= 公開βテスト=
「ファンタシースターオンライン」

2001/11/26

文/写真 Gueed

クリックすると拡大します  というわけで,またまた行ってまいりましたゲーマーの"聖地"秋葉原にあるネットカフェ「Necca」。今回の公開βテストは,無料で一般の人を対象に行われるということで,「Necca」には連日行列ができるほどの大盛況ぶり。本作の発売を待ち望む熱心なファンが集ったこのイベントの模様をお伝えしよう。



■正当な血を受け継いだ本作だが……

クリックすると拡大します  本サイトの読者であればすでにご存知かと思うが,「ファンタシースターオンライン」(以下,PSO)は,セガがPC用として初めて世に放つオンラインRPG。2000年12月に同社のドリームキャスト(以下,DC)で先行発売され,コンシューマ機として事実上世界初となったオンラインRPGだ。また,"Game of the Year"を含む国内外合計15もの賞を獲得するなど高い評価を受けているということで,PCゲーマーから大いに期待されている作品になっている(本サイト内の「こちら」も,本記事と併せてぜひチェックしてほしい)。

そもそもこの「ファンタシースター」シリーズの歴史は古く,初代ファンタシースターが登場した1987年にまでさかのぼる(ちなみに,当初セガ・マークIII版として発売された一作めは3DダンジョンタイプのRPGで,後に復刻版としてメガドライブに移植されることとなる)。直系としてはシリーズ五作めである本作の舞台設定はSFで,それなりにシリーズの世界観は継承されている。しかし,前作をプレイしていないと楽しめないなどという野暮なことはなく,シリーズは本作が初めてというユーザーも問題なく楽しめる作品に仕上がっているあたりがウレシイ。




■セガのネット戦略にかける意気込みを見た

クリックすると拡大します  記者発表会は,PC版のパッケージデザイン初回特典についての発表で幕を明けた。初回特典として同梱されるのは,4種類のイラストパターンが用意されたマウスパッド。パッケージにはランダムに同梱されるようなので,全種類集まるまで買い続け……いや,どれが入っていても恨みっこなしということで。
 ソニックチームの中氏によると,本作のメインターゲットとしているユーザーは主にライトユーザー層ということで,ネットワークゲームの入門編としての位置付けを明確にしている。さらに,ゲームキューブやXbox版の発売も決定しているようで,マルチプラットフォームでのコンテンツプロバイダとして確固たる地位を築こうとするセガの姿勢がうかがえるところだ。

 アジア市場を重視していくと語った中氏だが,DC版の自動翻訳システム「ワードセレクトシステム」に,中国語(簡体字,繁体字)/韓国語が追加されているのもその理由のひとつだろう(ちなみに,欧米への展開については現在提携先と協議中とのこと)。

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■オープンISPとは……

クリックすると拡大します  ゲームとは直接関係ない話題だが,今回,セガのネットワーク戦略の一環として「オープンISPシステム」という,聞きなれないシステムが導入されたことをご存知だろうか。

 PSOは,セガが提供しているネットワークサーバーに接続してプレイするタイプのゲーム。このオープンISPシステムは,そのサーバーの利用料金の支払い方法の新しい方式だ。ただ,公式サイトなどにあるオープンISPの説明は若干分かりづらく,説明の中に「プロバイダ」という言葉が少なからず出てくるので,「今のプロバイダだとPSOはプレイできないの!?」という不安を抱えている人も少なくないのでは?

 結論からいうと,現在契約しているプロバイダがどこであってもPSOのプレイは可能。  このオープンISPシステムは,セガが提携するISP4社に加入している人に便利な支払いシステムで,PSOのサーバー利用料を,月々のプロバイダ料金の支払いに含めることができるというもの。それ以外のプロバイダを利用している人は,クレジットカードかウェブマネーを利用した支払いになるので,若干手間がかかるといった程度だ。

 以下にセガとアライアンスを結んでいるISPを列挙しておくので参考にしてほしい。

 ・株式会社ISAO(isao.net)
 ・ニフティ株式会社(@nifty)
 ・日本電気株式会社(BIGLOBE)
 ・ソニーコミュニケーションネットワーク株式会社(So-net)


■■「PSO」を中心としたムーブメントは起こるか?

クリックすると拡大します  今回の公開βテストの参加者は,Webでの事前登録者および,開催各日当日朝に会場前で配布された整理券をゲットした幸運な人達で……といいたいところだが,実際には事前登録分ですでに定員に達してしていたことが判明。このゲームに並々ならぬ期待がかかっているのは確かなようだ(しかし小耳にはさんだところによると,来店したユーザのほとんどは,DC版のプレイヤーらしい)。
 技術的には問題のない異機種間での相互接続を採用しなかった点において,既存ユーザーと区別したことが吉とでるか凶とでるか非常に興味深いところである。

 前述したとおり,本作の基本コンセプトは「ネットワークゲーム入門編」。だが,正直なところ,ハードゲーマーとライトゲーマーが共存する空間を提供するのは容易ではないし,その垣根はなかなか取り払えるものでないと思う。しかし,"キッカケ"として考えるならばハナシは別。本作をプレイしていくなかで,"ネットワークゲーム本来の楽しさ"さえ理解してもらえれば,そしてそれをキッカケに数々のゲームに出会ってくれればいうことなしだろう。たとえそのユーザがコアなゲームに手を出そうとしなかったとしても,結果的に市場が拡大してハードゲーマーにもその恩恵があると考えるのであれば,それはそれで成功だと思うのだが,いかがなものか。(Gueed)


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