今年の東京ゲームショーの韓国ブースでひときわ人気を集めていたBestsoftの「Body Diet Dancing（BDD）」が，ラスベガスCOMDEX FALL 2000にも展示されていた。名称にDancingとあるもののダンスゲームのフロアコントローラではなく，実は格闘ゲーム向けコントローラである。
　両手両足を伸ばしたあたりにモーションセンサーが仕掛けてあり，それぞれがパッドのボタンにアサインされる。例えば右パンチを出そうとしたら実際にシャドウボクシングみたいな感じで右パンチを前方に向かって繰り出すわけだ。キックも同様に，足を前に蹴り上げるアクションをすればいい。ソファに座ってできるゲームをあえて全身でやるから"Body Diet"というわけ。

　東京ゲームショーに展示されていたバージョンはゲームセンター用の高級バージョン（写真1）。両足キックなどは，設置された手すりに捕まって実際に両足を前に繰り出すことで出すことができ，キャラクターの移動は床に設置された十字キーで行うことができた。
　一方，今回COMDEXで展示されていたバージョンは家庭用にカスタマイズされた廉価バージョン。フロア十字キーがなくなっているが，センサーが床にも設置されており，フロア入力はこれでセンシングされる。両足キックを繰り出すために便利な「手すり」は省略されており，どうしてもこの技を出したい場合は背後に自分で椅子を設置する必要があるかもしれない。なお，今回展示中のものはあくまで試作機であり，製品版はもっとしっかりしたものになる予定だそうだ。会場では，プレイステーション2に接続されて鉄拳TAGを使ったフリープレイデモンストレーションが行われていた。

　Bestsoftのスタッフによれば「この家庭用版BDDはPS2専用ではなくPCへの接続にも対応している」とのこと。家庭用版BDDはマルチプラットフォーム版を前提に開発を行ったために，接続インタフェースにはUSBを採用しているためだ。そう，これはUSB機器なのである（もしかして世界最大級の設置体積を必要とするUSB機器？）。
　デモ機のPS2への接続も実は「USB→PSコントローラ変換アダプタ」経由で行っているとのこと。ニンテンドー64やドリームキャスト対応のアダプタも検討しているらしい。「日本での発売は?」と聞いたところ「誰か代理店を紹介してくれ」との答えだった。ここを見ているメーカーさん，どうですか？

（トライゼット西川善司）

こちらは "高級"バージョン

こっちが 一般家庭用バージョン（試作機）