バルダーズゲート 2 シャドウ オブ アムン 完全日本語版 〜第一回:キャラクターメイキング編〜
2001/07/07
Text by 大路政志
バルダーズゲート 2 完全日本語版のプレイの前に!
前作の「バルダーズゲート」が,やや敷居が高いながらも多くの日本人ユーザーに好評をもって迎え入れられた事実は,お手軽ファンタジーにウンザリしている,ストロングスタイル・ゲーマーの多さを物語っているのかもしれない。かく言う筆者も,「指輪物語」「ドラゴンランス戦記」「エルリック・サーガ」等を読み漁り,「Wizardry」にハマりまくった過去を持っている。
さて,前置きが長くなったが,この7月6日,ファン待望の「バルダーズ・ゲート2 シャドウ オブ アムン 完全日本語版」(以下,BG2)が,ついに発売された。気になる(笑)テキスト量は,前作の50万ワードをはるかに凌ぐ120万ワードとなり,世界と物語はさらに広く,そして深くなった。「完全日本語版」なので,英語が堪能ではないユーザーでも,"バルダーズゲート ワールド"にドップリと浸ることができるだろう。
今回は発売直後ということもあり,物語の背景の簡単な解説と,キャラクター作成まわりのシステムを紹介していこう。前作をプレイした人も,チェックしておけば「BG2」をスムーズに開始することができるので,ぜひ一読しておくことをオススメする。
なお,攻略や各種データ等は,次回以降に随時お送りしていく予定となっているので,お楽しみに。
舞台となる世界
BG2の舞台は,地球と同程度の大きさの惑星であるアビアー・トーリル。一般的にはトーリルと呼ばれ,北半球には大きな大陸が存在し,その大陸の西方をフェイルーン,東方をカラタール,南方をザカラと呼ぶ。本作では,主にフェイルーン内のソードコースト(剣の海岸)周辺で冒険を繰り広げることになる。
ソードコーストの周辺には,北に大都市バルダーズ・ゲート,南に商業王国アムン,西に剣の海,東にシャープティースの森に囲まれたウォーターディープがある。ウォーターディープには,邪悪なデミヒューマン(オークやトロール,ホブゴブリンといった亜人種)の勢力がはびこっており,最近では,人と獣で構成された強盗団も出現するなど,危険度はさらに増している。無人の塔やダンジョンなども多く点在しているので,冒険のネタには当分困ることはないだろう。
アムンは,本作のサブタイトルにも冠されている商業都市。周辺の都市よりも富に恵まれており,有力な商人たちによって支配されている。そんなアムンを人々は商業王国(マーチャント・キングダム)と呼んでいる。アムンは,圧倒的な経済力をもって世界を支配しようとしており,近年では北方の隣国であるバルダーズ・ゲートとあわや戦争,という状況にまでいたった。幸いにして戦争を回避することはできたものの,両国の間には依然として険悪なムードが漂っている。
というわけで,こうした硬派な設定の世界を舞台にプレイヤーはさまざまな冒険をすることになる。イモエン,ジャヘイラ,ミンクスといった同じみの面々も登場し,前作同様,今回も壮大な冒険が堪能できるのだ!
