WarCraft III:Reign of Chaos

「Warcraft3」種族別詳細

Race#3:Undead

使い手を選ぶ技巧派の種族?

 WarCraftIIIで新たに追加されるUndeadは,リッチ・キング「Ner'zhul」によって率られる死の軍団である。おどろおどろしい雰囲気もさることながら,死体から「Skelton Warrior」を作り出したり,戦闘で死んでしまったユニットを敵味方問わずアンデット化させて戦わせたりと,闇の軍団ならではの戦い方ができる点がこの種族の大きな特徴といえる。また死体からSkelton Warriorを作り出す「Necromancer」を始めとして,一風変わったユニットや魔法が揃っており,ほかの種族に比べると多少テクニカルなプレイを求められる印象も受ける。
 Undeadは攻撃的な特性を多く持ち,序盤の攻防にも長けているところから,日夜対戦に勤しんでいる強者テスター達の間では,Night Elfと共に高い人気を誇っている様子だった。

土地を汚染させながら勢力を広げる

 Undeadには"土地を汚染"させるという概念が存在し,加えて"汚染した土地でなければ施設を建設できない"という制限が設けられている。つまり,戦いの中,戦略的なポイントがあるからといって,そこに防御施設やユニットの生産拠点を簡単には作れないのである。ただ,金鉱に据え付ける「Haunted Gold Mine」などの基礎施設は,例外として汚染されてない場所でも建設が可能で,それらを作ることでまず周りの土地を瘴気(しょうき)で汚染させ,ベースとなる汚染地帯を確保することができるのだ。
 またUndeadは,生産性の面では非常に優れた部類に入る種族であり,金の採取に関してもHumanやOrcのように拠点と金鉱を行ったり来たりして金を運ぶ必要がない。Undeadの採掘施設であるHaunted Gold Mineに「Acolyte」という生産系ユニットを張り付かせ,怪しげな呪文を唱えさせることで金を採取していくのである。Night Elfの採取方法と同じく,なかなか効率がよいといえるだろう。加えて,Undeadは施設の建設方法もかなりユニークである。というのも,この種族では建設作業に"ユニットを従事させる必要がない"のである。施設の建設は,生産系ユニットのAcolyteが魔法を唱えることで行なわれるのだが,施設が出来上がるまでAcolyteが"魔法を唱え続ける"必要はないのだ。つまり,建設を指定した直後に召喚魔法(なのか?)を唱えるだけで,あとは施設が自動的に出来上がっていくのである。複数の施設を同時に建設する場合でも,一人のAcolyteを使うだけで済むわけだ。

個性豊かなユニットを使いこなそう

 Undeadで生産できるユニットは,なにかしらの"一芸"が用意されているものが多い。例えば,最初に軍事施設「Crypt」で生産可能になる「Ghoul」は,周囲の死体を食べることで体力を回復する「Cannibalize」という特殊能力を持っているし,糸を飛ばして敵を攻撃する化け物蜘蛛ユニット「Crypt Fiend」には,飛行ユニットを地表に引きずり落とす「Web」という能力があるのだ。自らの体を石化させて防御力を高める「Gargoyle」や,死体を持ち運べる「Meat Wagon」など,とにかく"個性的"という意味では不自由しないのが,このUndeadという種族の特徴だろう。
 後半で生産できる上級ユニットは,高い肉弾戦能力を誇る「Abomination」と,圧倒的な破壊力を持つ飛行ユニット「Frost Wyarm」の二つ。ちなみにAbominationは,「Disease Cloud」という技術を開発すれば,周りに毒霧を発生させることができ,その毒霧に触れた敵ユニットは徐々に体力を奪われていく。敵陣へと突撃していくユニットの特性上,この特殊能力は地味ながら嬉しい部分で,Abominationは後半の主力候補に数えられそうな雰囲気だ。

骸骨軍団の大行進こそがUndeadの醍醐味!?

