ソニックアドベンチャー デラックス
Text by UHAUHA
14th Jan. 2004
ハリネズミの"ソニック"が3Dアクションアドベンチャーで登場!
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シャチが道を破壊しながら追いかけてくるが,先が見えないため冷静に操作したいところだ |
セガの看板キャラクターといえる,ソニック。このソニックが登場するゲームはたくさんあり,そのすべてにいえるのが,ヤバいくらいのスピードがウリということだ。
普通に走っても十分速いが,ダッシュローラーなどに乗ったときはもう大変。ジェットコースター並のハイスピードでステージを走り回り,360度ループをグルグル,ジャンプ台を連続してビョ〜ン,ビョ〜ンと飛びまくる。あまりの速さに操作が追いつかず,気が付いたら谷底に落ちて「あ〜」なんて叫んでしまうこともシバシバ。
ただ,このスピードに慣れると絶妙のタイミングで停止できたり,連続して敵を倒せたり,自分でも「おぉ」と思ってしまうようなプレイができる。スピードにドキドキしながらも,(マグレでも)バッチリ操作できたときに得られる爽快感はかなりのものだ。
これらの要素をちゃんと引き継ぎながら,アドベンチャー要素を付け加えたのがハイスピード3Dアクションゲーム「ソニックアドベンチャー
デラックス」(以下,DX)である。
宿敵Dr.エッグマンの企み,液体生物「カオス」,そして「カオスエメラルドに秘められた謎」を巡り,ソニックと仲間たちの冒険が始まる……。といったストーリーが,アニメを観ているような感じで展開していく。
ちなみに本作は2003年に発売されたNINTENDO GAMECUBE版の移植作で,PCならではの特徴として,640×480〜1280×1024ドットの高解像度モードや,ウィンドウモードでプレイ可能となっている。
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アドベンチャーフィールド内にいる人々に話しかけると,さまざまなヒントが得られる |
ハイスピードで道を駆け抜けていると,リングがたくさん落ちているのに拾えないことも…… |
つららにぶら下がることもできるが,長時間同じ状態だと氷が溶けて下に落ちてしまう |
一つのストーリーの中で展開する6人のキャラクター&六つのシナリオ
メインとなるアドベンチャーモードで使用できるキャラクターは,ソニック,テイルス,ナックルズ,エミー,ビッグ・ザ・キャット,E-102ガンマの6人(匹?)。最初はソニックでしかプレイできず,ゲーム中にほかのキャラと出会うことで,そのキャラでもプレイ可能になるというシステムだ。
どのキャラを使ってもゲームのストーリー自体は同じなのだが,それぞれのキャラの視点で異なったシナリオが用意されているため,例えばソニックでプレイしたあとにナックルズでプレイすると,ソニックのときは分からなかった話の流れをつかむことができ,「なるほど,ここにつながっていたのか」なんて具合に思うわけ。そのため自然にすべてのキャラでプレイしたくなる点が,好印象だ。
四つ用意されたゲームモードについて説明しておこう。
・アドベンチャーモード
メインとなるゲームモード。アドベンチャーフィールドとアクションステージの二つのフィールドに分かれていて,二つのフィールドを行き来してゲームが展開していく。
アドベンチャーフィールドにはクリア条件や時間制限などはなく,街の中を走り回り,人々に話しかけてヒントを得たり,電車に乗って別の場所に移動したりできる。さまざまな場所を探検し,重要なアイテムや隠された通路などを見つけることにより,アクションステージへの道が開くのだ。
そしてアクションステージは今までのソニックシリーズそのもので,リングを拾いながらクリアを目指してステージを走り回ることになる。各ステージにA,B,Cと3種類のレベルがあり,レベルごとにクリア条件も違うため,同じステージを最低でも3回は楽しめるのが嬉しい。
・トライアルモード
アドベンチャーモードに登場する各アクションステージの上位レベルや,テイルスが操縦するトルネード号に乗って空中要塞エッグキャリアを追撃するスカイチェイス(3Dシューティング),カートに乗ってサーキットを走り回るトゥインクルサーキット(レース)など,"遊べる"ミニゲームが多数用意されているモード。どれもミニゲームとはいえ,かなりハマれるぞ。
・ミッションモード
ステージに隠されたさまざまな指令(ミッションオブジェクト)を探し,課題をクリアしていくモード。〜を指定された場所に置く,空に浮かぶ風船を割る,コインを集めて所定の場所に行くなど6キャラクター60種類のミッションが用意されている。
このモードは,アドベンチャーモードをクリアしたキャラクターでのみプレイ可能だ。
・プチゲームコレクション
ゲーム中にある条件を満たすと,1991年から1996年までに携帯ゲーム機ゲームギアで発売された,ソニックシリーズ12タイトル(国内未発売を含む)をPC上でプレイできるようになる。ゲームギア版でさんざんプレイした人は,懐かしいと思うだろう。
