シヴィライゼーションIII 完全攻略アカデミー
第ニ時限 超好戦的プレイのススメ
シヴィライゼーションIII(Civ3)の高難度レベルでは,好戦的なプレイに特化してプレイすることをお勧めする。これは,高難度の特性上,プレイヤーが文化的/技術的に後手に回ってしまうから。その対抗処置として"軍事国家"を樹立するのだ。
驚異のスピードで進化するライバル文明
「シヴィライゼーションIII 完全日本語版」の初回パッケージに同梱されていたステップアップガイドで紹介したように,難度の高いレベルで成果をあげるための方法が,プレイヤーの選択した文明を"超軍事国家"に仕立てあげることである。
まず,下の表を見ていただきたい。これは,ゲームが始まった時点で,ライバルの文明がどれだけのユニットを保有しているかを示した表である。具体的な攻撃ユニットの種類や数はある程度ランダムになっているようだが,大抵の場合,初期に開発可能なユニットや特殊ユニットが,すでに10ユニット程度登場している。これらのユニットは,蛮族の村を探しに行ったりライバルの都市の境界線を探りに行ったりと,序盤から,プレイヤーにはとうていかなわないスピードで可視地域を広げていく。
とくに天帝レベルで注目すべきことは,開拓者が1ユニット,労働者が2ユニット追加されていることだ。これだけでも,単純計算でプレイヤーの2倍のスピードで領土を広げていくわけで,プレイヤーが気付いた頃には大きな勢力となっているのも仕方がない。BC2000年くらいになって,ようやくプレイヤーが初めての衛星都市を建設した時期には,COMは五つや六つくらいの都市を保有しているだろうし,七不思議の建設へ向けて着々とシールドの生産を行っているかもしれない。
ライバル文明は,最初から労働者が3人もいるため,道路建設や農地開発による利益率がプレイヤーと比べて各段にアップしている。都市数が多い分だけテクノロジーの進化も速いし,より多くの文明と接する機会が増えるため,早い時期に技術の交換も頻繁に行われるようになる。これでは,プレイヤーの文明が,"後進国"に落ちぶれてしまうことになってしまう。もたもたしていると,あっという間にマスケット兵や長弓兵が襲いかかってくるのだ。
この文明拡張の速さが理由で,プレイヤーが天帝レベルで文化による勝利や宇宙開発競争による勝利を得るチャンスは,ほぼゼロに近いと思っていい。いくら防衛に努めていても,科学技術の進歩が遅過ぎるため,首都の近くにある第2,第3の都市でさえ,ライバル国の文化に魅了されてプレイヤーを見捨ててしまう。後手に回っていては,Civ3の高難度のレベルでは勝つことなどできない。
高難度レベルでのライバル文明の追加ユニット例 |
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皇帝レベル |
天帝レベル |
ローマ |
労働者1, 戦士4, 弓兵2 |
開拓者1, 労働者2, 戦士6, 弓兵2 |
ギリシャ |
労働者1, 戦士2, 装甲歩兵4 |
開拓者1, 労働者2, 戦士2, 装甲歩兵6 |
ドイツ |
労働者1, 戦士2, 槍兵4 |
開拓者1, 労働者2, 槍兵6, 弓兵2 |
中国 |
労働者1, 戦士4, 弓兵2 |
開拓者1, 労働者2, 戦士7, 弓兵2 |
日本 |
労働者1, 戦士6 |
開拓者1, 労働者2, 戦士8 |
インド |
労働者1, 戦士6 |
開拓者1, 労働者2, 戦士8 |
アステカ |
労働者1, ジャガー戦士4, 弓兵2 |
開拓者1, 労働者2, ジャガー戦士6, 弓兵2 |
イロコイ |
労働者1, 戦士6 |
開拓者1, 労働者2, 戦士8 |
エジプト |
労働者1, 戦士6 |
開拓者1, 労働者2, 戦士8 |
バビロニア |
労働者1, 戦士2, 槍兵4 |
開拓者1, 労働者2, 戦士2, 槍兵6 |
ロシア |
労働者1, 戦士4, 弓兵2 |
開拓者1, 労働者2, 戦士2, 槍兵6 |
アメリカ |
労働者1, 戦士6 |
開拓者1, 労働者2, 戦士8 |
フランス |
労働者1, 戦士6 |
開拓者1, 労働者2, 戦士8 |
ペルシャ |
労働者1, 戦士2, 槍兵4 |
開拓者1, 労働者2, 戦士7, 槍兵2 |
ズールー |
労働者1, 戦士4, 弓兵2 |
開拓者1, 労働者2, 戦士6, 弓兵2 |
イギリス |
労働者1, 戦士6 |
開拓者1, 労働者2, 戦士8 |
戦術としての軍備増強
そこで,ゲームに勝つための方法として考えられるのが,プレイヤーの文明を超軍事国家に仕立てあげることだ。孫子も言うように,追い詰められた状態で活路を開くには,一つの手しかない。そう,序盤から盛んに攻撃していくのである。
具体的には,施設や七不思議の建設を一切放棄してしまって,とにかくゲーム開始直後から戦闘ユニットを生産しつづけ,自国の資金がなくなる前に攻撃を仕かけていくという戦法の実践である。都市は自分で作るのではなく,ライバル文明から奪い取るのだ。この戦術が序盤から功を奏せば,付近のライバル文明を潰したり弱体化させるだけでなく,平和条約の集結に持ち込んで,自国で開発しきれない新テクノロジーや毎ターンの停戦保証料をせしめることだってできる。攻撃の手を休めず,文化ポイントが溜まらないことなど気にせずに,戦争を繰り返していこう。
ユニットの生産も,中途半端に行わない。首都を始めとした工業力を見込める主要都市では,休むことなくユニットを作り続ける。弓兵,槍兵,剣士のコンビネーションだけでも,序盤の近隣諸国を蹂躙できてしまう。大切なのは,攻撃と防御に十分な兵力を生産し,首都や主要都市から広がっていく国境に向けたユニットのパイプラインを構築することだ。
強くなることはいいことで,自文明のユニット数が別の国のユニット数よりも多くなった場合,その国をどれだけ怒らせても戦争を仕かけられることはない。そこまでいけば文化勝利だって科学勝利だってできそうなものだが,序盤のハンデのために,文化ポイントでは絶対的な差が付いてしまっているのが普通。そのため,天帝で勝つことが可能な勝利条件は,おのずと制覇か征服に限られてしまうのである。
つまり,都市建設やテクノロジーの開発は他国に任せ,自分自身は軍事ユニットを生産して拡張していく。皇帝や天帝レベルでは,こうした偏ったプレイこそが要求されているのだ。

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