Tales Weaver

「Tales Weaver」インタビュー

Tales Weaverプロジェクトマネージャー
Choi, Won Gyu(チェ・ウォンギュ)

Text by Kim Dong Wook

Choi, Won Gyu氏プロフィール
Ho Seo Universityゲーム工学科卒業で,現在25歳。代表作は「GENESIS 3 Part 2」(2000年)。


 韓国において,オープンβサービス開始3日間で同時接続者4万5000人という大記録を打ち立て,また日本にも前代未聞の100万ドル(約1億1820万円)という契約金で輸出されることが決定している"ポスト ラグナロクオンライン"の筆頭ゲーム「Tales Weaver」。forGamerでは,この超期待作を開発しているSOFTMAX社の開発責任者に,日本のメディアとしては初のインタビューに成功した。

 Tales Weaverのプロジェクトマネージャーを務めるChoi, Won Gyu氏は,小学校時代に遊んだMSXを始め,日本で発売されたすべてのゲーム機を体験したという。中でも,コナミの「ウイニングイレブン」はこれまでの人生で最も好きなゲームだと話しており,彼は日本のコンシューマ機と共に成長してきたといっても過言ではなさそうだ。そんなChoi氏が作るMMORPGとは,どんな姿になるのだろうか?


4G:
 Tales Weaverは"ドラマチックMMORPG"という新しいジャンルだと聞きましたが,これは具体的にはどのようなものなのでしょうか?

SOFTMAX:
 既存のオンラインゲームとは違って,Tales Weaverのキャラクター達には,強い個性が与えられています。一般的なMMORPGでは,種族とクラスを選ぶことで自分の分身となるキャラクターを作成しますが,本作ではキャラクターごとに"性格付け"を行っており,またそれぞれにバックグランドストーリーを設定しているのです
 Tales Weaverのエピソード1では,計8人のキャラクターが使用できます。どのキャラクターで遊んでも,それぞれキャラクターごとのストーリーに沿ってゲームが進行していきます。早い話が,メインストーリーが存在するMMORPGなんですよ。

4G:
 なるほど,確かにいままでのMMORPGがいう"ストーリー"とは一風変わっていますね。すると当然,既存のMMORPGとは違ったシステムもいろいろと用意されているのでしょうか?

SOFTMAX:
 Tales Weaverのゲームコンセプトは,"スピード感溢れるアクション性"と,"ドラマチックなシナリオ"です。この二つのコンセプトに関連して,いろいろとユニークなシステムを用意しています。
 例えば,戦闘時にアクション性溢れるコンボ技を使用できます。キャラクターは,使用したいコンボ技を,あらかじめ"コンボスロット"にセッティングしておくことができます。攻撃方法はそれぞれ攻撃力と発動時間が違うため,ユーザーごとの戦略(コンボ)によってさまざまな攻撃パターンが存在することになります。このシステムをうまく表現するために我々はすごく気を遣っており,βテストではユーザー達から良い評価をいただきました。

 次に,"ダイナミック イベントシステム"を紹介しましょう。ちなみにこの場合の"イベント"というのは,"クエスト"とはちょっと意味が違います。クエストは,一般的なMMORPGのクエストとほぼ同じものと考えてください。つまり,村でNPCから受けた依頼を解決するといったものですね。イベントもクエストの一種ですが,そのイベントのためだけに生成される空間で進行していきます
 キャラクターがある条件を満たすと,NPCから特定のクエストを受けられます。そのときそNPCが「そこで,お前は自分自身の過去に関する秘密を知ることになるだろう」といったようなセリフを話すんですよ。もしプレイヤーがそのキャラクターの過去を知りたいと思えば,そのダンジョンへ向かうことになります。この瞬間から,プレイヤーはそのキャラクターに感情移入してプレイするようになるはずです。
 そのダンジョンの入り口に到着すると,イベントモードが発動します。イベントモード中は通常のフィールドから完全に切り離されて,そのキャラクターだけが存在する場所で,ほかのプレイヤーキャラクターに邪魔されることなくストーリーを楽しめるわけです。もちろんイベントをクリアすれば,また通常のフィールドに戻れますよ。

4G:
 Tales Weaverの画面を見ると,デフォルメされたキャラクターなど,さまざまな面で日本のRPGのような雰囲気を感じます。何か影響を受けた日本のゲームはありますか?