プチゲームコレクション一覧 |
ソニック・ザ・ヘッジホッグ |
ソニックラビリンス |
ソニックドリフト2 |
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1991年 ACT |
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1995年 ACT |
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1995年 レース |
ソニックドリフト |
ソニック・ザ・ヘッジホッグ2 |
テイルスのスカイパトロール |
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1994年 レース |
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1992年 ACT |
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1995年 ACT |
ソニック&テイルス |
Dr.エッグマンのミーンビーンマシーン |
Gソニック |
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1993年 ACT |
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パズル 日本未発売 |
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1996年 ACT |
ソニックピンボール |
ソニック&テイルス2 |
テイルスアドベンチャー |
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テーブル 日本未発売 |
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1994年 ACT |
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1995年 ACT |
トリッキーなステージをキャラクターの特性を生かして走り回ろう
ステージは洞窟,カジノ,空中要塞,遊園地などバリエーションに富んでいて,ジャンプ台やロケットなどを使って移動するような大きな高低差や,パズル的な要素で次のステップへ進むところなどもある。全体的にトリッキーなステージ構成になっているが,難しくて先に進めないということはほとんどなく,難しい場面も何度かトライしていれば先に進めるといった程度の難度なので,テンポ良くプレイできる。
それぞれのステージは,アドベンチャーモードでプレイするだけでなく,トライアルモードでも一つを選択してプレイできるためか,どれも構成,長さ,バランスなどが絶妙で完成度の高いものとなっている。
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大型扇風機の上に乗るとフワフワと空中浮遊できるが,調子に乗ると崖下に転落するのでご注意を |
先述したとおり,キャラごとのクリア目的,アクションの違いなどにより,同じステージでも違った印象でプレイできる。
ダッシュローラーやジャンプ台に乗って超高速移動するのはソニックとテイルスくらいで,ナックルズは三つのエメラルドのかけらを求めて壁を登り,穴を掘り,滑空飛行で動き回るし,エミーはロボットZEROから逃げ回り,ビッグ・ザ・キャットは釣り竿片手に親友のカエル君探しをするなど,ソニックからイメージされるハイスピードアクションゲームだけではないのも魅力である。
もちろんソニックシリーズらしく,取るのが難しい場所に設置されていたりするリングやアイテムを集めるのも面白さの一つだ。
ステージ中にあるリングを1個でも持っていれば,ダメージを受けてもリングが散らばるだけで済む。散らばったリングは,消失する前に回収すればいい。逆にリングを1個も持っていないときは簡単にゲームオーバーになってしまうので,注意が必要だ。
とはいえリングは,ダメージを受けないためだけにあるのではない。100個集めれば残キャラが増えるし,クリア時に持っていたリングの数をポイントとして溜めることで,チャオガーデンでタマゴやエサなどの買い物ができるのだ。だからできる限り多くのリングを手に入れて,ステージクリアすることが重要となる。
あからさまに置かれたリングやアイテムも多いが,見つけにくい場所に置いてあるものも数多くあり,見つけると無性に取りに行きたい衝動に駆られてしまう。無理に取りに行ってリング数個のためにキャラを数人失った,なんてことも……。しかし,実に楽しいのだ。
ちょっと気になったのが,ゲーム中のプレイ視点(カメラアングル)についてだ。視点は基本的にオートで切り替わるのだが(手動切り替えも可能),プレイしづらい視点に切り替わることが非常に多いと感じられた。