 死体からSkelton Warriorを作り出す闇の魔術師「Necromancer」は,Undeadを象徴するユニットの一つといえる。Skelton Warriorは,能力的には決して強いユニットではない。しかし,Skelton Warriorをいくら作っても"人口"としてカウントされないため,材料となる死体さえあれば,何体でも気兼ねなく量産できてしまうところが最大の強みである。つまり,環境さえ整えばそれこそ蟻の大群のような骸骨軍団を編成できるわけだ。戦闘力としては期待できないが,敵の攻撃をそらす使い捨ての盾として最適なユニット。いろいろな局面でその使い道はある。
 またSkelton Warriorの材料となる"死体"は,ユニット(敵味方問わない)が倒されたときだけでなく,Undeadの武装強化施設である「Graveyard」の周囲にも,一定の間隔で作り出される。戦闘で発生する死体だけではまかないきれないだけに,Necromancerを使う場合には,Graveyardの周りに作り出される死体をMeat Wagonで前線に運ぶなど,ちょっとした気配りが必要になってくるだろう。ちなみにNecromancerには,Skelton Warriorを生み出す「Raise Dead」のほかに,対象ユニットのHPが毎秒4ずつ減る代わりに,そのユニットの攻撃速度を75%上昇させる「Unholy Frenzy」,対象の攻撃速度と移動速度を大幅に減少させ,さらには受けるダメージを50%増幅させる「Cripple」などの魔法が用意されている。
 もう一つの魔法ユニット「Banshee」には,一定の確率で攻撃ミスを発生させる「Curse」,一時的に対魔法障壁を発生させる「Anti-magic Shell」に加えて,ヒーロー以外の地上ユニットの魂を乗っ取ってしまう「Possession」を含め,計三つの魔法が用意されている。Possessionを使うと,選択した敵ユニットを自分のものしてしまえるが,元の体―魔法を唱えたBansheeの体―は破壊されてしまう。ここぞ!というときのみに使用は限られるだろう。

総評

 とにかくNecromancerが楽しいという一言に尽きる。実際に強いかどうかは抜きにして,唯一"大軍で押し寄せる醍醐味"が味わえる種族といえるかもしれない。対戦では,序盤から生産可能となる蜘蛛のようなモンスターユニット「Crypt Fiend」が非常に強く,安定して戦える扱いやすい種族でもある。ただ,弱点を一つ上げるとするならば,ほかの勢力に比べて若干ヒーローが扱いにくく感じられる部分だろう。とはいえ,頻繁にバランス修正が加えられているβテストの状況を見ると,製品版ではまた違った印象を受けるかもしれない。

■ヒーロー紹介

Death Knight

 Undeadの軍勢を指揮する闇の将軍。漆黒の馬にまたがって巨大な剣を振りかざす様は,なかなかにカッコイイ。敵の"生ある"ユニットに使った場合にはダメージを与え,味方である"不死なる"ユニットに使うと体力回復の魔法となる「Death Coil」や,対象の味方ユニットを殺す代わりに,そのユニットのHP分だけダメージを吸収してくれるシールドをDeath Knight自身の周りに張ることができる「Death Pact」という魔法を使えるほか,周囲の味方ユニットの移動速度/攻撃速度を上昇させる「Unholy Aura」という特殊能力も備えている。
 レベル5以上で習得できる"究極奥義"は「Animate Dead」。敵味方問わず,死んでしまったユニットをアンデッドとして復活させ,自軍のユニットとして戦わせることができる。

Lich

 強大な魔力を備えたアンデッド。その強大な魔力で冷気を操って敵を攻撃する。
 全部で四つの特殊能力を持ち,中でも冷気をぶつけてダメージを与える「Frost Nova」は,移動速度と攻撃速度を減少させる"凍結効果"を備え,乱戦時で非常に重宝する攻撃魔法だ。このヒーローを使う場合には,優先的に強化していく能力である。加えて,冷気のシールドを作って防御力を高める「Frost Armor」や,味方ユニットを生け贄として殺し,そのユニットのHP分だけ魔力を回復させる「Dark Ritual」などの補助魔法が用意されており,サポート系のユニットとして上手く立ち回らせたいヒーローといえる。
 最終奥義は,範囲内のユニットの体力を毎秒4%ずつ奪っていく攻撃魔法「Death and Decay 」。破壊力はあるが,詠唱しているLich自身が移動してしまったりすると,途中で魔法の効果が終了してしまう。

Dread Lord

 闇の代理人である「Dread Lord」は,どちらかというとサポート系のヒーローだ。大量のコウモリを召喚して敵にダメージを与える「Carrion Swarm」,任意のユニットを深い眠りに誘って一定時間戦闘不能にさせる「Sleep」などの特殊能力を持ち,とくにSleepの効果は非常に強力である。ただ,魔法は一回唱えるごとに"リチャージ"する時間が必要になる(魔力の回復とは別)ため,戦闘開始と同時に一気に敵のユニットを眠らせまくる!という使い方はできない。能力の高いユニットを優先的に眠らせていくなどの使い方が必要になるだろう。
 究極奥義として覚える「Dark Summoning」は,指定した地域の味方ユニットをDread Lordの近くに呼び寄せる能力。分散している部隊を集結させたいときなどに有効である。

■番外

(1)
手頃な死骸を見つけたら,さっそく"量産体制"に入ろう
(2)
魔力の許す限りどんどんRaise Deadを唱えるべし!
(3)
たった二人のNecromancerから,こんな軍団ができました

 

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