ウルティマX オデッセイ プレスカンファレンス

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8種の徳を極めていくフォロワーとアバタールを目指すヒーロー

 UXO独特のシステムといえる"フォロワー"にも少し変更がなされている。
 いままでは一人のキャラクターと七人のフォロワーで八つの徳を極めていくという図式だったが,今回の変更で,一人のヒーローと8人のフォロワーになった。つまり,八つの徳はフォロワーだけで極めて,ヒーローはアバタールを目指すというシンプルな図式となったのだ。
 フォロワーが徳を極めるには,まずレベル100(!)まで成長させ,その後特別なクエストをクリアする。これで徳を極めたことになり,ヒーローのディサイプル(Disciple:弟子)となるのだ。ディサイプルが誕生すると,ヒーローのレベルキャップが外れて,105レベルまで成長させられるといった仕組みだ。さらに,ヒーローは二人めのディサイプルを追加させるクエストをクリアして,ディサイプルを増やして,レベルキャップを上昇させて……と繰り返していくことになる。
 ちなみに,8人のフォロワーはそれぞれ別の徳を極めていかなければならないが,そのパス(一般的なRPGでは職業に当たるもの)には制限がないようだ。
 それぞれのディサイプルが誕生するごとにヒーローのレベルキャップが+5されるので,8人×5でヒーローのレベルは140まで上げられるようだ(カンファレンスでは145という数字が出ていたので,最後は特別に+10なのかもしれない)。
 8人のフォロワーがすべてディサイプルとなると,ヒーローに対してアセンションクエストが発生。そしてヒーローの"悪"の面であるガーディアンと対決をするという流れとなるようだ。クエストが単発のものなのか,壮大な連続的なものなのか,さらにガーディアンを倒して融合したあとはどうなるのか,などいろいろな疑問が湧いてくるが,この部分は未公開ということだ(ゲームの結末にも関わるからかも)。

レーティングに左右されるPvPシステムと,ショップベンダー

 以上は大きい部分の変更点。ここから細かいものをずらずらと紹介していこう。
 まずは,PvP関連。UXOでは,両者が合意しなければDuelできないようなシステムとなっているが,一方が希望をWorldwideで表明でき,それを受けたプレイヤーは瞬時に希望を出していたプレイヤーのそばへとテレポートするらしい。この"Worldwideで表明"という部分は,おそらく「EverQuest」(以下,EQ)でいうところの"/who"コマンドでプレイヤーリストを表示したときに,Duel希望アイコンのようなものが表示されるという感じではないだろうか。
 各プレイヤーにはレーティングというパラメータが用意され,Duelの結果によって増減するだけでなく,Duel相手も制限されるとのこと。つまり,レーティング1000のプレイヤーがduelを表明していたら,レーティング1000付近のプレイヤーしか受けられないということだ。面白いのは,このDuel中は,ほかのプレイヤーは観戦するのみだが,モンスターは攻撃が可能という点。モンスターの介入によって勝敗を左右する可能性があるのは,いままでにはない面白いランダム要素ではないだろうか。
 ギルドウォーでも基本的にはduelと同じシステムとなり,レーティングによって戦争を受けるか受けられないかが決まるようだ。またギルドウォーは,プライベートエリアで行うようになるとのこと。
 またギルドウォーでは,勝利条件や戦闘場所,期間などの細かい設定を行うことができ,きっちりと勝敗が決まるようだ。アイテムを賭けたりできるので,小さなギルドウォーがあちらこちらで行われるようになるかもしれない。

 次に,ショップとアイテムの部分について。ショップベンダーには,レベル1〜100までの武器/防具などが陳列されていて,あるレベルの武器を購入すると,そのレベルの武器がランダムに補充される。これはショップがいつも同じアイテムを陳列していないということを意味しているので,欲しいアイテムを探してベンダー巡りができるのだ。
 なお,ショップベンダーから購入したアイテムは劣化していき,最後は壊れてしまう。モンスターから入手したアイテムは劣化しないらしいので,そのドロップ率はかなり低く抑えられるかもしれない。またプレイヤーがベンダーに売却したアイテムは,陳列されることはないとのこと。このあたりは,UOと大きく異なる部分だ。
 ちなみに,UXOにはプレイヤーと一緒に成長していくインテリジェントアイテムや,徳ポイントをつぎ込んで強化させられるヴァーチューアイテム(Virtue Item:徳アイテム)が登場する。これがレアアイテム扱いで,いずれは使っていくことになる武具ということなのだろう。