行くべき方向が分かるように視点が切り替わるとプレイしやすいのだが,どういうわけか,真上から見下ろしたような視点に切り替わることさえある。オートでも自由に視点を切り替えられるので自分で調整すればいいのだが,場所によっては思い通りに調整できず,少し移動して再び調節するということもあった。
エミーでプレイしてロボットZEROに追われているときなど,視点を調節しているヒマがない場合もあり,せっかくテンポ良く進んできたのに,これが原因で流れが止まってしまうこともあり,もうちょっと調整してほしかったと思う次第。
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ビルを真っ逆さまに駆け下りるといったソニックらしいステージも用意されている |
ステージ中にある赤い玉に触れると,ゲームを進めるうえでの重要なヒントを教えてくれる |
ボス戦ではライフゲージが無くなるまで攻撃を加えなくてはならない。何度か失敗すると倒すためのヒントを教えてもらえる |
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いかにもソニックらしいステージ構成。ジャンプ台では連続して勝手にジャンプしてしまうので,着地点に注意 |
テイルスのクリア条件はソニックよりも早くゴールすること。プロペラ飛行を生かしてショートカットするべし |
ビッグでプレイ中にソニック,テイルスと出会う。"なぜここにいるのか"は,ソニックやテイルスでプレイすると分かる |
クリア後も楽しめるボリューム満点のアクションゲームだ
プレイして感じたのは,かなりボリュームある内容になっているということだ。一つのストーリーを6キャラそれぞれの立場で味わうことができるし,キャラの特性も違えば,同じステージでもクリア方法も違う。ゲーム中にソニックピンボールなどのミニゲームが登場し,ゲーム終了後にはそれぞれを単独で遊ぶこともできる。
まだまだある。本文では大きく触れなかったが,チャオを育てて,チャオレースに参加させたりする楽しみもある。60種のミッションを探し求めて走り回ることも多いだろう。さらにゲームギアのタイトルまで遊べ,デスクトップを飾れる壁紙やマウスポインタが付いてくる。ここまで来ると,ボリューム満点という言葉がピッタリだ。
メインのゲーム自体の難度もそれほど高くなく,それでいて満足できるゲームバランス,クリア後も楽しめるオマケ要素も満載。見た目は低年齢向けだけど,3Dアクションゲームが好きな人なら,年齢に関係なく楽しめるソニックアドベンチャー
デラックス。テンポ良く爽快なソニックワールドを,存分に味わってほしい。
なお,ちょっとでも興味を持ったら体験版をプレイしてほしい。体験版A「こちら」,体験版B「こちら」と2種類あるが,すべてのキャラを使用できる体験版Aがお勧めだ。まずは体験版Aをプレイして,出来映えをチェックしてみてはいかがだろうか。
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エミーは追いかけてくるロボットZEROに捕まらないように逃げ回る。ピコピコハンマーで転ばせて足止めをしよう |
宿敵Dr.エッグマン。今回は液体生命体カオスを使い,やられてもやられても何度も戦いを仕掛けてくる |
アドベンチャーフィールドには人工生命体チャオを育てられるチャオガーデンがある |
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アクションステージではパズル要素も取り入れられているが,それほど難しくないので詰まる心配はないはず |
カジノエリアでは,ソニックとナイツのピンボールをプレイできる。かなり楽しいのでハマること請け合い |
ダッシュパネルなどもある某F-ZEROを彷彿とさせるミニゲームのトゥインクルサーキット |
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ミニゲームのスカイチェイスでは,ロックオンしてホーミングミサイルで攻撃することも可能だ |
ミッションモードでは指令を探しクリアしていく。計60種もありので,すべてクリアを目指そう |
プチゲームコレクションに収録されたゲームギア版ソニック・ザ・ヘッジホッグ。サウンドなどもそのままだ |
■メーカー:セガ
■問い合わせ先:セガPCユーザーサポートセンター TEL 0570-000-354(月〜金 10:00〜17:00)
■価格:6880円
■動作環境:Windows 98SE/Me/2000/XP,PentiumIII/600MHz以上(800MHz以上推奨),メモリ:128MB以上(256MB以上推奨)
,空きHDD容量 700MB以上(1.4GB以上推奨),16MB以上のメモリを搭載したビデオカード,DirectX 9.0a以降
■Screenshots集
■体験版A,体験版B
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