SOFTMAX:
 うーん,敢えて挙げるならば,スクウェアの"聖剣伝説シリーズ"ですね

4G:
 ああ,なるほど。確かにそんな感じを受けますね。ところでTales Weaverって,「創世記伝」(GENESIS)シリーズとはどういう関連があるのですか?

SOFTMAX:
 創世記伝をプレイしたことのある人ならば,スキルやモンスターに見覚えのあるものを見つけるでしょう。またイベントやNPCなどで,創世記伝で印象的だったキャラクターにそっくりなキャラクターを登場させる予定もありますし,やはり創世記伝を知っているとより面白く遊べるかもしれません。もっとも,ストーリー的なつながりはないので,創世記伝を知っておく必要はありませんけどね。
 ともかく,創世記伝をプレイしたことのあるユーザーならば,間違いなくTales Weaverのことも好きになるはずですよ

4G:
 Tales Weaverのイラストは,日本でも有名なKim, Hyung Tae氏が担当しているという噂を聞いたのですが,実際のところどうなんでしょうか?

SOFTMAX:
 それなんですが……,実はイラストレータが,自分の名前を出したくないと言ってるんですよ。だからこの質問には残念ながらお答えできません。本当にすみません。

4G:
 本作の開発では,初期の段階から日本でのサービスを念頭に置いていたのでしょうか?

SOFTMAX:
 それはありますね。グラフィックスやストーリーなどは,日本のコンシューマ用ゲームの持つ雰囲気をかなり意識して作っています。コンシューマ,PCを問わず数多くのゲームをプレイしてきた日本のユーザーにも違和感なく受け入れられると自負しています。

4G:
 このTales Weaverは,破格の好条件で日本に輸出されましたよね(編注:「こちら」のNews参照)。実は日本でのサービス権を得たネクソンジャパン以外にも,たくさんの日本企業からオファーがあったと聞いたのですが,どうして同社に決めたのですか?

SOFTMAX:
 ネクソンジャパンが提示した手付け金100万ドル+ロイヤリティが30%という条件は,韓国でもこれまで聞いたことのない破格的な条件でした。それに同社はTales Weaverの日本でのサービスに意欲的で,積極的に当社にコンタクトを取ってきました。これらの点が,この契約の決め手になったんですよ。

4G:
 日本でのサービスはいつ頃始まるんでしょうか?

SOFTMAX:
 すみません,今のところ日本でのサービス開始時期は正式に決まっていません。2003年中にはサービスを開始する予定で動いています

4G:
 Tales Weaverのライバルだと思うMMORPGはなんでしょうか?

SOFTMAX:
 現在日本でもサービスされているゲームでは,「ラグナロクオンライン」ですね。可愛らしいキャラクターの登場するファンタジーRPGという意味で,非常に似ていますから。

4G:
 なるほど。じゃあChoiさんが個人的に一番好きなMMORPGはなんですか?

SOFTMAX:
 ……やはりTales Weaverですね(笑)。

4G:
 そうですよね(笑)。それでは最後に,Tales Weaverを待っているforGamer読者のために,ひと言お願いします。

SOFTMAX:
 実は日本でもTales Weaverのファンサイトがあると聞いて,非常に驚いたことがあるんです。それに,今でもたまに韓国サーバーでプレイしている日本ユーザーを見かけますよ。そこでこの場を借りて,本作に関心を持ってくれている日本のみなさんにお礼申し上げます
 もう少し経てば,正式に日本のユーザーのみなさんにも遊んでもらえるようになると思います。その日まで,ぜひ期待してお待ちください。

4G:
 ええ,期待しています。本日はありがとうございました。

「Tales Weaver」公式サイト