興味深い回答が得られたインタビュー

 最後に,βテストの開始時期についての言及があった。以前は2003年のクリスマス時期にはβテストが開始できるとアナウンスしていたが,中途半端なデキでテストを行うよりも,より完全に近い形で行い,そこからさらに完成度を上げていきたいとのこと。テストは2003年度のQ4(つまり2004年の1月〜3月)あたりを予定していて,日本語ローカライズも同時に進んでいるので,日本でのβテストもアメリカと同時にスタートしたいということだ。正式サービスは春以降だろう。
 ここで,プレスカンファレンスは終了。その後,開発陣の二人に短い時間だったがインタビューが行えたので,"UXOのプレイスタイル"という面での疑問をいくつかぶつけてみた。

 まずは,8人のフォロワーでそれぞれの徳を極めていくことは,同じフィールドでのレベリングを8回繰り返すということになり,キャラクターの成長が単調な作業になってしまうのではないか? という質問。これに対してハンナ氏は,四つのパスはそれぞれ独特で,例えば戦士タイプでもいろいろなスキルアビリティが用意されているので,単調にはなりにくいと答えた。また極めていく徳によって発生するクエストが異なるうえ,エリアが広大なので意図的に同じエリア,同じパス,同じスキルアビリティを選ばなければ,"作業"と感じることはないだろうとのことだった。
 次に,経験値の入り方の質問。一撃ごとなのか,それともEQのような総ダメージ量で決まるのか……。これは,EQのようなシステムになるとのこと。モンスターに対してダメージを一番多く与えたプレイヤー(が,入っているパーティ)が,経験値を得るというものだ
 ちょっと気になったのは,その後に続いた「……そしてパーティが経験値を得た場合は,均等に分配される」という部分だ。これについてより深く聞いてみたところ,「UXOでの経験値の入り方は一般的なRPGとは異なり,自分と同じレベルのモンスターを倒した場合,レベルに関係なく一定」という興味深い答えが得られた。例えば,レベル10のキャラクターがレベル10のモンスターを倒したときに1000の経験値を得られたとすると,レベル80のキャラクターがレベル80のモンスターを倒しても得られる経験値は1000ということだ。
 まぁ,レベルが上がるにつれて次レベルまでの必要経験値も上がっていくはずなので,このあたりは"見せ方の違い"ということなのだろう。

 最後に,広大なフィールド(55エリアあるらしい)での移動手段についての質問。乗り物がないということは以前から知られていたが,すべてのエリアを徒歩で移動するというのは1プレイヤーとして少々きついからだ。これに対しては,二つの移動手段を用意しているとのこと。
 一つめはウルティマシリーズならではの"ムーンゲート"。これはUOのように自由に使えるのではなく,キャラクターのレベルによって行き先に制限があるらしい。例えば,レベル10では3か所のムーンゲートしか移動できないが,レベル30では10か所移動できるということだ。なお,ムーンゲートは全世界に20か所用意されている
 もう一方は,プレイヤーが直接呼び寄せるというもの。フレンドリストに登録されているプレイヤーならば,アビリティやアイテムを必要とせずにどのような場所にでも呼び寄せられるのだ。これは,あとからログインしたプレイヤーが,仲間と合流する場合などに非常に便利なシステムといえるだろう。ちなみに,Microsoftが現在開発中の「Mythica」などでも,このシステムが搭載される予定となっている。

 と,いままでの情報から大きく変わったようにも見えるUXOだが,着実にその完成度はアップしている。さまざまな方面からのフィードバックを積極的に受け入れて,UXOをより良い方向へと成長させていっているということを,今回のプレスカンファレンスで感じられた。
 βテスト開始まではまだしばらく時間がありそうだが,さらに完成度が上がっていくことを期待して待ってみよう。(Seal)

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