といってもその前にキャラクターメイキングでキミの分身を作らなければならない。ここから先はちょっとしたアドバイスを交えつつ,キャラクターメイキングの様子を紹介していこう。
キャラクター作成
本作を始めるには,プレイヤーの分身であるキャラクターを作成しなくてはならない。キャラクターメイキングには結構時間がかかってしまうが,決して苦痛なモノではなく,アレコレと悩み,そして楽しみながら行うことができるようになっている。種族,クラス,アライメント,スキルなどを決定して,自分好みのキャラクターを制作しよう。
■ STEP 1 ■
性別(GENDER)
キャラクターの性別を決定。男女の能力差は存在しないので,好きに選んでかまわない。なお,顔グラフィックスとキャラクターグラフィックは選択した性別によって変化するようになっている。ちなみに顔グラフィックについては自分で用意したものをインポートする機能も用意されている。その気になれば自分の画像だってインポートきるぞ。
■ STEP 2 ■
種族(RACE)
人間,エルフ,ハーフエルフ,ノーム,ハーフリング,ドワーフ,ハーフオークの中から種族を決定。種族によっては特殊能力を持っていたり,また就けるクラスに制限がある。種族の選択は,重要な要素なので,しっかり考えて選んでほしい。各種族の特徴は以下の通りだ。
種族名 |
能力値ボーナス/ペナルティ |
耐性 |
特殊能力など |
人間 |
なし/なし |
なし |
クラス制限なし,レベルの限界が高い |
エルフ |
デクスタリティ+1/コンスティテューション−1 |
チャーム,スリープ |
インフラビジョン,弓,ロングソードの扱いに長ける |
ハーフエルフ |
なし/なし |
チャーム,スリープ |
インフラビジョン |
ノーム |
インテリジェンス+1/ウィズダム−1 |
魔法 |
インフラビジョン |
ハーフリング |
デクスタリティ+1/ストレングス−1 |
毒,魔法 |
暗視能力,スリングの扱いに長ける |
ドワーフ |
コンスティテューション+1/カリスマ−1 |
毒,魔法 |
インフラビジョン |
ハーフオーク |
ストレングス,コンスティテューション+1/インテリジェンス−2 |
なし |
なし |
■ STEP 3 ■
クラス:職業(CLASS)
キャラクターのクラス(職業)を選択。大別するとウォーリアー(戦士),プリースト(僧侶),シーフ(盗賊),メイジ(魔法使い)の4グループがあり,各グループには細分化・特化されたクラス(キットと呼ぶ)が用意されている。もちろん,各職業によって特性があり,例えば剣聖などは"気"の力を使って攻撃を強化でき,レベルが上がるごと攻撃力や命中率にボーナスが得られる。
ただ,その反面,鎧が装備できない……といった感じだ。さらに,複数のクラスを併せ持つマルチクラスや,転職して修行することで前の職業の個性を引き継ぐことができるデュアルクラスといったシステムも用意されいるため,ここですべての詳細紹介するのは不可能に近いだろう。一応,種族と職業の関係を「ここ」に簡単にまとめておいいたので,参考にしてほしい。
■ STEP 4 ■
アライメント(ALIGNMENT)
アラインメントとは,キャラクターの社会や権力に対する態度を反映した属性。ローフル・ニュートラル・カオティックと,グッド・ニュートラル・イービルの2軸を組み合わせた,9種類のアラインメントを選択することができる。ただし,選択したクラスによっては,アラインメントに制限を受けることもあるので要注意。
■ STEP 5 ■
能力(ABILITIES)
キャラクターの能力値を決定。ストレングス(筋力),デクスタリティ(敏捷性),コンスティテューション(頑健さ),インテリジェンス(知識),ウィズダム(知恵),カリスマ(魅力)の,計6項目の数字がランダムで決定されるので,そのポイントを加減して,キャラクターの個性を出そう。平均的に能力を上げるよりも,肉弾戦をしたいからストレングスを多めにして……といったメリハリあるキャラメイキングが重要になってくるだろう。
■ STEP 6 ■
スキル(SKILLS)
武器の熟練度や,各クラスに用意されている特殊能力を設定。どちらもキャラクターの個性を際立たせ,戦闘力に影響を及ぼす大切な要素だ。スキルポイントがもらえるので,ロングソードやアックス,ボウ,といった武器の系統ごとに割り振っていこう。
また,各種武器だけではなく,剣と盾スタイル,2刀流スタイルといった戦闘スタイルにスキルポイントをつぎ込むことも可能だ。各スキルは最大5ポイントまでアップすることができる。
■ STEP 7 ■
外観(APPEARANCE)&名前(NAME)
キャラクターの外観と名前を設定。肌,髪,服,小物類のカラーを決定することができる。とくにゲームに影響を及ぼす要素ではないが,気に入った配色を設定したいところだ。そして,名前を付ければキャラクターメイキングは終了となる。
キャラメイキングが終了すると……
こうしてキャラクターを制作が終了すると,いよいよ冒険に出発だ。もちろん,前作からのユーザーも新規ユーザーもすんなり楽しめる作りになっている。ゲーム中の会話一つをとっても選択肢の種類が多彩で,既存ユーザーはこれまでの続きとしてプレイ可能だし,今回初めて遊ぶプレイヤーは記憶を失っているというスタイルでゲーム中の選択肢を選べるように仕上がっているのだ。
次回からは,ゲームのプレイレポートとアイテムやモンスターなどのデータをがっちりと紹介していこう。
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