ECTS 2001

 

ヨーロッパ最大のゲームショー,ECTS

ECTS  9月といえば,ヨーロッパでは最大の規模を誇るゲームの祭典「ECTS」の時期だ。今年で第14回めを迎えるECTS(European Computer Trade Show)はCMP Europe社の運営で行われ,2千に及ぶといわれるソフトウェアやハードウェアの最新作を見るため,約2万人の業界関係者が集まるのだ。場所は,前回まではロンドン西部に位置するオリンピアで行なわれていたが,今年からはロンドン東部のテムズ側沿いに新設されたExCeLロンドンが使用されている。
 もっとも以前から,9月という時期はクリスマス商戦の商談には遅すぎると考えられ,特に7年前からアメリカでE3(Electronic Entertainment Expo)が晩春に開催されるようになってからは,ECTSの規模はだんだんと縮小傾向にあるようだ。数年前から,イギリスでは唯一の大手ソフトウェア販売会社のEidos Interactiveが出展を見合わせているし,Electronic ArtsやMicrosoftなどの大手も見当たらない。去年までは常連だったNintendoやVeventi(Sierra Onlineの親会社),Interplayも今年は参入しておらず,天井の高いショーフロアも少々さみしい感じがする。

ECTS ECTS  さらに景気が減退しつつあることからか,欧米では"ブースベイブ"と呼ばれる半裸のオネーチャンやコンパニオンの姿もなく,かなり実務傾向にあるようだ。Infogramsなどは,ブースは大きく構えているものの新作の発表はおろかモニターさえも見当たらず,すべてネクタイを締めた人たちによるビジネス会合のための小部屋になっている。これは,CAPCOMやCodemastersも同じ現象だ。E3の華やかさに比べると,かなり真面目な展示会場に見える。
 そんなECTSに,プレスが参加する価値はあるのか? その答えは,もちろんイエスだ。メジャーな販売会社はUbi Softwareくらいしかなくなってしまってはいるが,特にドイツなどの元気な中規模のパブリッシャーが,Fishtank InteractiveやCDV Softwareを筆頭に多数参加しているし,期待される作品の展示も多い。また,すでにニュースで報告済みのBlizzard Entertainmentなど見逃せない話題も盛りだくさんで,今年末から来年のE3までを乗りきるための情報収集にはかかせない。
 特に,アメリカでもPCゲームの開発者がXboxなどに乗りかえるケースも少なくない中,ヨーロッパからはポッと出のゲーム開発者が斬新なゲームを出展してくるケースもあるかもしれないのだ。3Dアクセラレータの能力をギリギリまで引き出せるようなゲームを作るのもヨーロッパの開発者の得意とするところだし,戦略系やレーシングシムなど細かい作りのゲームが多いのも特徴だ。
 そういう隠れた財宝を見つけるべく,現地時間の9月2日から4日まで開催されていたECTSの模様を,あますところなく紹介していこう。

9月5日

9月4日

9月3日

9月2日

 

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