回はリンのパートをミカ,ミクのパートを雅に歌ってもらっています。
samfreeさんに曲を依頼する流れで,彼の楽曲では「Promise」がデュエット曲なので合致していますし,いろいろと求めていた条件に合ったんですね。
ちなみに,samfreeさんは「Promise」をどういうイメージで作られたのでしょうか?
samfree氏:
2008年にボーカロイドソフトの「鏡音リン」がリリースされたとき,ミクとリンで一緒に歌わせてみたら面白いかなと思い,デュエットの曲にしたんです。「2人の約束」をテーマに熱い曲にしようと思いましたね。
梅田氏:
沼倉さんと原さんは,「Promise」でボーカロイドの曲を歌ってみてどうでしたか?
「これをミカが歌うのか」と感じましたね。
今まで歌ってきた明るく元気な曲は,ミカが一番得意とするところだと思いますが,歌詞は真剣でまっすぐ,でも下から突き抜けていくような曲で,どうやって歌うか悩みました。梅田さんといろいろ相談して,最終的には真剣に必死になって歌うんだと思い,こんな感じになりました。
トラックダウンのときは,Bメロのサビ前とサビの途中のところの歌詞を掛け合いにしてみたらと提案をしてみたんです。役者以外のことで作品に立ち会えたのが勉強になったし,楽しいなって思いました。
カバー曲は「Promise」になるというのを聞いて,ボーカロイドが好きな人に「Promiseを歌うんだ」って言ったら,「これ名曲だよ」と満面の笑みを浮かべていたのが忘れられないですね。私も実際に聴いてみたとき「ほんまや」と思いました(笑)。
ほかの2曲とは雰囲気が変わってかっこいいと思いました。レコーディングはどういう感じで歌えばいいか分からず梅田さんとお話ししたんですが,「かっこいい曲を歌っているときの雰囲気がいい」という答えをいただいたので,迷いなくすんなり収録できました。
トラックダウンの作業のときは愛美のアイデアで,ミカと雅の掛け合いが入って,すごくいい感じに完成したなと思いましたね。
梅田氏:
レコーディング時の2人はどうでしたか?
samfree氏:
2人ともレコーディングをスムーズに終えていただきましたね。
「Promise」はボーカロイド用に作ったので,人間が歌うのと比べてキーが高めになっているんですが,ミカはぎりぎり歌えているのがいい味になったかなと思います。さすが2人ともプロフェッショナルですよね。
キャラクターの気に入っている部分や,自分と違っている部分
沼倉さん:
ミカには自作パソコンという趣味があるんです。ドラマの世界では「ニヤニヤ動画」というのがあり,そこに歌ってみた,踊ってみたという動画を投稿しているんですよ。
そういうことをする子に私はオタクな印象を持っていたんですが,それを吹き飛ばすくらいのパワフルさや元気で明るい面を持ち合わせていて,そこを表現するのが一番難しかったですね。
ドラマの収録は去年の冬前あたりだったのですが,収録に臨む前に,自分の力量でミカという女の子を表現するために試行錯誤したのが心に残っています。
演じるというのは,自分の中に持っているものを出すか,役が持っている長所・短所を自分に与えてくれるという場合もあります。ミカは明るい部分を与えてくれたことが大きいですね。
原さん:
雅はしっかりしてそうだし,凛としていますね。あとは鯨磨賀(ゲーマガ)流という日舞をやっているんです(笑)。
普段の自分とは正反対の女の子といっていいんじゃないかなと思いますね。お芝居をさせていただくにあたっては,演じやすいキャラクターでしたね。髪型など細部までこだわって作られていて,すごいと思いましたね。
2011年6月12日に開催される発売記念ライブについて
沼倉さん:
ライブということで歌が中心になりますが,me to meの世界観として歌う,踊るというのが中心にあるので,私達もそれに合ったことができればと思います。
キャラクターについては昨年末に発売されたボイスドラマの中でしか情報が出ていないので,もっと知ってもらえるようにしたいですね
原さん:
イベントではダンスも頑張りましょうという雰囲気になっていますね。
私はそれほどダンスが得意ではないのですが,ドラマの中ではミカが踊りができず,雅がアドバイスをするシーンがあります。実際はこれが逆になるんじゃないかなと思いますけど(笑)。ダンスに歌に一生懸命頑張りたいですね。
梅田氏:
「スーパー☆スター」に関してはしっかり振付がされており,これはMTPさんという方にお願いしています。ただ,あれを本気で歌って踊るとなるとかなり大変なんじゃないかなと思います。完全再現は難しいと思うけど,期待に応えられるものにしたいですね。
ボイスドラマについて
梅田氏:
コミケでCDを発売したとき,1曲だけだとキャラクターのことが伝わりにくいと感じたので,リスナーに理解してもらえるよう,30分ほどのドラマを作ったんです。2人の出会いのきっかけを描いたドラマになっています
沼倉さん:
ミカがニヤニヤ動画に動画を投稿しているんですが,なかなか上手くいっていない中,雅と出会うんです。彼女もいろいろ問題を抱えているんですが,アドバイスをしてくれて,一緒にやったら楽しそうだねと物語が始まるんです。
気に入っているのは,ニヤニヤ動画にいる時報女とミカとのやりとりですね。セリフの意味が分からないんですが,罵声を放つシーンがあって,ミカも意味が分からずしゃべっているんだろうなと思っていますけど,そこが楽しかったですね(笑)。
原さん:
ドラマの中にはいろいろなワードが出てきて面白いですね。「代々木公園で練習した」「iPodで音楽を再生」など,実際に踊ってみたってのをやっている方が聞いても共感できるお話だと思います。
あとは日舞の師匠(※梅田氏が担当)とのやりとりが面白かったですね(笑)。掛け合いもできてよかったです。
今後の展開について
samfree氏:
個人的な趣味なんですがユーロビートが好きなので,機会があればそういうのを作りたいですね。
梅田氏:
他のメディア展開については、関係各社にプレゼンなどはしているので,積極的に取り組んでいきたいですね。まずはCDデビューからです。
沼倉さん:
可能性は無限大にあるコンテンツだと思います。梅田さんは最終的にはアニメ化を計画しているらしいので,夢は大きく持ちたいですね。
原さん:
アニメ化できたら最高ですね。あとはソロ曲や今までの曲と合わせて10曲前後入れたフルアルバムも出したいですね。
梅田氏:
ゲーム雑誌発のコンテンツと言うことで,漫画やノベルといった紙媒体ならではの展開もあると思いますが,私は電子メディアという物事を多角的に見られる立場になりました。
ニコニコ動画からキャラ展開ができるのではないかというアプローチでやっているので,みんながあっと驚くような展開をやりたいですね。
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