映画,テレビ,ゲームの暴力シーンが子供に与える影響はない - 10/23 23:30


 アメリカABCニュースは10月20日,ニュース番組「20/20」において,映画,テレビ,ゲームなどの暴力シーンが子供達に与える影響はないとする,Jonathan Freedman教授の意見を取り上げた。
 アメリカではここ数年来,テレビゲームなどの暴力描写などが未成年層――特に低年齢層に暴力的な性質を与える恐れがあるといわれ続けてきた。学会のお歴々達がこぞってこの説に賛同したため,"V-Chip"と呼ばれる装置をテレビなどに組み込んで,両親が子供達の見るテレビの内容をコントロールできるようにする法案が議会を通過している。
 いわゆる"V-Chip構想"と呼ばれる,テレビなどに暴力シーン規制装置を取り付けようという運動の推進者の一人である,ミシガン大学のLeonard Eron教授とRowell Heusman教授は,「1960年代からニューヨークの家庭875件を対象に,8歳だった子供が30歳になるまで追跡調査を行った結果,子供の頃にテレビのバイオレンスシーンを多く見ていた子供は,大人になって粗暴な性格になりやすい」という結果を発表している。
 番組においてトロント大学心理学教授であるFreedman氏は,V-Chip構想の根拠となっているAmerican Medical Association,American Psychological Association,American Academy of Pediatricsなどの団体が発表している報告書において,「1000以上の事例を検証したとしているが,実際には200ほどの事例について検証したに過ぎない」と述べた。また同氏は,過去15年以上にわたって英語で発表されたメディアの暴力について1000以上の事例を調査したが,暴力シーンが子供に与える影響はないとも述べている。

 番組では特にどちらの説も肯定していないようだが,このような調査が40年近く前からすでに行われていたというのが驚きだ。ただ,どちらの言い分も決め手を欠いているようではある。つまるところ子供が暴力的になったのをテレビのせいにする両親の教育態度やしつけなどにそもそもの原因があるのではないだろうか? まぁこの手の問題は,先進国各国で話題になりやすそうだ。この詳細は,ABCニュースの公式サイト(英語)で読むことができるので,興味のある人は「ここ」でどうぞ。
 ちなみに,テレビゲームと近視は大いに関係あると思うのだがいかがなものだろうか? (^^;



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