forGamer.netイギリス紀行:独占インタビューシリーズ<4> 2/6

Galleon:Island of Mysteryというゲームについて

海の男ラマが主人公の冒険活劇

 ここではまず,「Galleon:Island of Mystery」(以下,Galleon)のゲームの概要を紹介してみよう。
 フル3DのアクションアドベンチャーゲームとなるGalleonは,そのタイトルからも察することができるように,ガレオン船で大海原を縦横無尽に駈け回るキャプテンが主人公。名前をラマ・サブリエール(Rhama Sabrier)といい,甘い容貌には似つかないサルのような素早い身のこなしと,地図制作にも長けた経験豊富な探検者として,七つの海に名をとどろかせる英雄という役どころだ。
 同じジャンルのゲームであるためにどうしてもトゥームレイダーと比較してしまいがちだが,Galleonでまず目をそそるのが,ディズニーのアニメ映画を連想させる特徴のある画風である。多くのキャラクター達によって生き生きと描かれた世界と,日本のゲームにも通じるような明るい色使いによる作風が,1度画面を見た者に強い印象を焼き付ける。ゲームの世界は,大航海時代の史実に基づいたものではなく,魔法なども登場する仮想世界を舞台にしている。あえて言い表すなら,「プリンスオブペルシャ」と「マリオ64」を足して2で割ったようなゲームだという感じであろうか
 ストーリーは,アクバーと呼ばれる港町に住む初老のヒーラーに呼び出されるところから始まる。難破船の所在地を確かめるために,ラマに調査してもらおうとしたのだ。やがて,このヒーラーの側近である船乗りが大きな秘密を一人占めにし,謀反を起こすという展開を見せる。プレイヤーは,世界を覆すこともできるという究極の兵器の謎を追って,この男を追跡することになるのだ。
 プレイヤーが探索できるのは環境の異なる六つの島々で,ヨーロッパの中世期風の街やローマやトルコに似た風景の島,火山島などで構成されている。もっとも,ストーリーは直線的には作られていないため,プレイヤーはどの島へも進んでいくことができる。特定の謎を解かない限りは先に進めない場所もあるので,ゲームを進めていくうちに,プレイヤーの気付かなかった世界が広がっていくことだろう。

滑らかなアニメーションによる活気ある世界

 さらに驚かされるのが,トゥームレイダーから大きな進化を感じさせる滑らかなアニメーションシステムで,戦闘時には剣技ばかりでなく,カンフーのような動きも見事にこなす。さらに,いろいろなモノによじ登ったりするのはもちろん,急斜面を駆け上がったりバック転で敵の攻撃をよけるだけでなく,コンボ技を体得できたりもするようだ
 トゥームレイダーはキャラクターのコントロールの難しさに問題点があったとされているが,Galleonでは操作性も十分に配慮されている。これは,Galleonのキャラクターが周囲の環境に自動的に対応するようになっているからで,目の前に高い壁があればラマは勝手によじ登ってくれるし,目の前に木の枝のような障害物が現れれば,プレイヤーがコマンドすることもなくしゃがんでくれる。これは,なかなか細かい配慮であるといえるだろう。
 Gelleonのユニークなシステムの一つが,"相棒"の存在である。ゲームがある程度まで進行すれば,先に登場したヒーラーの娘にあたるフェイス(Faith)と,すばしっこさではラマも及ばない小娘ミホコ(Mihoko)が相棒として加わる。彼らは,傷を癒してくれたり共に戦ってくれたりするほかにも,2人以上のキャラクターが必要なパズル――例えばドアを開けるために二つのスイッチを同時に押さねばならないような――の場合などに役立ってくれるだろう。モノによっては,フェイスの魔術やミホコの敏捷性を駆使しなければならない局面もあるという。

 また,Galleonの世界はさまざまなNPCキャラクターで満ち溢れており,固有の名前があるキャラクターなら60体,それ以外にも街の住人など,使い回しされているジェネリックキャラクターが多く登場する。ラマが出会うキャラクターたちはどれも表情が豊富で,インゲームエンジンを使ったシネマティックス(ムービーシーン)も見応えがあるものに仕上がっていた。
 戦闘についても補足しておくと,ラマが使用できるのは15種類程度の剣で,中には魔力を秘めたものなどもあるようだ。攻撃は,敵との距離や位置がリアルタイムで常時計算されるようになっており,それによって剣の振り方などが決定されるようになっている。複数の敵に囲まれても,ラマはそういう状況を把握できるようになっていて,違うキャラクターを連打するような複雑な動きもできるようになっていた。ゲームも終盤に差しかかると,主人公の300倍はあるような巨大モンスターも登場するという。

最新のアニメーション技術で,多彩な動きを滑らかに実現させている。歩く,走る,跳ぶ,後ろに跳ぶ,転がる,掴まる,よじ登る,しゃがみ込む,剣を振る,などのベーシックな動きはお手のもの。ゲームが進むに連れ,超人的なラマの動きに魅せられていくだろう 主人公ラマと,サイドキック(相棒)としてプレイヤーを補佐するフェイスとミホコの女性キャラ。ラブ・トライアングルでラマの心が揺れ動くようなストーリーはあるのだろうか ゲームの世界はかなり広く,散策するだけでも飽きることはないだろう。島の内部に張り巡らされた洞窟やダンジョンばかりでなく,屋外でもかなり自由な冒険を楽しめるのだ

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